海外のブラックフライデーの盛り上がりを日本へも、ということで、官民のプロジェクトとして検討が進んでいたプレミアムフライデーの企画。
いつから?参加企業はどれだけいるの?と思っていましたが、いつのまにか実施が決定し、2017年2月24日に最初のプレミアムフライデーがスタートするようです。
プレミアムフライデーとは
要するに、
月末の金曜日は、仕事を休む、早く仕事を切り上げるなどして、ちょっぴりプレミアムな金曜日を過ごしましょう。ついでに消費が増えると小売店もうれしいし、景気の刺激になれば政府もうれしい。
というような趣旨のキャンペーンイベントです。
プレミアムフライデーって誰がやっているの?(実施主体)
官民連携の「プレミアムフライデー推進協議会」が中心に検討が進められてきました。
景気を気にしている経済産業省が旗振り役で、経団連と、百貨店などをはじめ足元のインバウンド需要の落ち込みで、次なる消費を切望している小売や旅行業界団体が協議会の名簿に名を連ねているようですね。
賛同を表明した企業は、ホームページに掲載され、プレミアムフライデーのロゴが使用できるようになるようです。
いつから?(実施時期)
初回は平成29年2月24日(金)が設定されています。
イベントは金曜日から日曜日の3日間とするなど、プレミアムフライデーの名前を使いつつもある程度期間などは柔軟に設定可能のようです。
2回目以降も「月末」「金曜日」を軸に実施する方向のようです。
どこで何があるの?(実施内容)
公式の記載では
全国各地で、業種にとらわれずに実施
買物・観光・ボランティア・家族との時間など、多くの方が「生活の豊かさ」や「幸せ」を感じられるよう、付随する商品・サービス、イベントなどを地域・コミュニティ・企業等で検討
ということで、要は特に決まっていないようです。
まぁ、とりあえずイベント日を設定すれば、企業側でイベントを考えるだろうという、お役所が考えそうなスタイルですね。
具体的に何かメリットがある?
プレミアムフライデーの公式サイトには、協賛企業の取り組みや、参加企業が主催するイベントも掲載されています。
バーゲン的なイベントもあるようですので、始まる前に、公式サイトを一度チェックしてみるとお得な情報が転がっているかも。
例えば、楽天トラベルでは2月24日に限定クーポンを出していたり、牛丼の吉野家ではプレミアムフライデー限定商品として、午後休みの意味の半どんとかけた「牛豚 半丼(はんどん)」を販売したりするようです。
最初「牛豚半丼」を「牛丼半額」と読み間違えてしまい、勝手にガッカリしてしまいましたが・・・。
https://www.yoshinoya.com/_static/page/html/news/2017/pdf/170209.pdf
当ブログのメインテーマであるボードゲーム関連でいけば、渋谷をはじめとした数店舗を構えるボードゲームカフェのJERYJERYCAFEさんで、「最大10時間1,500円」というイベントを実施しています。
jellyjellycafe.com
いきなりのプレミアムフライデー
クリスマス前に、本家のブラックフライデーの記事を書いたときに、実はこのプレミアムフライデーについてもちょっと触れていましたが、それ以降はすっかり忘れてしまっていた私。
[https://premium-friday.go.jp/www.boardgamepark.com
過重労働防止対策もそうですが、掛け声だけのイベント感で早期退社しても、社員の時間が充実どころか、仕事が余計に大変になるだけ。
まともな企業は、労働時間シフトや効率化の追加施策を実施して効果を検証してからだろうから、導入に慎重な会社が多いだろうと思っていました。
しかしながら、何も考えずに、すぐさま飛びついてしまう会社が身近にあったとは…。
2月になって出社すると、会社からの通知。ここで本当に実施することを知りました。
当社はこのたび、政府主導で進めているプレミアムフライデーの取り組みに、賛同することといたしました。
平成29年2月24日(金)が最初のプレミアムフライデーです。
この日については、有給休暇または半日休暇の取得を推奨いたしますので、業務の都合をつけて有意義にお過ごしください。
会社からの、いきなりの通知です。
社員の反応
突然かつ「推奨」という無責任かつ無策な通知に私以外のみんなも面食らっています。
