今週のお題「ブログ川柳」
脇道に それた記事ほど 人が湧き
最近は、メインテーマのボードゲームよりも、その他の雑多な記事の方がアクセス数が多くなる傾向があり、ちょっと微妙な心境。
まぁ、最近は更新頻度が減っていることもあり、アクセス数は低位安定で誤差の範囲。気にせずに、ボチボチいこうと思います。
というわけで、先日割と関心を寄せていただいたADHDの話の続きです。
いろいろ温かいコメントいただき、また、同じように悩んでいる人が多いということに少し驚きました。
前記事に書いたように、私のスタンスは「できないことはできない」「できることを伸ばす」です。
しかしながら、欠如しているのは基本的な仕事をこなすベース能力の部分。簡単に切り捨てられるほど、どうでもいい部分ではないという側面も。
人並みには全く到達できてはいませんが、マイナス面のカバーも費用対効果が見込める程度として、低レベルな努力もやっています。
というわけで、「片づけられない」「ミスが多い」「マルチタスクができない」ADHDの人には仕事で見かけられる要素。
ADHDかどうかにに関わらず、ダメ社員の典型的な特徴ですね。こんな人とは普通仕事したくありません。
今回はこれらの性癖に対処するために、できない人間なりにやってきた、無駄な抵抗をご紹介します。
デスクに山積みになっている書類をなくせ!
デスクの上に、書類が山のごとく積みあがっている。そして、ときどき、書類たちが雪崩を起こしてしまう。
こういうタイプの人はパソコンのデスクトップも散らかっていることが多いんですよね…。私です。
似たような性格の同僚と隣り合わせに座っていたときはひどいもの。書類の雪崩がお互いの書類が混ざってしまいカオスた状態でした。
積みあがっているだけだから、欲しい書類も必要な時にもなかなか出てません。
「使った都度で、片づければいいだけだ」と指導を受けるのですが、そんなの頭では分かっている話。それができていたらこんなにも積みあがっていません。
ただ、かつてデスクに常に30センチ近く書類を積み上げていながら、必要な資料を一瞬で出してくる達人に出会ったことがあります。
質問すると「ん~、それならこの資料だね。」と山の中からサッっと取り出す神業!
ただ積み上げているように見えて、整理されているわけですね。でも長い人生で後にも先にもその一人だけ。そんな名人芸は弟子入りして10年くらいしないと身につかないでしょう。
書類の絶対量を減らす
片づけができない人は、そもそも通常で片づけられるキャパが小さいわけです。
そんな人が普通の人と、同じ量の書類をもっていたら土台無理。とにかく書類を減らしましょう。
「保管していても、どうせ出てこないんだから、最重要なもの以外はとにかく捨てる」というスタンスです。
実際「もしかして必要になるかも」という安全サイドにたって持っている書類は、9割方使われません。
1割の使うケースに当たったとしても、整理されてなければ結局探せない。だったらあってもなくても結果は同じ。
それよりも大事な書類の方を救いましょう。
私は「半分シバリ」と自ら呼んでいますが、自分のデスクの引き出しの半分を常に空っぽにして、絶対に使わないようシバリをかけています。
人より整理できない人は、人並みに資料を保有した時点で負けです。
時間でまとめる
書類を整理するなら、しっかり仕分けをしてインデックスをつけてファイリングするのが理想。
しかし、片づけられない人にはそれもなかなか難しい。
でも、ただ綴じるだけならできます。
「金曜日の午後は書類整理」というように、定期的に整理の時間を設けて、時間でわけてファイリングしていきましょう。
「6月第1週」時間があるだけでも、いつやった仕事かを思い出せばいいので大分違います。
間違っても「引き出しにそのまましまい込む」という、その場限りの対処にならないよう注意です。
データで保存して必要なときは検索
能力が足りない部分は文明の利器でカバー。
電子ファイルで保存できるものは、データで保存しておけば、場所がどこにあっても検索できます。
[企画]20170602新商品プレゼン資料
のようにファイル名に、日付と、概要とカテゴリーわけさえしておけば、とにかくフォルダに放り込んでも検索できます。
電子ファイルなら、量があっても大丈夫ですしね。
どんどん湧いてくるミスを退治せよ
注意力不足に伴うケアレスミスには、私も長年悩まされてきました。
根本的に直すのは無理だと諦めていますが、目立つ部分でかつ仕事の成果に関わる部分でもあるので、なかなか避けては通れない課題です。
確認のためのアクションを意識して加える
ADHDの仕事がミスが多いのは、ひとつひとつの動作の後に無意識の確認プロセスが欠如しているから。
意識的に確認プロセスを入れてあげれば、ミスは大幅に減少します。
自動車運転におけるコメンタリー運転。危険につながるものを何か発見した際に、「信号よし」「歩行者注意」など、危険要素を口に出して言うような手法ですね。
駅員さんが駅でやっているのを見かける、動作の後に指さしをするのも有効ですね。
事務作業では、チェックリストなどを活用してチェックするのもいいかも。
このとき、全部完了してからチェックをまとめてしては意味がありません。チェックリストはひとつひとつの項目が終了した時点でチェックです。
ただし、これらにより、作業は冗長になり、時間的なロスが発生するのはどうしようもありません。スピードが犠牲になってしまいます。
完成品ではなく半製品を売り込め
スピードを犠牲にするのではなく活かす方法もあります。
仕事によっては「ドラフト段階でミスも多いと思いますがみてもらえますか?」と、上司や相手先に出すことが許される場合も。
時間と品質は基本的にトレードオフ。
荒削りでも、スピードがあれば十分とされる仕事は意外と多いものです。
「ミスは多いが、スピードは速い」と言われればしめたもの。
製造業の世界でも、完成品を作るだけが商売じゃありません。半製品を売ることを生業とした仕事ができるするよう、スピードで自分を売り込んでいくのもいいかもしれません。
そんな舵をきった結果、私の現在の仕事は新しいプロジェクトの開拓が中心。
何もないところから青写真をかき、完成する頃にはまた次のプロジェクトへ。きれいに整地するのは手堅い人の出番。私はひたすらに山を切り拓くポジションです。
マルチタスクができる人はデキる人?
