消防車でうどん屋に行ったニュースが炎上していましたね。
愛知の消防団員が合間で昼食をとろうと、うどん屋に消防車を駐車したことが新聞で取り上げられて批判されていました。
確かにどこかで昼食をとらないといけないですが、駐車場に消防車が止まっているのをみた人は「何かあった?」と思ってしまうかもしれません。
パトカーが停車していたら?救急車が止まっていたら?
緊急車両には、「何かあったんじゃないか」と思わせるインパクトはあります。
まさに李下で冠を正さず。自分はその気はなくとも、マイナスイメージに誤解して受け止める人がいることのことは考えなければなりませんね。
顧客の目に常に触れる仕事をしている人は、どんな人が見ているか分からない、会社や組織の信頼を崩しかねないため、気を付けないといけないリスクだと改めて思いました。
しかし一方で、以前に出張に行った先の会社を思い出しました。
「制服・作業着」で飲みに行け!
その日は、一日かけて会社の設備を見学させてもらう行程。昼をまたぐということで、先方と一緒に昼食をとることになりました。午前中の行程が長引いたので、時刻はもう14時近く。
地元の食堂に行ったのですが、先方はみんな作業着のまま。
それなりに名の知れた会社なのに、デカデカロゴがついた作業着で大丈夫かな、と気になって質問してしまいました。
「こんな時間に会社の車で、ロゴが付いた作業着のまま行っても大丈夫ですか?」
「いやいや、うちの会社では、いつも制服で行くのを推奨していますよ。第一、午後も作業着で作業をするのに、いちいち着替えていたら非効率でしょ。」
さらに「うちは夜の飲み会でも、忘年会などの公式行事では制服・作業着で行くようにしていますよ。」と言われてビックリ。
どんな人に見られているのか分からないのにルーズだなぁと思いましたが、よくよく聞くとそうではありませんでした。
忘年会などの公式飲み会の際は、いったん制服で行き、会がお開きになったら会社に戻って着替えてから解散。こちらはむしろ非効率です。
「お金もちゃんと落としていくし、マナーも良い上客の会社だから、いろいろ迷惑かけるけど協力してね。」と、地元に密着しているところをアピールしたい趣旨のようです。
一方で「制服で行くからには、言動には最新の注意を払い、ビールは2本まで。」など、制服だからこそマナーについての指導は徹底。
制服で飲酒運転は基本クビという厳しさも。
当然、「制服に飲みに行って不愉快だ」「この不景気に会社で盛大に宴会とはいいご身分だな」というクレームもくるそうです。
それに対しては、「当社に批判的な人は、なにをやってもアラを探してしまう。そんな人たちの批判を気にして縮こまっているよりも、堂々と多くの地元の人に気に入られる行動をしたい」という言葉が印象的でした。
目指すは制服や作業着で外出ができる社会?
海外に住んだことはないので実際はわかりませんが、今回の消防車事件は、海外でもあるのでしょうかね。
なんとなく海外ドラマなんかでは、制服で警官がドーナツ食べていそうな勝手なイメージです。
制服で昼に出られると、いろいろ誤解されると困るので、コストがかかるけど食堂を設置していたり仕出し弁当を取ったりする会社などもあると聞きます。
マナーを重んじる日本では、それぞれで自重した結果、「制服は勤務するときだけのもの」と、社会全体が許容できないこととなっているようです。
食事のために制服を着替えないといけない。パトロールをするのに昼にいちいち帰らないといけない。社会全体でみると非効率です。
消防車が駐車場に止まっているといけない理由は、「見る人が誤解するかもしれないから」が主ですが、誤解は、誤解を与える側ではなく、誤解をする側が悪いという考え方もあります。
消防車もパトカーも当たり前に食事をできる余裕のある社会。こっちの方がいい気がします。
自分ができるかというと別ですが、個人的には制服・作業着で飲みにいく会社・組織を応援したいと思います。