親子ボードゲームで楽しく学ぶ。

世界のボードゲーム・カードゲームを楽しもう!初心者や子供におすすめなライトなアナログゲームを紹介します。

「ヌイグルミ騎士団と少女の夢(Stuffed Fables)」本をめくりヌイグルミたちの冒険譚を紡いでいく協力ボードゲーム。

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ファンタジーな世界感のちょっと異色な協力型ボードゲーム「ヌイグルミ騎士団と少女の夢(Stuffed Fables)」です。

原題を直訳すると「ヌイグルミの寓話」。ヌイグルミが主人公として活躍する、トイストーリーのような世界感のゲーム。「アドベンチャーブック・ゲーム」と副題がついていますが、分厚いストーリーブックをめくって読みながら物語自体を楽しむ一風変わったボードゲームです。

ヌイグルミが少女を守る冒険譚を紡いでいこう

テーマと目的

パパがベビーベッドを分解したその日、ママは少し泣いた。少女が柵で守られていたベビーベッドから子供用のベッドに移ってはじめての夜、ベッドの下から悪夢の王クレピトスの手下が忍び寄ってきた。持ち主である少女を守るため、勇敢なヌイグルミたちが立ち上がる。

「ヌイグルミ騎士団と少女の夢」は、2−4人向けの協力ゲーム。プレイヤーは少女のお気に入りのヌイグルミたちとなって、少女をワルモノたちから守ります。

ときには武器を持って戦い、電車に飛び乗り、絶壁を飛び越え、不思議な世界を冒険します。みんなの行動によって物語は変化していき、どんな結末が待っているかはプレイヤーの選択次第です。

内容物

本ブログでは割と珍しい大箱のボードゲーム。箱をあけるとずっしりコンポーネントが入っています。

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トークン類は、ヌイグルミのライフを示す綿トークン、特殊能力を使うためのハートトークン、不思議の世界の住人との出会いを示す住人トークンなどがあります。

また、ダイスはカラフルな7色。黒い布袋付きです。さらにはカラフルなボタンも登場します。

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カード類も多彩。ストーリーの進行やボスの登場などストーリーを示す物語カード、不思議の世界の住人とのイベントを示す住人カード、武器や防具などのアイテムカードなどがあります。


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主人公のヌイグルミたちは6体。大ぶりのヌイグルミカードがプレイヤーボードとなります。また敵の情報はワルモノカードに示されます。

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ステージ内でプレイヤーやワルモノを示すコマはフィギュアになっています。私は技能がないので無理ですが、ペイントして雰囲気を出している人も多いですね。


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そしてこのゲームならではのコンポーネントがストーリーブック。見開きを1シーンとして使用し左ページをゲームボード、テキストが中心の右ページのストーリー進行に使用します。

このシーンは100以上あり、ストーリーブックというだけにまさに本といえるボリュームです。

準備

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ストーリーブックをひろげ、周囲にカードとトークン類を置きます。ダイスは布袋の中に入れておきます。

プレイヤーはどのヌイグルミの役になりたいかで好きなヌイグルミカードをえらび、手元に置いて綿トークンを5個ずつ上に載せます。

物語を読んでゲームの進行する、最初の「語り手」を決めて準備完了です。

ヌイグルミ騎士団と少女の夢のルールとゲームの流れ

ゲームの目的は、ワルモノから少女を守ること。語り手がストーリーブックに記された物語を読みながら、ストーリーに従ってコマを進め、探索したりワルモノを倒したり冒険をしていきます。

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プレイヤーの手元のヌイグルミカードにはそれぞれ特殊能力などが記載されていますが、上にはライフである綿トークンやストックしたダイス、獲得したハートトークンなどが置かれ、周囲には獲得したアイテムカードを置くイメージです。

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手番は語り手から時計回りに進行し、最初に布袋からダイスを5個ひきます。

ひいたダイスのうち、白いダイスは綿の回復チャンス。振って出た合計数まで綿トークンを補充できます。

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黒いダイスは脅威メーターにストックされ、一定数貯まると悪者の出現や悪者のターンがはじまります。