ADHDの人は、マルチタスクが苦手だと言われます。複数の仕事をやろうとすると、どれをやっているか分からずに途中でスタック状態になってしまうようです。
そもそも、人間(シングルコアのコンピュータも似たようなもんですが)の脳は、複数の課題を同時に処理するようにできていないそうです。
課題A→課題B→課題C→課題A→課題B→課題C というように、処理するタスクを切り替えていくことで、あたかも同時に処理しているかのようになることができます。
ADHDの人が苦手とするのは、あるタスクに切り替えてまた復帰する、このタスクの切り替えです。違う課題に切り替えたときに、元の課題を忘れてしまったり、戻れなくなってしまうケースがあるわけです。
ただ、マルチタスク能力は、うまく取り込めればADHDの人にとってプラス。というのも、ひとつのことに集中力が継続しないというマイナスの特質を、いろいろなタスクを切り替えてチョコチョコかじることで集中力が持続しうまくカバーできるからです。
すぐできるゴミタスクをさばき、タスクの絶対量を減らせ
タスクの絶対量が減れば、タスクの切り替え頻度も減少し、切替時のトラブルも減ります。
例えば、「会議の出席依頼」「資料のコピー」など、すぐに対処できるゴミタスクを朝一など早めに片づけてしまう。これだけでずいぶん違います。
ちなみに、「『飲み会の出欠』などのどうでもいいタスクを、締め切りギリギリになったり遅延したりてしまう人」は、重要な業務においても遅延する傾向にあります。
「どうでもいいタスクのレスポンスが早い人」は「重要な仕事のレスポンスが早い人」では決してないのですが、会社の評価は印象が先行。「あいつは何でもレスポンスがいいぞ」と、プラスポイントです。
タスク切り替え時の確認
ケアレスミスと同じですが、タスク切り替え時に、確認のプロセスを挟むことで、ある程度防止ができます。
違う作業に移るときに「どこまでやったのか」ということを意識的に確認するわけです。
頭のなかで意識するだけでもそれなりに効果があります。このひと手間で、元のタスクへの復帰が容易になります。
タスクの定期的な確認
タスクの失念や変質防止にはタスクの状態確認です。
「今日やること」「今週やること」を出社したら確認します。
午前中が終わり午後になったら、「今日やること」をまた確認。
こうしているうちに、1つ、2つ、忘れていたり、優先すべきことがバタバタしていて後回しになっていたりすることを発見できます。
急がば回れで、課題を確認するためのちょっとした時間を惜しまないことが、結果して時間節約につながります。
タスクを管理する際には、有名な「7つの習慣」で登場する重要性・緊急性のマトリックスを意識し、タスクを4つのカテゴリーにプロットして優先順位づけをしていくと、より効果的だと思いますよ。
- 作者: スティーブン・R.コヴィー,Stephen R. Covey,ジェームススキナー,川西茂
- 出版社/メーカー: キングベアー出版
- 発売日: 1996/12/25
- メディア: 単行本
- 購入: 148人 クリック: 4,806回
- この商品を含むブログ (773件) を見る
むすびに
世の中にはADHDの人もいれば、コミュ症の人も、数字が苦手、文章が苦手な人。個人的には何が病気で何が性格かなんてどうでもいいと思っています。
さまざまな個性の人がいる。本当は人それぞれの良いところだけを活かして働ける職場が理想なんですよね。
しかし、現実の大半の会社は違います。常にできるだけ均質な人材を求めてしまいます。就職活動のリクルートスーツはその象徴ですね。
その理由は明白、均質な歯車の方が、ダメになったときに取り替えが容易だからです。
企業が継続して利益を産み出すためには当然の帰結かもしれませんが、個性が異質とされて社会で生きにくい。
だからこそ、それぞれの個人は、得意な部分は積極的に売り込み、苦手な部分はうまく目立たぬようゴマかして、損をしないように社会を生きていかなければなりません。
「片づけの魔法なんて使えるわけがない!」という、できないサイドの人間の体験が、同じような悩みを抱えている人の参考になれば幸いです。