これを着ければ放射能から身を守れる?
うちの母は原発が大嫌いですが、その母から
「あんたも料理するでしょう。最近は例の原発の影響か、電子レンジからかなりの放射能がでるらしいけん、料理をするときは、被ばくしないよう、これを着けときんしゃい。」
と、エプロンを渡されました。
ええ、ツッコミましたよ。
「放射能は出てくるものじゃなくて、出てくるのは放射線でしょ!」
もとい「電子レンジから出てるのは、放射能じゃなくて電磁波でしょ!それ、電磁波防止エプロン!」
放射線も電磁波も、どっちも目には見えなくて人体に有害という気持ちはわからんでもないですが、完全にごちゃまぜになっています。
カードゲーム「ラドラボ」で放射線を学ぼう!
というわけで、母の再教育のためにとりだしたるは、子どもと遊ぶために買った、2人専用の国産カードゲーム「ラドラボ」です。
「ラドラボ」は、遊びながら放射線のことが学べるという優れもののカードゲームです。
内容物
コンパクトな箱には、何種類かのカードが入っています。
また、同梱の説明書は冊子となっており、ゲームの遊び方と放射線に関する豆知識が、子どもでも読めるようふりがなをつけて記載されています。
サイボールカード
プレイヤーのライフを示すカードです、各自が5枚づつ保有して、表裏でオンとオフになっています。
ラッドカード
見えない動物ラッドを放つ攻撃カードです。かわいらしいキャラクターがデザインされた4種類のカードが28枚あります。
ブロックカード
相手に放たれたラッドカードをブロックするカードです。4種類のカードが28枚あります。また失ったサイボールを回復させるサイバインカードが2枚ブロックカードの中にあります。
準備
ラッドカード・ブロックカードをシャッフルし、ラッドカードを1枚、ブロックカードを2枚づつ配ります。残りのカードは場の中央に左右にわけて山札として積んでおきます。
サイボールカードは5枚づつ、自分の前にオンにして並べ、最初のプレイヤーを決めれば準備完了です。
ゲームの流れ
見えない動物ラッドカードを放って攻撃し、相手のラッドカードはブロックカードで防御しながら、相手よりも多いサイボールを維持するのが目的です。
手番でできることは、「カードを引く」「カードを出す」のどちらか一方で、これを交互にプレイしながら進めていきます。
カードを引く
ラッドカードかブロックカードのどちらか一方の山札からカードを2枚とります。手札は5枚までなので、5枚を超えるカードはとることができません。
カードを出す
手札から、好きなカードを1枚出します。
攻撃の判定
ラッドカードには、「とっぱ力」と「パワー」、ブロックカードには「ブロック力」があります。
ラッドカードを出した場合、相手は出された「とっぱ力」以上の「ブロック力」をもったブロックカードを出してブロックする必要があります。
ブロックカードが出せなかった場合や、「ブロック力」が足りない場合はとっぱされたということで、ラッドカードの「パワー」の数だけサイボールをオフにします。
勝敗
ラッドカードの山札がなくなるか、どちらかのサイボールが0になったら終了です。
手元のサイボールの数が多い方が勝ちです。
攻めるか守るかの駆け引きが楽しい
子どもの頃、2人で前にヘルメットと新聞紙を丸めた棒を置き、じゃんけんをして勝ったら棒で叩き、負けたらヘルメットを素早くかぶって防御する遊びがありましたが、なんとなくそれと雰囲気が似ています。
出せるカードは1枚なので攻撃と防御のいずれか片方だけ。防御は大事ですが、そればかりに目が行くと防戦一方になってしまいます。どこで攻めてどこで守るか、あるいはカードをひいて充実させるかの駆け引きが考えどころ。
子ども向けに作られていますが、大人が遊んでも十分楽しいです。遊ぶうえで放射線が登場する場面は全くなく、知識の押し付けはありません。
ブロックカードはあるけど温存。ダメージ少ないベータンはあえてブロックせずに受け止め、「とっぱ力」あるニュトロで「肉を切らせて骨を断つ」作戦だ!
ラドラボで学ぶ放射線の知識
「ラドラボ」がゲームを通じて間接的に伝えたい放射線の知識は、とってもシンプルです。
- 放射線にはいろいろな種類があり、α線(アルファス)、β線(ベータン)、γ線(ガンマー)、中性子線(ニュトロン)それぞれで透過性(とっぱ力)と、人体に及ぼす影響力(パワー)が異なる。
- 放射線は紙(ペーパーバリア)、プラスチック版(プラシールド)、鉛(ナマリウォール)、水(ウォーターフォール)などの遮蔽物(ブロックカード)で遮蔽することができる。
- 遮蔽できずに放射線を受けると、人体の細胞(サイボール)にダメージを受けるが、一定量ならば細胞自身には治す仕組みがある(サイバインカード)。
知っている人には大したことのない知識かと思いますが、逆にこの程度の知識をもって判断・行動している人が、どれだけいるでしょうか。
原発反対や原発推進など、考えは人それぞれですが、その理由が「とにかく放射能が危ないんだから、反対」「政府が大丈夫って言ってるんだから大丈夫でしょ」であれば、マスコミや政府などの「恐怖感や安心感」の印象づけによって、操作されてしまいます。
福島事故後の混乱や風評被害の裏側には、放射線に関する知識不足もありました。
どこよりも原子力と向き合わなければならないわが国にこそ、放射線の知識は重要であり、その一助として、個人的には「はだしのゲン」のように小学校の図書室にでも置いてほしいゲームだと思いました。
新たなる敵
「・・・というわけで、毎月病院で撮ってもらっているレントゲンも、怖いと言ってる放射線なんだからね。」
「それはそうと、あんた。老化を防ぐ水素の効果ってすごいらしいけん。水素生成器で若返ろうと思っとうとよ。
なんでも『水素社会の実現』っとかいうて、政府のお墨付きらしいけど、あんたも知っとー?」
(水素社会って、水素生成器じゃなくて水素自動車とかの話でしょ・・・)
「ためしてガッテン」や「おもいっきりテレビ」で何かが紹介されると、翌日は買い占め隊となってスーパーへ突撃していたうちの母。
強敵を倒すとまた新たな敵があらわれるドラゴンボールのように、新たなネタには事欠かないようです。
項目 | 公式表記 | コメント |
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年齢 | 6歳以上 | 5歳くらいからできるかも |
時間 | 15分 | |
人数 | 2人 |

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