黒以外のカラーダイスは、移動または色に応じたアクションに使うことができます。

  • 黄色:探索
  • 赤:近接攻撃
  • 緑:遠距離攻撃
  • 青:特になし
  • 紫:ワイルドカード

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移動は上記のカラーダイスを使います。振って出目の数だけ進むことができます。

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例えば、青ダイスを振ってワルモノの隣に移動→赤ダイスを振って近接攻撃、という具合ですね。

アクションとして使わないダイスは、「ダイスの保存」として個人ボードの上にストックすることができます。また、「元気づけ」として、他のプレイヤーにダイスを渡す、またはダイス1個を捨てて自分の綿トークンを1個渡すこともできます。


ステージには助けを求める住人がいたり、アイテムを売る行商人がいたり、怪しい調査ポイントがあったり。「カサカサに遭遇」「開かないドア」など、イベントに出会いつつ物語を進めていきます。

綿トークンがゼロになったら気絶となり、次に綿トークンを獲得するまで行動ができなくなります。全員が気絶してしまうとゲームオーバーです。

みんなが物語の主人公。プレイヤーの選択で物語が作られていく新感覚のボードゲーム

語り手が中心となってストーリーブックを読み進めつつ、コマを動かして敵を倒したり探索したり。

「音がする!ここで待つ?先にすすむ?」「どの町に進む?」など、プレイヤーの選択や持っているアイテムなどによって、次に進むエリアが変わりストーリーは分岐していきます。

まるで遠い昔に流行ったゲームブックのよう。音はないですがサウンドノベルみたいな感覚ですね。

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ヌイグルミが主人公という世界感はピクサーのトイストーリーのよう。というか、モンスターの「カサカサ」は、トイストーリーでシドが作った「ベイビーフェイス」にかなりソックリです。


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ストーリーがしっかり練られていて、ヌイグルミたちの個性がそれぞれ出ているところも没入感に繋がる要素。あまり普段ファンタジー系の本をあまり読まないうちの子もすっかりはまってしまいました。

ストーリーが中心でさらに物語に参加するインタラクティブなスタイルなので、物語系の本が好きな人にはたまらないかもしれません。

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難点は子供にはとっつきづらいこと。対象年齢7歳とありますが、コンテンツは比較的重厚で、今回の紹介でもかなり端折りましたがルールはそれなりに複雑です。

そのため、初心者同士がボードゲームカフェに行っていきなり遊ぼうとしたらまごつくかも。特に子供と遊ぶときは、親がある程度事前に予習してから語り手としてリードした方がよさそうです。

「本当に7歳からできるの?対象年齢13歳のチケットゥライドや14歳のドミニオンよりずっと難しいよ!」(彼女にとっては実年齢より対象年齢が実年齢より高いゲームが遊べることが自慢要素)と、ボードゲーム慣れしているうちの8歳児もルールの多さに最初は不満を言っていました。

ただ、いととおりルールを理解してからは「次の話やろう!次、次!」と時間を忘れて遊んでいました。

まるで、本に夢中になってページをめくる手が止まらなくなるような感覚ですね。みんなで協力して物語を進めていくスタイルは、家族で遊ぶのにピッタリ。買って大当たりでした。

文章が多いので活字が嫌いな人は敬遠するかもしれません。しかし、一方で物語が好きな人はハマること間違いなしの傑作ボードゲーム。決して子供向けではなく、ファミリー寄りではあるものの大人同士で遊ぶのにも十分な歯応えがあります。

言語依存が高いので、よほど語学に堪能な人以外は日本語版で遊ぶしかありません。日本語版が流通しているうちに手にいれるのがおすすめです。

項目 公式表記 コメント
年齢 7歳以上 7歳では大人のサポートが必須かも
時間 60分 どのくらい続けるかによりけり
人数 2-4人
日本語化 必須 文字が多いため海外版は非現実的
項目 評価 コメント
ルールの易しさ ★★☆☆☆ ボリューム多くて若干複雑し
大人も楽しい ★★★★★ 大人も子供も楽しめる
2人でも楽しい ★★★★☆ 1人2キャラ操作も可
総合評価 ★★★★★ 物語好きにはたまらない傑作

ヌイグルミ騎士団と少女の夢 完全日本語版

ヌイグルミ騎士団と少女の夢 完全日本語版

  • 発売日: 2020/01/23
  • メディア: おもちゃ&ホビー