親子ボードゲームで楽しく学ぶ。

世界のボードゲーム・カードゲームを楽しもう!初心者や子供におすすめなライトなアナログゲームを紹介します。

絵が伝えるメッセージ。相手のココロを読むコミュニケーションゲーム「ディクシット(Dixit)」

フランス生まれのゲーム「ディクシット(Dixit)」。深夜番組かなにかでSMAPの木村拓哉さんがおすすめしたこともあるようで、ボードゲームのなかではかなりの有名どころです。
f:id:bg4kids:20160709074204j:plain

語り部の示す絵はどれ?

内容物

海外ゲームらしい30cm角の大きな箱には、大ぶりのカードと、かわいらしい木製のウサギ駒、投票用の番号タイルが入っています。
f:id:bg4kids:20160709074206j:plain

カードには、どれも不思議な絵が描かれており、数字や文字は一切なし
f:id:bg4kids:20160709074214j:plain

ゲームの準備

プレイヤーごとに自分の色を決めて、その色の投票タイルを手にします。駒は得点盤のスタート位置へ。カードを各自6枚づつ配り、最初に出題するを決めたらスタートです。

ゲームの流れ

(語り部といわれます)が手札からカードを1枚選択して出題、それ以外のプレイヤーであるは似たカードをお互いに出して撹乱させながら「親(語り部)が選んだカードを当てる」のが目的です。

1)親からの出題

は、自分の手札のなかから1枚選んで裏向きで置きます。そして、そのカードについて、例えば「未来への一歩」「ジャジャジャーン!」など、カードのイメージを表現してに伝えます。言葉でなくとも擬音や歌、踊りなど、何で表現してもいいです。

2)子からカード提出

次には、自分の手札のなかから、の表現にマッチしそうなカードを1枚選び、裏向きでに渡します。
f:id:bg4kids:20160709074226j:plain

3)投票

は、自分の出したカードと子が出したカードを重ねてシャッフルし、表に向けて並べます。それぞれ自分が出したカードだけが分かる状態です。
は、並んだカードのなかでの出したカードだと思うものに、投票します。

親の出題「♪あれから~ボクたちは何かを信じてこれたかな~♪」。なんだか夜空っぽいのがいっぱいでてきました。f:id:bg4kids:20160709104556j:plain

得点

正解者なしの場合と全員正解の場合は、の出題が悪いということで、が0点、は全員2点ずつ獲得します。
それ以外の場合には、親と正解した子が3点もらえます。さらに、他のプレイヤーの不正解の際に投票してもらった子は1票につき1点を獲得します。


「大きくなあれ、大きくなあれ」という出題。親の出したカードは左から4番目で、危うく全員不正解になるところでした。2番目のネコのカードを出した人は、うまく3票集めて追加得点。

f:id:bg4kids:20160709104503j:plain

勝敗

ラウンドが終わるたびごとに、獲得した得点分だけ、ボードのウサギを進めます。最初にゴールに到着した人が勝ちです。
ゴールした人がいなければ、カードを山札から補充し、時計回りでを交代して次のラウンドとなります。

f:id:bg4kids:20160709074210j:plain

絵から言葉をつむぎだし、論理ではなく感性でココロを読む

の順番では、得点を獲得するために、全員が正解するほどバレバレでもなく、かつ全員が不正解になるほど見当違いでもない出題が必要です。そのため、絵から受ける印象をイメージしながら近からず遠からずの表現を考える必要があります。

一方、の順番では、親が出しそうなカードを推察するとともに、追加得点のために他人が間違うように、親が出しそうなイメージのカードを出すことになります。

相手のカードを当てるのが目的という意味では「ごきぶりポーカー」と形は似ていますが、雰囲気も中身も180度違います。
www.boardgamepark.com

ディクシットにおいては答えは常に相手の頭のなか、計算や論理で正解は導くことはできません。したがって、「この人ならこう思ってこのカードを出しそうだ」という、相手の気持ちになって推察する共感力が必要です。男性より共感の力にたけている女性の方が得意かもしれません。
長く遊ぶと、他のゲームと疲れる部分が全く違うから不思議。頭のなかでイメージや思いを膨らませる右脳を使うゲームなんでしょうね。

正解が分かったあとは、「そっちだったのか。迷ったんだよね~」「どうしてあの問題でそのカードになるの?」「4番出したのだれ?『夜空』というか宇宙でしょ!」などと、出したカードや選択したカードに対して話に花が咲きます。

難点は、ゲームの性質上、4人は人数がほしいところ。3人でも遊べますが1人に対しが2人となるため、子はカードを2枚づつ出す変則ルールとなり、厳選した1枚という要素が失われてしまいます。

幼児だと出題でのさじ加減がちょっと難しいですが、ルールは簡単なので子どもでも参加できます。子どもと遊ぶと、大人では思いつかない観点での、柔軟で創造的な出題が出てきてまた新鮮です。

コミュニケーションが中心でシンプルなので、ボードゲームになじみがない人でも参加がしやすく、家族や親戚、親しい友人など、気心がしれた間で特に盛り上がる名作です。

項目 公式表記 コメント
年齢 8歳以上 5歳くらいから出題もできるかな
時間 30分 会話が盛り上がると時間もあっという間
人数 3-6人 4人はほしいです
項目 評価 コメント
ルールの易しさ ★★★★★ 簡単なルール
大人も楽しい ★★★★★ むしろ大人が楽しい
2人でも楽しい ☆☆☆☆☆ 最低3人から
総合評価 ★★★★★ 比類なき名作

ディクシット 日本語版

ディクシット 日本語版