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福山雅治主演の「集団左遷」とリアルな銀行がラップした話。

福山雅治さん主演のTBS系列のドラマ「集団左遷」。廃店が決まった支店に支店長として配属された片岡(福山雅治)が、香川照之が演じる真山はじめリストラ寸前の行員たちと協力し、陰謀うずまく組織と闘う姿を描く、銀行を舞台にしたドラマです。

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三友銀行蒲田支店の廃店を防ぐために東奔西走した第1部が終了。現在は舞台を本店の融資審査部に移した第2部が放映されています。

いよいよ三上博史が演じる横山常務の悪事の核心に近づいてき、物語は大詰めです。

個人的には三上博史さんの悪役っぷりがツボ。こういうヤツ会社にいるんだよなぁ。悪事を裏から糸をひきつつ、それが露呈するとクルッと態度を変えて、全く知らない第三者として非難する側に回りトカゲの尻尾切り。


「集団左遷」のこれまでの視聴率は以下のとおり。

1話 2話 3話 4話 5話 6話 7話 8話
13.8% 8.9% 10.1% 9.2% 9.0% 7.8% 9.4% 11.9%

最新話の第8話は平均視聴率は11.9%となり、5週ぶりにようやく2桁台を回復してひと息といったところでしょうか。

第2部に入ってからは、日産のカルロス・ゴーン氏逮捕や大塚家具のお家騒動、偽装工事のレオパレス、ずさんな融資のスルガ銀行を彷彿させるような会社が登場してきたのが功を奏したのかもしれません。

ただ、「半沢直樹」や「下町ロケット」など、経済小説を元にしたドラマでで高視聴率をとってきた日曜劇場枠にしては、視聴率は若干低迷しています。
 
やはり福山雅治さんは、ガリレオなどのクール路線な役が担っているのかな?

あまりドラマを見ない私がみるくらいなので、個人的には好きなタイプのドラマなんですが、ちょっと気になるのが脚本の古臭さ。

「とにかく熱意と努力で活路を見出す」「がむしゃらに走り回っていたら通行人から思わぬ手がかりが」など、「努力して一生懸命努力すればいつか報われる」感が強いかも。

努力してもなかなか報われず、会社への帰属意識も低い平成生まれにとっては、会社組織で団結して戦うより「わたし定時に帰ります」の方が共感できるのかもしれませんね。

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ドラマ「集団左遷」の原作は、江波戸哲夫さんの小説で、もともとの舞台はバブル直後の不良資産を抱えた不動産会社。

組織ごとリストラする目的で立ち上げられたプロジェクト組織に集められた、はみ出しサラリーマンの戦いを描いた作品です。

ドラマ「集団左遷」は、これに江南氏の別の作品「銀行支店長」のエッセンスをとりこみ舞台を銀行に変更したもの。

蒲田支店が廃店となってしまった第2部では、もはや「集団左遷」のタイトルとは合わない話になってしまいましたが、左遷はどうなるのでしょうかね。

新装版 銀行支店長 (講談社文庫)

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集団左遷 (講談社文庫)

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銀行に行ってリアル蒲田支店を見た?

さて、先日休みをとれることがあり、珍しく平日の銀行窓口に行ってきました。

久しぶりの銀行窓口でしたが、いわゆる5,10日ということもあって激混み!かなりたくさんの客がいて、順番待ちも大行列。先方の落ち度もあり、手続きにもかなり待たされることになりました。

時間が経ってくると、生理現象でトイレに行きたくなります。

銀行はセキュリティ上の問題でトイレを開放していないのは知っていましたが、ダメ元でお手洗いを尋ねたら、「こちらへどうぞ」と案内されることに。

「頼めばトイレを貸してくれるんだな」と思い、ついていくと、行員は躊躇することなく「お客さまをお通しします」と声をかけ、まさかの執務室とおぼしきき中に…。

「え?入っていいの?」と、場違いの風景に、伏し目がちに案内してくれる行員の後を歩いていきました。

周囲から「◯◯様、ご検討いかがですか?いま、普通預金には2,500万円ほど入っておりしばらく使われていないようですし…。」などとリアルに電話をしている声が聴こえてきて、思わず耳がダンボに。

ふと視線をあげると、少し先にあったホワイトボードに一瞬釘付け。

そこには、まるでドラマのセットからもってきたかのような文言が並んでいました。

一応視線を逸らしましたが、記憶にあるだけで「今月の目標!!!」「各自の目標は死守」「支店全体では加達を目指せ」「運用商品◯◯◯M」「クレジットカード◯◯件」「◯◯は2倍カウント」などなど。

ケーキという文字とウキウキした感じの絵文字も描かれてあったので、おそらく目標を達成した人間にはご褒美のケーキがあるんでしょうか。

いやぁ、ないはずのノルマに大変だなぁと、絶句してしまいました。小規模支店だったので、まさにリアル蒲田支店で、廃店計画への抵抗ひ必死な店舗なのかもしれません。
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ちなみに、私はこの銀行に貸金庫をもっているわけでも預金残高がたっぷりあるわけでもないただの窓口利用者。

そんな人間を個人情報が丸見え丸聞こえの執務室に通していいものなのか。セキュリティの関係でトイレを開放しないのはいいけれど、これはこれでセキュリティの大穴な気がします。
 

銀行では「なんちゃって福山」が出現?

さて、「集団左遷」の話に戻りますが、本物の銀行のなかでも、カッコいい片岡支店長に憧れている現役支店長もいるようですね。

知り合いによると「昨日の集団左遷は観たか?蒲田支店に比べればうちの目標なんて簡単なもの。目標達成に向けてがんばろう!」と、月曜日の朝礼は「集団左遷」の話題からスタート。

「がんばろう」を連発するなんちゃって福山雅治の支店長が増加中だそうです。

「支店長の話に合わせるためドラマは半ば強制的に観ないといけないし、それを真似た超劣化版が次の日の朝礼で登場するかと思うと『サザエさん症候群』が…」
「本当に福山さんみたいな支店長なら、死ぬ気でがんばって盛り立てるんだけれど、うちの支店長じゃ性別以外1ミリも似ている要素がないんだよね…。」

そういえば半沢直樹のときも、「倍返しだ!」がやりたくて、上司に歪んだ正義感で反抗する「なんちゃって半沢直樹」がいましたね。

爽やかな福山雅治の熱血支店長なら「がんばれ!」の連発も許せるものの、熱いというより暑苦しい上司がしつこく言えばパワハラもの。

イケメンの福山雅治が言えば親身な発言も、キモイ上司ならセクハラ。ハラスメントは受け手の印象で決まる悲しい現実。

私自身も改めて気をつけようと思った次第です。


銀行業界は、ドラマ「集団左遷」の蒲田支店どころではない店舗縮小の波。

支店長ポストがすごい勢いで減っていくハードモードの椅子取りゲーム。厳しい環境で、ドラマの片岡支店長のように熱意と努力で行員の心を掴み、結果を出したい支店長たちの気持ちは分からなくもないです。

ただ、ヒーローになりきる子供にパンチされるのではないのだから、なんちゃって福山に翻弄される部下たちは、たまったもんではないですね。どうせなら、自分の立場をかなぐり捨て部下を守り役員に果敢に挑むところを真似してほしいものです。

というわけで、次回のボードゲームは、たくさんのウサギたちのなか頂上のニンジンにたどり着けるのは一匹だけ。子供向けの熾烈なレースゲーム「にんじん山のうさぎレース」の予定です。
にんじん山のうさぎレース(Lotti Karotti)