親子ボードゲームで楽しく学ぶ。

世界のボードゲーム・カードゲームを楽しもう!初心者や子供におすすめなライトなアナログゲームを紹介します。

ボードゲームを使って保育園児が小学校受験にチャレンジ。過去問にダマされた家庭学習など、出願から入試までの顛末。

昨年から取り組んできた、ボードゲームを使った小学校受験、ボ受験の取り組み。

実はだいぶ前に結果が出ていたのですが、ここのところ仕事が多忙でなかなか更新できませんでしたが、結果はなんとか合格となりました。

まぁ、受験した国立小学校には、試験だけではなく、抽選による選考があるなど、運の要素がかなり大きいのですが、運も実力のうちということで・・・。

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というわけで、これまでのボ受験活動のお話です。

ボ受験の基本的な方針

私自身、小さい頃の勉強といえば夏休みのラスト1週間で宿題に追われた記憶くらい。

塾や予備校は利用したこともない人生で、受験も高校受験からです。

なので、そもそも自分がやったことない大変な勉強を小さな子供に強いるのは、本意ではありません。

受験は親の勝手な試みなので、子どもにやらせる勉強は最低限。楽しむのは無理でも、できるだけ勉強の苦労がないことが最優先です。


というわけで、受験にあたっての基本方針は3段ピラミッド。

一番上の受験勉強は、下の段がしっかりしていたら小さく済むというわけです。

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知識は親子での体験とコミュニケーションからの学び

実際の受験には下記のような問題があります。

(アサガオ、ユリ、キク、アジサイ のイラスト)

「このなかから仲間はずれのもの(季節)に〇をつけなさい。」

絵で花の種類を判別して、さらに季節の違いを理解だなんて、正直大人でも分かりません。


こんな問題をテスト勉強として学んでも楽しくないし、なかなか定着しません。

そこでいきてくるのが、植物園へ実際に見にいくことや「雨が振っていた夏まつりのときに、アジサイが咲いていたよね」と、体験とあわせた理解です。

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ベースとなる知識や考え方は机に向かう勉強ではなく対話や体験での学び、で身につけるよう心掛けます。

実際、小学校受験の学習塾でも、海にいったり稲刈りなどの農業体験をしたりといった、体験学習がかなり取り入れられているようですね。

考える力はボードゲームで遊んで

考える力の部分でボードゲームの出番です。

コマを数えたり点数を計算したりパズルを組み替えたり、ボードゲームと小学校の試験問題との親和性はかなり高いです。

考える力をインプットする部分は、ボードゲームで遊びながら身につけます。

実際の問題を解くよりも、時間あたりの学習効果は当然落ちますが、勉強と遊びという大きな違いがあります。

勉強には本人のエネルギーも必要ですし、親としてはやらせるのに抵抗があります。でも、遊びなら、どれだけたくさん掛けても楽しい時間です。

終盤でこそ試験を意識したゲームをセレクトして、親から持ち掛けるようにしていましたが、それまでは子供が遊びたいボードゲームを、とにかくたくさん一緒に遊びました。

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遊んだ時間では誰にも負けてないかもしれません。

「慣れ」の意味でのアウトプット

実際の入試には、ペーパーテストがあります。

幼児教室なども通ったことがないうちの保育園児が、いきなり受験をしても解けるわけがありません。

インプットしたことがちゃんとアウトプットできるように、「慣れ」の位置付けで問題練習にも取り組みます。

ただ、まだまだ遊びたい年頃の子にテストをやらせるのは、どこまでいっても親の勝手です。

ピラミッドの下段でなるべく支えるのが優先で、直接的な勉強は最小限にとどめるよう心がけました。


出願から受験まで取り組みの流れ

今の住まいは、公立小学校の学区のはずれにあるため、歩いて通うにもそれなりに時間がかかります。

それだったら他の小学校に行かせるのも選択肢かなと、考え出したのが夏くらい。

小学校入試はいわゆる知能テスト的なものが主体。ボードゲームには知育効果があるんだから、ボードゲームをいっぱい遊ぶわが子は意外と有利かな、という単純な発想からスタートしました。

ボ受験スケジュール

過去問に挑戦〜挫折からの願書提出

近所にある小学校受験塾には、いつも通う小さい子の姿が絶えません。

塾に通わせる苦労をさせる気はサラサラありませんが、果たして塾に通わせずに受験ができるのか…。

どんな相手か知ろう~ダメだ!

戦うにはまずは敵を知ることからということで、とりあえず書店に行って過去問を買ってきました。

そして、中を見ると、意外に問題の難易度が高いこと!大人でも苦戦する内容。

ボードゲームで遊ぶ程度じゃ到底太刀打ちできないなと、さっそく心が折れてしまいました。
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確率もゼロなら、受験料は安いとはいえ、記念受験をしても全くのムダです。