「プレミアムって、会社は何かやってくれるんだっけ?」
「なんで有給を取る日を会社に勝手に指定されなきゃいけないんだよ。」
「月末の忙しい時に休めるんだったら、とっくに休んでるよ!」
「フレックスだから、早く帰ると残業減って給料減るんだけど…。」
「金曜に早帰りより、毎日少しでも早く帰って子供を迎えてあげたいんだけど。」
と、基本ネガティブな反応ばかり。
一番多いのは、「休めっていわれても、金曜日にやってる仕事を誰がやるんだよ!」
という不満ですね。
業務量保存の法則
「業務量保存の法則」聞いたことがありますでしょうか。
中学校の理科には、「化学反応の前と後で物質の総質量は変化しない」とする「質量保存の法則」を習いました。
ビジネスの世界では、「仕事をシフトしたり短縮命令を出したとしても、業務の絶対量は変化しない」という「業務量保存の法則」が成り立ちます。
誰かがやらない仕事は他の誰かにいく、引き寄せなぬ「しわ寄せの法則」とあわせて、新人社員は頭に入れておくべきビジネスの法則です。
さて、この業務量保存の法則を前提にすると、2月24日には、こんな人が増えるかも・・・。
ぜひ観察してみましょう。
偽物ノマドワーカー
あれ?スタバがいつもより混んでいて、席が全然空いていない。
席には、ドヤ顔をしてマックブックを操る「ノマドワーカー」たち。今日は何だか多いなぁ。
よく見ると、ドヤ顔というよりも必死な顔の面々が・・・
どうやら、ドヤ顔の「ノマドワーカー」のなかに、遊牧民とはほど遠い「会社を締め出された社畜たち」が混ざっているようです。
家にも居場所がなく、会社にも追われ、かといって片づけなければならない仕事も・・。
スタバに行けるのはまだ恵まれた方です。
仕事は残ったまま働く場所もなく、ただ時間だけ与えられ、かといってお小遣いが増えるでもなし。
居場所のない流浪の民は、図書館や、時には公園のベンチを彷徨う運命にあります。
Jリーガーもびっくりのスルーパス
2月24日に華麗にサッと帰る人がいたら、その人がやっていた仕事の行く先に注目です。
ボールを受け取ったかのように見せかけて、「後はよろしく~」と、華麗に他人にスルーパス。
この手のファンタジスタのなかには、誰かのシュートを自分が蹴ったかのように見せるという、「成果奪い」という高度なテクニックを持つ者もいるから要注意です。
コッソリ爆弾を隠して消え去り、他人をアウトにさせる、隠し球の使い手もこの手の人種ですね。
パントマイマー
いつも忙しそうにしていたあの人が、「お疲れ~」と早帰り。だけど、残っている仕事は全然ない・・・。
これはなかなかの切れ者か?
仕事がきれいさっぱり消えているのは、「業務量保存の法則」という自然原則を無視しているわけですが、これはどういうこと?
実は、その仕事、そもそも初めから存在なんかしていないんです!
存在しない仕事を、あたかもあるかのように見せかける匠の技。ここに極めり。
いつも「あぁ、忙しい!」と口ぐせのように言っている人ほど、パントマイマーの可能性大です。
こんなパンマイムのテクニックも、社会を生き残るためには大事かのかもしれませんね。
さて、どうなることやらプレミアムフライデー
イベントも早期退社も、強制ではなくて自主的にやるもの。やらされる時点でなにかかけ違えています。
プレミアムフライデーなんて設定しなくとも、職場の土壌と雰囲気さえ整っていれば、突然の発案の社員旅行で、みんなも乗ってくれる素晴らしいところもあります。こういうのがあるべき職場なんでしょうね。
www.kana-ri.com
仕事も減らない、給料も小遣いも増えないで、果たして効果があるものか。
そもそも、プレミアムフライデーの旗振り役の経済産業省は、毎晩明かりが消えない霞が関の中でも官僚の残業が一番多いところ。月の平均残業が100時間にもなるとかならないとか。
そんな官僚たちと銭勘定をしている小売業界が考えたわけですから、実際の職場環境への影響はあんまり考えていない制度なんでしょうね。
でも、あまりにも盛り上がりに欠けていると、経産省や経団連、商工会議所などから、「絶対休め!」というお達しが出るかも。
さて、うちの会社は本気なのかパフォーマンスなのかは分かりませんが、いざ強制となったら金曜日の仕事をどうしたものか・・・。
仕事の行き場がなくなって土日に仕事が食い込んでしまうのは本末転倒です。それだけは死守せねば・・・。
どこかに仕事を捨てるブラックホールはないかなぁ。