「宝石の煌き」で有名なボードゲームデザイナー、マークアンドレ氏の「マジェスティ(Majesty: For the Realm)」です。
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人は石垣、人は城。在野の士を集め王国を築け
ゲームのテーマと目的
あなたは小国の領主。在野の人材を雇い入れ、国土の発展を目指します。
優秀な人材は引く手あまた。ライバルも狙っています。ライバルに負けないよう人材を揃えて、豊かな国をめざしていきましょう。
マジェスティは、人物カードを獲得し、それがもたらす収益などにより自分の王国の繁栄を競うゲームです。
内容物
箱を開けると、内容物が綺麗に収まっています。
プレイヤーそれぞれに配置するカードは、リクルーティング部隊の白いミープル(コマ)を置くミープルカード、王国の設備である建物カードです。
そして、ひとまわり小さいカードがこのゲームのメインとなる人物カードです。
特徴的なのは厚みのあるコイントークン。プラスティック製ですがなかなか重量感があって、クオリティが高いです。
このコイントークンをたくさん集めることがゲームの目的です。
準備
建物カードは8種類あり、1〜8の番号が記載されています。各プレイヤーは1枚ずつ手にとり、自分の前に順番にならべます。
人物カードは中央に場札として6枚を並べてオープンにし、残りは山札です。
ミープルカードは各自1枚受け取り、ミープル5個を受け取って載せます。
赤い旗がついているミープルカードが配られたプレイヤーがスタートプレイヤーです。
マジェスティのルールとゲームの流れ
場に出ている人物カードを獲得して、それに伴って得られるコインを集めながら、12ラウンドでの獲得収入を競うゲームです。
ゲームはターン制で、手番では人物カードの獲得〜人物の配置と建物からの収益〜特殊効果の発現の流れで進行していきます。
1)人物カードの獲得
場札の6枚から、好きな1枚を選んで獲得します。
ただし、タダで獲得できるのは、山札から一番遠い人物カードのみ。
野に潜る人材を獲得するためにはコストがかかるということで、山札に近いカードをとる際は、左端からそれまでのカードの上にミープルを置く必要があります。
山札に一番近い6番目のカードが欲しい場合には、それ以外の5枚のカードにミープルを置く必要があるわけですね。
なお、受け取ったカードの上に前のプレイヤーが置いたミープルがあった場合には、逆に受け取ることができます。
2)人物の配置と建物からの収益
人物カードを手に入れたら、そのカードを建物カードに置きます。
獲得した人物カードによって置ける建物は基本的に決まっています。ただし、上下に2種類の人物が描かれている場合には、好きな方の建物を選んで置くことができます。
建物からは、配置した人物カードに応じた収入として、コインやミープルを獲得することができます。
なお、今まで配置したカードの枚数も収入計算にカウントされたり、他の建物に配置した人物が収益に関わるため、累積効果・相乗効果を考えての配置が肝要です。
城に人物を置くと、人物1人あたり5金とミープル1個を獲得できます。
3)特殊効果の適用
建物によっては、特別な効果を持つ場合があります。
兵舎に人物を配置した場合には、収入に加え他のプレイヤー全員を攻撃します。
「兵舎」に置かれたカードの合計枚数を攻撃力、他のプレイヤーの「見張り塔」に置かれたそれぞれのカード枚数を防御力として判定します。
攻撃力>防御力となるプレイヤーは防御失敗。人物カードのうち、一番左の建物に配置されているカード1枚が戦線離脱し、裏返して「施療院」に置かなければなりません。
一方で、「魔女の家」に人物を置いた際には、施療院送りになったカードを1枚復活させる効果があります。
勝敗
全員が12人の人物を配置したらゲーム終了です。下記のボーナス・ペナルティをカウントして合計得点が高いプレイヤーが勝利します。
種類ボーナス
人物が配置されている建物の数によるボーナスです。建物数の2乗がボーナス得点となります。施療院はカウントしませんので最大は7x7=49点です。
人物数ボーナス
各建物ごとに、配置された人数を比べ、一番多く配置しているプレイヤーが獲得するボーナス。建物ごとにカード左下にある11~16点の得点が加わります。
施療院ペナルティ
施療院に人物カードが置かれている場合には、1枚ごとにマイナス1点となります。
見た目の印象以上にライトなファミリーゲーム。
人物を配置して、その人物の組み合わせや累積で収入が増えていく、セットコレクション・拡大再生産要素のゲーム。終了時には建物ごとの最多数がボーナスが得られるので、集中的に人物を配置するのも戦略です。
しかし、あまり一点集中をすると一方で種類ボーナスが少なくなります。ゲーム終了時の得点はせいぜい100点を多少超える程度。種類ボーナスの最大49点はかなり大きいので、こちらも大事にしたいところ。
そんな思惑がかぶるなか、人物獲得競争をしながら、累積収入を増やすか、種類ボーナスを狙うか、はたまた他のプレイヤーを攻撃して得点源を喪失させるか、悩ましいです。
さて、このマジェスティ、名作「宝石の煌き」の作者ということもあって前評判が高かった割には、それほど人気がでなかったようですね。
おそらくその要因は、中世テーマや質感たっぷりのコイントークンなどボードゲーマーを惹きつける外観の割に、いざ遊んでみると予想以上にライトなところ。確かに対象年齢は7歳以上、小学生であれば難なく遊べる簡単さです。
あっという間に終わってしまうので、じっくり楽しみたいボードゲーム愛好家にとっては、物足りなさを感じる部分が大きいかもしれません。
そんなユーザー向けには、カードの表裏にA面とB面が設定されており、B面は上級者向けのより戦略が必要な内容となっています。
得点計算など初心者には若干分かりにくいところもあるので、個人的にはいっそライトユーザーにターゲットを絞って、テーマや得点をよりシンプルにすれば、もっとヒットしたんではないかと思う次第です。
カードを獲得するために、リソースを消費するのは、フンギなどでも登場するメカニクス。斬新な要素はないですが、その分バランスはしっかりしています。
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2018年ドイツ年間ゲーム大賞の推奨ゲームとしてもリストアップされていた本作品。名作「宝石の煌き」には敵わないし、決して通好みではないものの、もうちょっと評価されてもいいのではと思う良作ボードゲームです。
項目 | 公式表記 | コメント |
---|---|---|
年齢 | 7歳以上 | |
時間 | 20-30分 | |
人数 | 2-4人 | |
日本語化 | ほぼ不要 | 建物名など若干の記載あり |
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
ルールの易しさ | ★★★★☆ | 比較的簡単 |
大人も楽しい | ★★★★☆ | 大人が楽しい |
2人でも楽しい | ★★★☆☆ | 2人でも楽しめる |
総合評価 | ★★★★☆ | 通好みではないがファミリーゲームとしては良作 |
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