相撲の行司の掛け声といえば「はっけよい、のこった」がポピュラーですが、「はっけよい」「はっきよい」の「き」「け」のどっちも使われます。
Googleで両方の言葉を検索すると、はっきよい211,000件に対し、はっけよい248,000件。「け」の方がやや優勢ですが、一体どちらが正しいのでしょうか。
「はっきよい/はっけよい」の言葉の語源には、諸説あるようですが、「八卦よい」「早競え」「発揮揚々」の3つが有力のようです。
八卦良い(はっけよい)
まずは「八卦良い」。「当たれば八卦、当たらぬのも八卦」の八卦ですね。
八卦とは古代中国伝来の易における八つの基本要素。8つ全てがよくて、勝負の準備が整ったという意味を示します。
この説に立てば「はっけよい」の方が有力になりますね。
早競へ(はやきほへ)
二つ目が「早競え」。「早くやれ!」という意味すね。
「はっきよい」を使う場面は取り組みで動かなくなったときで、レフェリー役である行司が声を掛けるので、状況とマッチしている語源ですね。
発気揚々(はっきようよう)
最後が発揮揚揚。「気合いを入れて全力勝負せよ」という意味です。
こちらも取り組みで動かなくなった力士を「がんばれ!」と鼓舞する意味で、シチュエーションと合っている語源です。
公式見解は発揮揚々からきた「はっきよい」
諸説あるようですが、日本相撲協会の見解は、発揮揚々説をとって「はっきよい」。
正しい語源とというよりは、3つの説のうち、一番ポジティブなものを選択したのかもしれませんね。
日本相撲協会の審判規定においても、明確に「はっきよい」という言葉が使われています。
http://www.nihonsumo-renmei.jp/about/pdf/kitei.pdfwww.nihonsumo-renmei.jp
ちなみに「はっきよい」が正しいと私が知ったのはつい最近。今までの聞く機会は何度もあったのに、「はっけよい」としか聞こえなかったんですよね。
うちの下の子は、ナメクジのことを「アメクジ」、テレビのことは「テビリ」と言います。
何度「ナメクジいたね。ナメクジ」と訂正しても、「うん、アメクジいた」と意に介さず。
文字を見ずに自分の思い込みだけが頭にあると、多少違っていても脳内補完されて聞こえてしまうんでしょうね。
そういえば、園ですもうごっこをやっているらしい、うちの子も「はっけよい」の「け」のほうでした。「東の角餅、西の丸餅」のように、西日本と東日本など地域によって「はっけ派」と「はっき派」があるのかもしれませんね。
次回は「はっきよいゲーム」
さて、今回こんな話題となったのは、次回紹介する予定のボードゲームがその名も「はっきよいゲーム」だから。
もともと同人ゲームが前身で「はっけよいゲーム」というタイトルでしたが、一般製品化にあたり、「はっけよい」から公式表記の「はっきよい」に改題したようです。