2020年のドイツエキスパートゲーム大賞(KDJ)を受賞。さらに一般投票で選ばれるドイツゲーム賞でも1位の快挙を得た話題作「ザ・クルー:第9惑星への旅(The Crew)」です。
50のミッションを協力してクリアしよう
テーマと目的
冥王星が惑星の地位から外されて以降、太陽系の惑星は8つとなりました。
しかし、これまで知られていない天体が海王星の外側にあることを示すデータが発見されたのです。
君たちは、謎の第9惑星を調査する「ノーチラスプロジェクト」のメンバー。有人宇宙船のクルー(乗組員)となって50にわたる過酷な宇宙空間でのミッションにチャレンジします。
内容物
比較小さな箱のなかに、カードが3種類、コマが4種類入っています。
- プレイングカード
- リマインダーカード
- タスクカード
- 司令官コマ
- タスクコマ
- 無線通信コマ
- 救難信号コマ
ゲームのメインで使用するプレイングカードは、1〜9までが描かれた4色の色カード36枚と、ジョーカー的役割のロケットカードが1〜4の4枚あります。
準備
プレイングカードをカードをプレイヤーに全部配りきります。
タスクカードとタスクチップは、挑戦するミッションに応じて配ります。
スタートプレイヤー(司令官)は、最強カードである4のロケットカードをもっているプレイヤーで、司令官コマを受け取ります。
ザ・クルーのルールとゲームの流れ
チャレンジするミッションを全員が協力してクリアすることが目的です。協力ゲームなので、全員が勝利か敗北かのいずれかになります。
ゲームはトリックテイキングと呼ばれるシステムで行われます。順番に手札からカードを1枚ずつ表向きにだし、勝利した人が出されたカード(トリック)を受け取る流れです。
各ラウンドの2番目以降にカードをだす人は、最初でたカードと同じスート(カードの種類)をフォローする(同じ種類を出す)を必要があります。
青の5が出されましたので、みんな青を出します。勝者は青の8を出したプレイヤーです。
フォローできない場合には、違う種類のカードを出すことができます(フォローできるのに出さない選択は不可)。
緑の2が最初なので、緑をフォローする必要がありますが、もっていなかったのでピンクが出てきました。フォローしていないピンクは勝てないので勝者は緑の4のプレイヤーです。
ロケットカードは「切り札」と呼ばれるカード。スートに関係なく出すことができ、他のカードに優先して勝つことができます。
ロケットカードが出されたので、ロケットの2が勝者です。
ロケットカードが最初にだされた場合には、ロケットカードをフォローする必要があります。
ロケットの4が勝者です。
ラウンドのミッション
ラウンドに勝ってトリックを獲得することはこのゲームの目的ではありません。
チャレンジする50のミッションごとに、例えば「9で勝利しないこと」など、明示された達成条件をクリアすることが目的です。
詳細はネタバレになってしまうため割愛しますが、基本のミッションはタスクカードとタスクチップを配って行われます。
例えば、上の例だと、
- 青の7を最初に獲得する
- 黄色の1を2番目に獲得する
- ピンクの6を3番目に獲得する
というミッションです。
例えばピンクの6を持っている人は、
- 6をカードを意識して先に出さないようにする
- ピンクのカードを切らして6を出す羽目にならないようにする
- 出番が来たときにはタスクカードをもった人が勝って獲得できるように上手に出す
必要があるわけです。
衛星通信
ミッションを完遂するには、クルーの息を合わせることが必要ですが、宇宙空間では自由なコミュニケーションはできません。
手札の内容をはじめ、自分の状況をプレイヤー同士で伝え合うのはNGです。
コミュニケーションは各ミッションに1回だけ。衛星通信コマを使って状況を伝えることができます。手番開始時に手札を1枚オープンにして、コマをカードの所定の位置に置くことで状況を表現します。
上の例では「ピンクの6が最小」の意味。「6より小さいカードは持ってないので気をつけてね」という表現になります。
勝敗
ミッションを達成したら、次のミッションに挑戦していき、50ミッションクリアを目指します。
一方で、ミッションに失敗したら全員の敗退となります。
思考のシンクロとミッションクリアの達成感が最高
どうしたらみんなでタスクを達成できるのか。出されたカードを見ながら、自分だけではなくメンバーのアシストをしながら進めていきます。
コミュニケーション制限系のゲームの魅力ですが、表現ができない状況で、自分の意図がクルーに通じたときは最高に嬉しいです。
ミッションは最初簡単ですが、徐々に難易度が上がってきて、後半はまさに綱渡り。ちょっとのミスが死につながる、まさに宇宙空間でのミッションの緊張感。達成したときの喜びも大きいです。
このゲームでの難点は、考えて行動しないと簡単に失敗すること。ルールを理解せず適当にカードを出すなど無謀な行動をとるとみんなの足を引っ張ることになり、お互いに気まずい結果となります。
そのあたりがエキスパート部門での受賞となった所以でしょうか。チビが乱入するわが家のようなファミリー向けとしてはおすすめできないです。
ただ、ルール自体は決して難しくなくむしろ簡単な部類。最初に練習をするなどして、お互いに理解して臨めばこの問題は解消されると思います。
同じくコミュニケーションができない名作「ザ・マインド」は息を合わせることが大事でしたが、「ザ・クルー」は思考を合わせることが求められ、ちょっと高度になった分達成感もひとしおです。
www.boardgamepark.com
日本語版が登場したことで最近はかなり安価に入手できるようになりました。文句なしの名作ゲームですので、ぜひ遊んでみてください。
項目 | 公式表記 | コメント |
---|---|---|
年齢 | 10歳以上 | |
時間 | 20分 | 簡単なミッションなら5分くらいで |
人数 | 2-5人 | |
日本語化 | 要 | カードは不要だがミッションの理解が必要 |
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
ルールの易しさ | ★★★★☆ | 比較的簡単 |
大人も楽しい | ★★★★★ | 大人が楽しい |
2人でも楽しい | ★★★☆☆ | 2人ではオートマ入りルール |
総合評価 | ★★★★★ | 思考のシンクロは最高 |