フランス生まれのゲーム「ディクシット(Dixit)」。深夜番組かなにかでSMAPの木村拓哉さんがおすすめしたこともあるようで、ボードゲームのなかではかなりの有名どころです。
語り部の示す絵はどれ?
内容物
海外ゲームらしい30cm角の大きな箱には、大ぶりのカードと、かわいらしい木製のウサギ駒、投票用の番号タイルが入っています。
カードには、どれも不思議な絵が描かれており、数字や文字は一切なし。
ゲームの準備
プレイヤーごとに自分の色を決めて、その色の投票タイルを手にします。駒は得点盤のスタート位置へ。カードを各自6枚づつ配り、最初に出題する親を決めたらスタートです。
ゲームの流れ
親(語り部といわれます)が手札からカードを1枚選択して出題、それ以外のプレイヤーである子は似たカードをお互いに出して撹乱させながら「親(語り部)が選んだカードを当てる」のが目的です。
1)親からの出題
親は、自分の手札のなかから1枚選んで裏向きで置きます。そして、そのカードについて、例えば「未来への一歩」や「ジャジャジャーン!」など、カードのイメージを表現して子に伝えます。言葉でなくとも擬音や歌、踊りなど、何で表現してもいいです。
2)子からカード提出
次に子は、自分の手札のなかから、親の表現にマッチしそうなカードを1枚選び、裏向きで親に渡します。
3)投票
親は、自分の出したカードと子が出したカードを重ねてシャッフルし、表に向けて並べます。それぞれ自分が出したカードだけが分かる状態です。
子は、並んだカードのなかで親の出したカードだと思うものに、投票します。
親の出題「♪あれから~ボクたちは何かを信じてこれたかな~♪」。なんだか夜空っぽいのがいっぱいでてきました。
得点
正解者なしの場合と全員正解の場合は、親の出題が悪いということで、親が0点、子は全員2点ずつ獲得します。
それ以外の場合には、親と正解した子が3点もらえます。さらに、他のプレイヤーの不正解の際に投票してもらった子は1票につき1点を獲得します。
「大きくなあれ、大きくなあれ」という出題。親の出したカードは左から4番目で、危うく全員不正解になるところでした。2番目のネコのカードを出した人は、うまく3票集めて追加得点。
勝敗
ラウンドが終わるたびごとに、獲得した得点分だけ、ボードのウサギを進めます。最初にゴールに到着した人が勝ちです。
ゴールした人がいなければ、カードを山札から補充し、時計回りで親を交代して次のラウンドとなります。
絵から言葉をつむぎだし、論理ではなく感性でココロを読む
親の順番では、得点を獲得するために、全員が正解するほどバレバレでもなく、かつ全員が不正解になるほど見当違いでもない出題が必要です。そのため、絵から受ける印象をイメージしながら近からず遠からずの表現を考える必要があります。
一方、子の順番では、親が出しそうなカードを推察するとともに、追加得点のために他人が間違うように、親が出しそうなイメージのカードを出すことになります。
相手のカードを当てるのが目的という意味では「ごきぶりポーカー」と形は似ていますが、雰囲気も中身も180度違います。
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ディクシットにおいては答えは常に相手の頭のなか、計算や論理で正解は導くことはできません。したがって、「この人ならこう思ってこのカードを出しそうだ」という、相手の気持ちになって推察する共感力が必要です。男性より共感の力にたけている女性の方が得意かもしれません。
長く遊ぶと、他のゲームと疲れる部分が全く違うから不思議。頭のなかでイメージや思いを膨らませる右脳を使うゲームなんでしょうね。
正解が分かったあとは、「そっちだったのか。迷ったんだよね~」「どうしてあの問題でそのカードになるの?」「4番出したのだれ?『夜空』というか宇宙でしょ!」などと、出したカードや選択したカードに対して話に花が咲きます。
難点は、ゲームの性質上、4人は人数がほしいところ。3人でも遊べますが親1人に対し子が2人となるため、子はカードを2枚づつ出す変則ルールとなり、厳選した1枚という要素が失われてしまいます。
幼児だと出題でのさじ加減がちょっと難しいですが、ルールは簡単なので子どもでも参加できます。子どもと遊ぶと、大人では思いつかない観点での、柔軟で創造的な出題が出てきてまた新鮮です。
コミュニケーションが中心でシンプルなので、ボードゲームになじみがない人でも参加がしやすく、家族や親戚、親しい友人など、気心がしれた間で特に盛り上がる名作です。
項目 | 公式表記 | コメント |
---|---|---|
年齢 | 8歳以上 | 5歳くらいから出題もできるかな |
時間 | 30分 | 会話が盛り上がると時間もあっという間 |
人数 | 3-6人 | 4人はほしいです |
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
ルールの易しさ | ★★★★★ | 簡単なルール |
大人も楽しい | ★★★★★ | むしろ大人が楽しい |
2人でも楽しい | ☆☆☆☆☆ | 最低3人から |
総合評価 | ★★★★★ | 比類なき名作 |
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