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世界のボードゲーム・カードゲームで遊び、家族でコミュニケーションしながら知育。おすすめの「初心者や子供でも楽しいボードゲーム」「大人でも楽しめる子供ゲーム」などライトなアナログゲームのレビューです。

浪人や留年すると年間1,000万円の損?入社が遅いほど減る年功序列賃金の年収。

センパイの苦悩

私の友人に、「センパイ」というニックネームの同級生がいます。

同級生なのにどうしてセンパイなのか…。その由来は中学校時代にまでさかのぼります。

自信家であった彼は、高校受験の際に「その成績では無理だ」という周囲の声を無視してハイレベルな進学校を受験。予想通り不合格となってしまいます。

すべり止めで受かった高校もありましたが、「俺が行くべき学校じゃない」と行くのを拒否。中学浪人を選択することに。

翌年は希望の学校に入ることができましたが、当時中学浪人は珍しい。1つ下のクラスメイトから「センパイ」と呼ばれるようになりました。


さらに、高校を卒業して大学受験。今度は実力並みの学校に入ったわけですが、今度は入学後「俺はこんなレベルの大学でよかったのだろうか」と自問自答。

そして一念発起して仮面浪人をすることになりました。ところが仮面浪人での受験は失敗。結局大学をやめて予備校に通い、再び受験をすることに。翌年はなんとか有名大学に入ることができました。

しかし、「入るのにエネルギーを使い尽くした」と言っていましたが、単位不足で留年を2回することになります。

卒業後は大学のブランドもあって、大企業に就職することができましたが、結局のところ、中学浪人、仮面浪人、浪人、留年2回と、計5年の周り道をしての社会人

同期より5つも歳とっているということで、高校時代についていたニックネームの「センパイ」が社会人になっても復活。というわけです。


さて、そのセンパイですが、会社生活も折り返し地点をすぎてきたところで疑問が。

「浪人して、いい学校・会社に入れたんだけど、もしかして働く期間が短くなって結局損している感じなんだよね。
人事のヤツが『入社が1年遅い人間は生涯年収が1000万円くらい減る』と言ってんだよね。最近それが分かってきた気がするんだよな…。」
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浪人・留年などで入社が遅れて失われる年収ってどのくらい?

私の会社の場合、昇進するしないによって実際の賃金カーブは異なりますが、年功序列が基本なのでおおむね50歳まで順調に賃金が右肩あがり。そこをピークに以降はどんどん収入が下がってきます。

そして65歳のタイミングで定年し再雇用されるタイミングでは、ピーク時の年収の半分以下になってしまいます。

グラフで表すとこんなイメージです。
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生産性が高い30台での収入が低く、生産性が落ちてきている50歳前後ででピークになる年功序列型の賃金カーブは日本ではまだまだ一般的。ちょっと古いですが、厚生労働省で高齢者活用議論の際に作成されていた下記の資料をみると、まさに似たような賃金カーブになっています。
http://www.jinji.go.jp/kenkyukai/koureikikenkyukai/H20_18/siryou/kyuyo/h20_18_betten03.pdf


このグラフによると、大卒で大企業に入った男性は、40台後半から50台にかけて1,000万円を超える年収になることに。

意外に高い年収ですが、個人的には安定している行政の地方公務員が、常に右肩上がりで1,000万円近くの年収になるところが「公務員ってすごいな」と思ってしまいました。

諸元は賃金基本統計書、いわゆる賃金センサスで。月収ベースでの最新情報はそちらを参照すればよいですが、10年前から賃金水準は大して上がってないのでカーブは大して変わらないことでしょう。
www.mhlw.go.jp



さて、年功序列の賃金カーブのポイントは「給料が上がるのには勤続年数が大事だが、給料の下がるタイミングは実年齢」であること。

すなわち、若いうちから長く働けば給与上昇の恩恵を受けられる一方で、終わりは一緒なので、働くのが遅くなる人間は勤続効果が得られなくなるわけです。

さきほどのグラフに、5年遅れた場合のグラフを重ねるとイメージはこんな感じ。グラフの差分が収入差になります。
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結局のところ、年功序列が基本の会社では、入社が遅くなれば一番収入が高い期間が短くなるわけです。

もっとざっくり感覚的に言えば、真ん中がカットされたタイ焼きのイメージ。遅いと美味しいところがカットされてしまうわけです。
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センパイの会社はどんな賃金カーブなのかは分かりませんが、先ほどの統計のようにピーク時の年収が1,000万円だと、1,000万円×年数分の収入が機会損失。5年分だと5,000万円。マンション買えるくらいの生涯賃金を損してしまうことになるわけですね。


もちろん1,000万円は年収ベース。所得税などのコストも考慮すれば手取りとしてはそこまでないです。

ただ一方で、勤続年数や生涯賃金は、退職金や年金支給水準にも影響しています。また、留年・浪人中の授業料など、回り道をしているときにかかるコストもあるので、1,000万円の損というのも大げさではないかも。

ちなみに、私が働いている会社は学歴による賃金格差があまりないので、入社が4年以上早い高卒社員がが大卒社員を生涯賃金で上回るケースもざらにあります。また、文系の修士や理系の博士をとった高学歴社員も勤続期間が短くて生涯賃金では不利になっています。働く期間って意外と大事なんですよね…。

収入だけじゃないけれど、ゲーム開始が遅れてしまえば収入競争では不利に。

入社による収入差は同じ会社内での話。もともと現役で入れなかったハイレベルな学校に、浪人で入ったことで収入が増えるケースもあるから、必ずしもマイナスになったとは限りません。

また、休学して資格を取得したり海外留学に行ったりなど、お金で単純計算できないプラス要素も。型にはまった人生では、型破りな成功を収めることはできないかもしれません。回り道することは決してマイナスだけではありません。

そもそも年功序列賃金の会社で終身雇用を前提に働かなければ、こんな弊害もありません。年功でなく実力重視の会社なら、昔ながらの賃金カーブはないですしね。
コンサルのように、同じ会社に長く務めるより、自分を評価してくれる会社を次々渡り歩いた方が給料アップになるという業界もあります。


ただ少なくとも、「バイト収入が良かったので、授業に出なくなって留年した」のような人生の選択は、経済合理的ではないといえますね。


年功序列型の賃金は、ボードゲームでいけば、ターンが経過することで収入が増えていく拡大再生産系のゲームとおなじ。

開始直後の数ターンを休んでいたら、結果して「一番ピーク時の収入を逃す」ことになり、収入獲得競争をする場合は勝つのが難しいかもしれませんね。


というわけで次回は、領主になって財産を集めを競う拡大再生産系のボードゲーム「マジェスティ(Majesty)」の予定です。
マジェスティ 完全日本語版