興味をもったぞ!願書提出

しかしながら、しばらく部屋の隅に放置してあった問題の束に、「これなあに?」と興味を示す娘。

「いや、クイズ問題なんだけど、ちょっと難しいから、もっと大きくなるまで置いてるんだよ」

「え〜、今でもきっとできるよ!やるやる!」

ボードゲームで遊ぶ時は、自分の年齢より高い対象年齢のものができると優越感にひたるうちの子。

難しいと言われて、逆に闘志を燃やしたようです。

思いがけず興味をもってくれたことをチャンスとして「クイズ」というていで、遊びの中に混ぜていくこととしました。

うまくヤル気になったからにはチャレンジだ、と、この流れで願書を出すことにしました。

模擬試験~過去問にダマされて塾を頼る

願書提出後はボードゲームを毎日遊びつつ、過去問を使って家庭学習もボチボチ進めていました。

ただ、実際の受験には面接官と質問をやりとりする「口頭試問」もあります。

また、「コップをグループで協力して高く積みましょう」「ケンケンパで向こうまで行き、腕を2回回してから片足で立って5まで数えましょう」など、指示をだして行動を見る「行動観察」という試験も。

集団での学習やテストなど、まったくやったことない保育園児です。

塾に行かないのは子供に苦労をさせたくないから。塾に行って子どもが楽できるのであれば、利用しようと思います。

試験慣れをしておかないといけないということで、学習塾の門をたたきました。


ちょうど模擬試験が開催されるところ。「ラストスパート模試」という、最初で最後の模擬試験を受けることになりました。


模試の判定は D判定

箸にも棒にもかからないわけではない、まぁ、記念受験にはちょうどいいレベル?


あと1か月。これまでずっとやってきた子たちとは追い上げがちがうかも。最後の追い上げで何とかなるかもしれません。
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模試の解説が終わったあとに、過去問をやっていて、疑問だった点を塾の先生に質問してみることにしました。

「例年『お友達と遊んでいるところの絵を描きましょう』という課題画が出題されているようですが、道具はクレヨンですか?それとも色鉛筆ですか?家で慣れておきたいので。」


「はて?課題画なんて問題は、この学校では一度も出たことがありませんよ。その過去問の話、どちらから?」

「書店で購入した市販の過去問です。」
「そうなんですか。20年くらいこの仕事をやっていますが、ここは毎年傾向が同じはずなのに・・・。おかしいわね。」

そういえば、模試を受験したうちの子も「なんか見たことがないクイズばっかりだった」との感想。


受験が終了して確信したのですが、

書店で購入した過去問がまったくのデタラメ!
という詐欺のようなオチ。

これまで、過去問のつもりが見当違いの問題をやっていたわけです。


問題練習にそれほど時間は掛けてないとはいえ、これまでの努力が無駄だったのはショックでした。


軌道修正にも時間があまりありません。ズレていた部分をリカバーすべく、塾の直前講習を塾生ではないスポットとして申し込むことにしました。

もともと行動観察試験など、家ではできないこともあるので、場慣れのために3、4回は受けようかなとも思っていました。

これを本番までの残りの期間で10回くらいに増やすことにします。

塾の人は「保育園?」「これまでどこにも通ってないの?」「まぁ、今からだとかなり大変ですが頑張って」という冷ややかな態度です。

ラストスパートだけはがんばって

年末年始からは、アウトプットに注力します。ボードゲームは問題を意識したものに絞りこみつつ、ちょっと控えめに。

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塾にある程度通うのと、家庭学習もそれなりにやるので、「もうクイズは飽きたよ~」と言う子供にも「小学校に行くためのクイズなんだよ」と、カミングアウトして、最後の追い込みです。


問題練習にも慣れてくると、問題の正答率とスピードが上がってきます。

するとどうでしょう。塾の先生度も「受験番号、ちゃんとお知らせくださいね」と、態度が変わってきました。

受験本番

そして本番です。

余裕がないのは面接を控える私たち両親で、子供はすっかりリラックス。

試験終了後も「なんか、クイズ簡単だったよ~」とのことで余裕の表情でした。

まぁ、果たして実際に解けたのかどうかわかりませんが・・・。

両親の面接では、「1歳から保育園に行かせるなんて、どのような教育方針なんでしょうか。」と、保育園児という家庭状況に切り込む質問も。

ただ、願書に「幼稚園」と印字してあったくらいなので想定内の質問。用意していた回答で、なんとか切りぬけることができました。

合格発表

発表は試験の翌週には行われます。

学校に行って受験番号を確認するなんて、大学受験ぶりくらいでしょうか。気が遠くなる昔です。

自分の受験なら、どんな結果であれ自業自得ですが、子どもの受験ということで、「どうか受かってて!」という願いがより強まります。

なんとか結果がでて喜びもひとしお。周囲には母親同士で抱き合っている姿がたくさんみられました。

まとめ

今回の取り組みで学んだこと。

ボードゲームの知育効果はかなり期待できるかも

覚えること以外のインプットはボードゲームで遊んだことが全てです。

市販の過去問にはダマされるな

高校受験のように受験者が多くなく、子どもが受験者で検証困難といって、デタラメな問題を過去問と偽って売っているとは…。詐欺も同然ですね。

塾に頼らずとも受験はできる

わが家は過去問にやられたこともありスポットで頼りましたが、子供次第では模試程度で十分いけそうな感じです。


小学校受験は、「親の受験」ともいわれます。

改めて振り返ると、いい歳して「志望動機」「教育方針」を考えてみるなど、なんとなくやってきた家庭教育を改めて見つめなおす良い機会になったと思います。

国立小学校なら受験料も数千円程度でそんなに痛くありません。

これから小学校にあがるお子さんがいるご家庭は、実際に行くいかないは別にして、小学校受験にチャレンジしてみると、得られるものがあるかもしれません。