ちまたでは空前の将棋ブーム。羽生棋聖の「永世7冠」の偉業や、天才少年の藤井聡太四段の活躍など、ニュースに事欠かないですね。
小学1年生のうちの娘の周りでも、将棋をはじめた子が増えてきているようで、娘も「本当の将棋をやってみたい」と言っています。うちには「どうぶつしょうぎ」しかなかったけど、そろそろ本物の将棋もできるかな?
わが家も機会があれば買おうと将棋をチェックしていましたが、なんか値段が高い!将棋ブームで需要が高まり強気なのか、すこし前まで大きく割引されていた商品も定価販売になるなど、割高感が・・・。ブームが鎮静化してから購入した方が経済的のようです。
というわけで、本物の将棋はいったんおいておいて私が購入したのは、将棋ブームに乗って発売された変則将棋の「バイソン将棋/バッファロー(Bison/Buffalo)」です。
原題にはどこにもないのに邦題に「将棋」のタイトルと、パッケージに「将棋のルールで」なんて書いてあるところは、将棋ブームに乗っかろうというのがミエミエな感じもします。
しかし、将棋のパチもんではなく、ボードゲームデザイナーの巨匠、故アレックス・ランドルフ氏が1975年に出した作品の復刻ボードゲームです。
アレックス・ランドルフ氏はハゲタカのえじきや、ウミガメの島などをデザインしています。
www.boardgamepark.com
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彼は日本好きで、日本に7年間滞在して将棋をたしなんでいたそうです。このバイソンは、日本から帰国してしばらくして出された作品なので、本当に将棋にヒントを得て作られたのかもしれませんね。
バイソンの群れとインディアンの攻防
テーマと目的
バイソンの群れが現れた!川を越えて村にやってくる前に食い止めろ!
川向こうに到達したいバイソンの群れと、バイソンの襲撃を防ごうとする人間との攻防がゲームのテーマです。
内容物
大き目の箱には7×11マスの長方形のボードと、木製コマが入っています。
木製コマは、茶色のバイソンコマが11個と、オレンジの酋長コマが1つに黒の犬コマが4つです。
準備
ボードを広げ、2本の川が平行になるようにして、将棋のようにボードを挟んで向かい合います。
一方のサイドは人間です。川の手前、すなわち端から2番目の列中央に酋長コマ、その脇に犬コマを2つずつ並べます。
もう一方のサイドはバイソンです。川向こう、すなわちボードの一番端側にバイソンコマを一つずつ並べます。
ゲームの流れ
バイソンサイドからスタート、将棋のように交互にコマを1つずつ動かしていきます。バイソンは川向こうに到達すること、人間はバイソンの侵攻をストップさせることが目的です。
各コマは、将棋のように種類によって動かせる方向とマスの数が異なります。
バイソンの動きは、将棋の歩、チェスのポーン。前に一歩だけ進めます。ただし、前に他のコマがある場合は進むことができません。
犬の動きは、将棋の飛車+角、チェスのクイーン。好きな8方向に好きなマス進むことができます。ただし、進んだ先に他のコマがある場合にはそれ以上進むことができません。
また、川を越えることができないため、1番手前側の自陣に入ることはできません。
酋長の動きは、将棋の王将、チェスのキング。好きな8方向に1歩だけ進めます。進んだ先にバイソンコマがある場合には、重なってバイソンを倒すことができます。その場合バイソンコマをボードからとり除きます。
勝利条件
バイソン側は、バイソンコマが1つでも川向こうに到達すれば勝利します。人間側は、バイソンを全て動けなくすることができれば、勝利となります。
どちらかが勝利すれば、バイソンと人間を交代して次のラウンドです。バイソン側、人間側の両方で勝利することができたプレイヤーの勝ちです。
コマは非対称だけども勝負は拮抗、短期決戦の変則将棋
対戦する2人のそれぞれが動かすコマが全く違う、非対称なアブストラクトゲーム。遊んでみるとなるほど将棋のようです。
バイソンはとにかく数で勝負、「肉を切らせて骨を断つ」戦略。仲間を犠牲に一方のサイドに相手を誘導しながらもう一方で侵攻していきます。
人間サイドは、バイソンを倒して戦力を確実に減らせるスキルがありますが、数で負けているため深追いは禁物。犬で足止めしつつ、相手の戦力を慎重に減らしていきます。
数で勝負のバイソンが有利かと思いきや、多彩に動ける人間側もなかなかどうしていい勝負、絶妙なバランスがとれています。熟練者の真剣勝負では、たった一手が致命的になるガチンコ勝負になるかも。
1ラウンドは、思考時間にもよりますが早ければ5分程度で終わります。一進一退の攻防はなく、ある程度進むと勝負ははっきりして急速にゲームは収束していきます。このダラけないところがなかなかいい感じです。
駒の種類が3つなのでルールは将棋よりずっとシンプル。特にバイソン側は1歩前に進むだけ。どうぶつしょうぎよりも簡単かもしれません。
将棋が理解できない子供や初心者、将棋はちょっと重たいなという人でもすんなり理解して楽しめる、ライトな変則将棋です。
項目 | 公式表記 | コメント |
---|---|---|
年齢 | 8歳以上 | 5歳くらいからできるかも |
時間 | 30分 | ひと勝負は5分程度 |
人数 | 2人 | |
日本語化 | 不要 | 説明書のみ |
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
ルールの易しさ | ★★★★☆ | 誰でも簡単 |
大人も楽しい | ★★★★☆ | 大人も楽しい |
2人でも楽しい | ★★★★★ | 2人専用 |
総合評価 | ★★★☆☆ | 将棋感覚のライトな対戦ゲーム |
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