ルネッサンス時代の宝石商となって、集めた宝石を発展カードと交換し、それを元により高価値のカードを手に入れ名声を高めていく「宝石の煌き(Splendor)」。
シンプルなルールでの拡大再生産ということで、初心者から上級者まで楽しめる、ライトなカードゲームのなかでは近年の名作と言ってもいい作品です。
今回はその拡張版「宝石の煌き:都市(Cities of Splendor)」。追加のボードやカードを使って、名作「宝石の煌き」を4つの拡張ルールで遊ぶことができます。
※本体の「宝石の煌き」を知らない方には、何のこっちゃの内容となっていますので、過去記事を参照いただくか、読み飛ばしていただければ幸いです。
パッケージイラストの宝石商は、男性から女性に変わっていますが、それ以外はかなり似たパッケージ。間違えて購入した人もいるようですね。
なお、本体の「宝石の煌き」に加えて遊ぶ拡張版ですので、基本版がなければ遊べません。
「都市」「交易所」「東洋」「城塞」4つの独立した拡張
内容物
箱のなかには、今回の拡張で使用するコマやカードが入っています。箱は割とスカスカですので、基本版もあわせて収納できないかなぁ。
マニュアルは4枚、4つの独立したルールということで、マニュアルも1枚を1つの拡張ルールとして独立させているのは、とってもわかりやすいです。
都市:都市獲得が勝利条件となり、よりシビアな勝負に。
拡張ルール「都市」では、貴族タイルを除外して、7枚ある都市タイルを使用します。
使用する都市タイルは3枚。都市タイルの右側には条件が描かれていて、発展カードの宝石マークと名声ポイントを集めると獲得することができます。
貴族タイルの役割はボーナス得点でしたが、都市タイルは勝利条件そのもの。
誰かが都市タイルを獲得したら、スタートプレイヤーに戻るまで残りのプレイヤーが手番をプレイしてラウンドが終了。都市タイルを獲得したプレイヤーが勝利します(複数いた場合は得点が高いプレイヤー)。
勝利条件が、基本ゲームの15点という勝利点ベースから都市タイル獲得に変わります。これによって、そこに到達するための必要な発展カードの種類はおのずと決まってきます。
欲しいカードがバッティング、「都市」のルールでは、発展カードの獲得競争がよりシビアとなります。
交易所:交易所の特殊能力を得てブースト。
「交易所」ルールでは、東洋への道ボードと紋章チップが追加されます。
紋章チップを各自3つずつもち、ゲームスタートです。「東洋への道」の条件を獲得すれば、ボードにチップを置き、特殊効果を獲得することができます。
一番左は、「条件:赤3つと白1つ持っている 効果:発展カード購入後に宝石トークンを1枚獲得できる。」
その右は、「条件:白を2つ持っている 効果:同じ色の宝石を2枚獲得した際に、さらに他の種類の宝石を獲得できる。」
「交易所」はいわゆるインフレルールです。
一度ボードにチップを置く条件を獲得できれば、他のプレイヤーが入ってこない限り最大4ターンまで連続で効果を獲得できます。そのため、かなりのブースト効果が得られて、一気に勝利に近づきます。
東洋:新たなカードの導入で戦略がより多彩に
「東洋」では、オリエンタルなデザインの追加カード「東洋カード」が加わります。
東洋カードも発展カードのようにレベル1から3まであり、発展カードの横に2枚オープンにして並べて使用します。
ルールの追加としては、基本版ではカード購入時に発展カードを購入するところの選択肢に東洋カードが加わったという点です。
発展カードの効果は、次回カード購入の際の宝石1つ軽減効果および名声ポイント(あれば)でしたが、東洋カードの効果はちょっと多様になっています。
例えば下記のカードでいけば、左から
- 黄金トークン2個として使用可能
- 白の宝石2個分の軽減効果
- 茶色の宝石1個分の効果と名声だが、カード購入に際し宝石の支払いではなく「赤の発展カード2枚の破棄」が必要
というように、特殊な効果をもっていることになります。
うまく東洋カードを獲得すれば、勝利へのショートカットかできることになり、戦略の幅が大きく広がります。選択肢が増えるので、悩ましさも倍増するかもしれません。
城塞:カードの占拠で陣取り合戦に。
「城塞」では、各プレイヤーは城塞コマを3つずつ持ってゲームスタートします。
手番において、通常の発展カード購入が終わったら、追加の城塞のアクションとなります。
城塞アクションでは、「新たに城塞コマをカード上に置く」「城塞コマを他のカード上に移動させる」「他のプレイヤーの城塞コマを撤去する(手元に戻させる)」のうち、いずれか1つの行動をすることができます。
城塞コマが置かれたカードは、城塞コマを置いたプレイヤー以外は購入できません。また、なくなるまではそこに異なる色の城塞コマを置くこともできません。
1つのカードに城塞コマに3つ置くことができれば、占拠完了ということで当該カードを手に入れることができます。ただし、必要な宝石は支払わないといけないので、節約できるのはターンだけです。
城塞をカードを置くことで、もともとあった予約ルールは成りを潜めます。一方で、プレイヤー間での城塞を使ったカードの奪い合いが熾烈となり、陣取りゲームのようになってきます。人数が多い方が白熱しそうです。
城塞の置き方が勝負の命運を左右するため、考える要素がかなり増えることになります。
4つのスパイスでそれぞれ別の味付けに
私はもともと、ボードゲームの拡張セットはあまり購入しません。
というのも、拡張版はボードやカードを付加するのが基本。なので、どうしても元々のボードゲームよりも複雑になったりゲーマー向けになってしまう傾向にあります。
子供と遊ぶのがメインのわが家では、複雑になったり、長くなったりするゲームは、どうしても敬遠してしまうわけです。
ただ、今回の「宝石の煌き:都市」は、時間が短くなる拡張ルールもあるところが特徴です。
ゲーム時間のイメージは、
交易所<都市≦基本セット≦東洋<城塞
という感じでしょうか。
わが家は前述の家庭が中心とちう理由から、シンプルな「都市」かインフレルールの「交易所」がメインとなります。
4つの拡張はゲームの基本部分を大きく変えるものはなく、味付けが変わったという印象。
名古屋名物、切った鰻をご飯にかける「ひつまぶし」。最初は何もかけずに楽しみ、次に薬味をかけて味わい、最後は茶漬けにして、で味を楽しむ食べ方をしますが、まさにそんな感じ。
ベースの魅力はそのままに、名作「宝石の煌きに」4つの味のバリエーションを加えたというイメージです。
「宝石の煌き」が好きな方には、ぜひともおすすめしたい作品です。
なお、基本となる「宝石の煌き」も、しばらく流通が少ない状況にありましたが、拡張版に合わせて国内版が再販されました。遊んだことない方は、ぜひ遊んでみることをおすすめします。
項目 | 公式表記 | コメント |
---|---|---|
年齢 | 10歳以上 | 6歳くらいからできそう |
時間 | 30分 | 遊ぶ拡張によって違います |
人数 | 2-4人 | |
日本語化 | 不要 | 説明書のみ |
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
ルールの易しさ | ★★★☆☆ | ベースを知っていれば簡単 |
大人も楽しい | ★★★★☆ | 大人が楽しい |
2人でも楽しい | ★★★☆☆ | 2人でも楽しい |
総合評価 | ★★★☆☆ | 4つの味を楽しもう |
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