Raspberry Pi(ラズベリーパイ、略してラズパイ)は、イギリスのラズベリーパイ財団が開発した、手の平に収まる超ミニサイズのコンピュータです。
小さくともコンピュータということで、いろいろなことができますが、わが家で一番活用していたのは監視カメラ用途。
コンパクトで省電力の利点を生かし、動作を検知し動画を撮影するシステムを、市販のダミーカメラのなかに設置し、 手製の防犯カメラとして活用していました。
見た目は監視カメラ。よく見るとダミー。よくよく見るとRaspberry Piが入った監視カメラというわけです。
数年間屋外で運用をして劣化から自然消滅した自家製監視カメラですが、最近の緊急辞退宣言解除で空き巣被害が近所で多発しており、再びニーズがでてきました。
そこで以前に構築した仕組みを復活させようと思ったのですが、すっかりやり方を忘れている!
昔とは色々と変更となっていてネットでも新旧の情報が混在しているので、私自身の覚えもかねて記事にしたいと思います。
まずはRaspberry Piのモデルを選ぼう
Raspberry Pi Zeroにはたくさんのモデルがあります。
いちばん安価なのはRaspberry Pi ZEROで、 実売価格が700円程度。一方で高性能な最新型のRaspberry Pi 4の8GBモデルは10,000円前後。用途に応じてモデルを選びます。
今回は処理能力が必要ないので、使用するのはRaspberry Pi Zero Wという無線LAN,Bluetooth内蔵モデル。
購入価格はボード単体で1,200円くらい。無線LAN内蔵で使い勝手が良いモデルなのか最近はあまり流通していません。ただ無線LAN設定はなかなか苦労するので、初心者には多少高くとも無線LAN内蔵型がおすすめです。
ZEROシリーズはフリスクサイズですが、これにMicroSDカードとUSB電源さえあればコンピュータとして機能するのが隔世の感があります。
カメラモジュールをつけて標準ケースに入れてみたところ。超コンパクトなカメラ付きPCができあがりました。
Raspberry Pi Imagerを使ったインストール
Raspberry Pi を稼働させるには、ボードに挿すSDカードにOSをインストールする必要があります。
OSのイメージファイルをダウンロードしてきて、SDカードに書き込む作業が最初のハードル。なので昔は初心者向けにOSが入ったSDカードが結構売れていました。
最近リリースされたのが、ダウンロードからSDカードへの書き込みまでをワンプロセスで実現するRaspberry Pi Imagerという公式アプリです。
イメージファイルをダウンロードしてインストールするよりも圧倒的に早い!
あえて面倒な道を選びたい奇特な人以外はRaspberry Pi Imager一択です。
Raspberry Pi Imagerのダウンロードとインストール
www.raspberrypi.org
公式ページから自分のOSにあったアプリ(例えばWIDOWSならRaspberry Pi Imager for Windows)のリンクをクリックしてダウンロードしてインストールします。
アプリケーションを起動すると横に3つ並んだボタンが登場します。
インストールするOSの選択
最初に一番左のCHOOSE OSで、インストールするOSを選びます。
メディアプレイヤーとして使いたいならLibreElecなど、用途に応じてインストールするOSを選択します。
PC用途でスタンダードなのはRaspberry Pi OS(以前はRasbianと呼ばれていた)です。
一番上のRaspberry Pi OS(32 bit)を選択すると、デスクトップ環境入りの通常バージョンをインストールすることができます。
なお、上から2番目はRaspberry Pi OSの別バージョン。おすすめアプリケーションがてんこ盛りのFullバージョン、最低限しか入らないLiteバージョンを選択することができます。
非力なZEROシリーズで、デスクトップ稼働させない監視カメラ用途ならLiteバージョンで十分です。
書き込む SDカードの選択
続いてCHOOSE SD CARDのボタンを押し、書き込みをするSDカードの選択です。
PCにSDカードを1枚しか挿入していない場合には選択の余地はありませんが、念のため容量を確認してボタンを押します。
複数のSDカードが接続されている場合は、間違えないように注意しましょう。書き込み先SDカードの情報はもちろん全部消えてしまいます。
OSイメージの書き込みとベリファイ最後に一番右のWRITEボタンを押して、書き込みを行います。
正常に書き込まれたかのベリファイまで完了したら終了です。
リモート接続と無線LANの設定
Raspberry Pi にディスプレイとキーボードを接続して画面で直接操作する人はいいですが、私も含めて環境がない人は、他のPCからのリモート接続での稼働が主体となります。
ネットワークにつないでリモート操作の設定をします。
Raspberry Piのボードに挿す前に、OS が入ったSDカードに追加で以下の設定ファイルを追加します。
- 無線LANの接続設定
- SSH(Secure Shell)で遠隔操作の有効化設定
ファイルは自分で作成してもよいですが、有志で公開してくださっている以下のサイトを活用してwpa_applicant.conf(無線LANの接続設定)とssh.txt(SSHを許可するフラグのファイル)を生成し、SDカードにコピーするのが一番効率的です。
SSHでCUI環境でのリモート接続をする
リモート接続には、PC側にリモート接続用のアプリケーションを使って接続します。ここでは有名なフリーソフトのTeraTermを使用します。
https://ja.osdn.net/projects/ttssh2/ja.osdn.net
接続先にRasberry PiのIPアドレスを入力して、接続します。
ネットワークにあるRasberry PiのIPアドレスの特定は初心者にはハードルですが、Windowsのコマンドプロンプトを起動してarp -aを入力し、ネットワーク内の機器一覧を出すのが一番楽だと思います。
表示された一覧のなかでb8:27で始まる(最新のRaspberryPi4はb8から始まりませんが)機器がRaspberry Piです。
ユーザーidはpi
パスワードはraspberry
です。
無事にCUI環境でログインすることができました。
WINDOWSのリモートデスクトップを使ってGUI環境でラズパイにリモート接続する
GUI環境でリモート接続するには、Raspberry Pi側にソフトのインストールが必要です。
先ほどのCUI環境でXRDPをインストールします。
$ sudo apt-get install xrdp
$ sudo service xrdp restart
操作するPC側では、新たなアプリケーションのインストールは不要で、Windows標準のリモートデスクトップが使えます。
TeraTermと同様に、Raspberry PiのIPアドレスを入力して接続します。
同じくid:pi、password:raspberryでログインできます。
デスクトップ環境へ接続できました。
なお、今回使用したRaspberry Pi Zero Wは、Raspberry Piシリーズのなかで処理能力・メモリともに一番非力なモデルなので、デスクトップ環境は全く実用に耐えうる速度ではありません。
そもそも監視カメラには不要なので、動作確認後をしてみたあとはLite版を再インストールしました。
今回はインストールとネットワーク接続まで。次回は外付けWIF機器についてです。I
www.boardgamepark.com
Raspberry Pi Zero WH スターターセット (ANKER超小型電源、SanDisk MicroSD 高速型 32GB、USBスイッチケーブル付き)
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