子どもの頃家族と遊んだトランプで、一番人気だったのは七並べでした。
最初のうちは、手元にあるカードを数字の順に並べていくだけ。
慣れてくると、6や8などの真ん中のカードから出さずに止める戦略ができるようになります。
そして、最後は自分は出せなくなっても、ワザと止めて、「どっちが先にアウトになるか」という、他のプレイヤーとの我慢比べ。
単純なルールで、徐々に駆け引きの要素が加わってくるので、今思えばファミリーで遊ぶのに最適なトランプゲームなのかも。
さて、一見して七並べにちょっと似ているカードゲーム、「花火(Hanabi)」です。
Hanabiというタイトルがついていますが、日本ゲームではなく、親日家のボードゲームデザイナー、アントワーヌ・ボザ氏が考案したフランス発のカードゲームです。
このHanabiは、2013年に小箱のカードゲームとしては初めてのドイツゲーム大賞という快挙を成し遂げました。
5色の大輪の花火を打ち上げよう
内容物
コンパクトな箱の中にはカードと、ヒントの数などをカウントするトークンが入っています。
カードは、1~5までの数字が描かれた5色の花火カードおよび、拡張ルール用の七色の花火カード(今回は使用しません)が入っています。
各色とも、1が3枚、2~4が2枚、5が1枚と、数が大きいほど少なくなる10枚で構成されています。
トークンは、ヒントの数を示すヒントトークンが9枚、打ち上げ失敗を示す失敗トークンが3枚です。
ヒントトークンをよくみると、ドイツ版ですが漢字がデザイン(?)されています。
準備
トークンは使用状況が分かるように、空き箱に入れておきます。
カードは使用する50枚をシャッフルし、2~3人なら5枚、4~5人なら4枚ずつ配ります。残りのカードは山札として中央においておきます。
配られたカードは各自中身を見ずに反対を向けてもちます。
ゲームの流れ
みんなは花火師となって、花火大会を成功させるべく、協力して各色の花火カードを順番に1から5まで並べていくのが目的です。
手番でできることは、「他のプレイヤーに手札のヒントを出す」「手札から1枚を出す」「手札から1枚捨てる」のいずれかです。
ヒントを出す
任意のプレイヤー1人に手札のヒントを出すことができます。
ヒントを出せるのは「これとこれが3」「これとこれが青」というように、色か数字のどちらかいずれか一方だけです。
ヒントを出すと、トークンを失い、箱から1枚外に出します(トークンがない場合はヒントを出すことができません)。
カードを捨てる
手札から不要なカードを、捨て札置き場にカード捨て、山札から1枚補充します。
もちろん捨てるまでは、何のカードなのか、本人には分かりません。
カードを捨てた後は、ヒントのトークンを外から1つ箱に戻すことができます。
カードを出す。
手札から好きなカードを表にして場の中央に出し、山札から1枚補充します。
出すカードは、色ごとに1から順番になっていないといけません。
既に出ているカードとの連続、あるいはまだ出ていな色の1であれば、打ち上げ成功。
つながらないカードや既出でダブってしまったら、打ち上げ失敗。失敗トークンを1つ取り出します。
(2がないのに3を出してしまった!失敗です。)
ゲームの終了
5色全てのカードを出し終わった場合は25点の大成功となります。
一方で、3回打ち上げに失敗し、失敗トークンを全部出してしまったらゲームオーバー。0点です。
山札のカードがなくなった場合も終了で、場に出したカードの枚数が得点となります。
手がかりには言葉以上の意味がある。
このゲームの特徴は、なんといってもヒント。手札が見れないなかで、ヒントの出し手、受け手、双方ともヒントの意味を考えることがゲームの肝です。
基本は、次にカードを出す順番になる人に対して、出してほしいカード。あるいは、出すとアウトとなってしまうカードの手がかりを伝えます。受け手はそれを記憶しながら、自分の手札を推定していきます。
ただ、数字と色だけの情報では、出すべきカードの判断は難しいです。また、ヒントトークンの数も限られています。
なので、ヒントの受け手は、ヒントの内容だけではなく自分になぜ『このタイミングで』『このヒントを』だしたのかという出し手の意図を上手く察して、適切な行動をとらなければなりません。
このように、お互いの言葉の裏側のコミュニケーションが大事ですので、コミュニケーションがうまくいかないと、このHanabiは正直とてもつまらないゲームとなります。
一方で、お互いに意図が通じ合うと、以心伝心がうれしくてとても楽しいゲームです。ある程度気心が知れた間柄で遊ぶといいかもしれませんね。
子どもには、追加でヒントを出してあげるなど、多少調整してあげれば、ルール自体は簡単なので、十分遊ぶことができます
日本人が作ったわけではないけれど、「相手の言葉の裏にある意図をくみとる」という日本人の気質にとても合った楽しいゲームです。
「空気を読む」など言外コミュニケーションが苦手な方の訓練にもいいかもしれませんね。
ドイツ年間ゲーム大賞は伊達ではありません。
項目 | 公式表記 | コメント |
---|---|---|
年齢 | 8歳以上 | 6歳くらいからできるかな |
時間 | 30分 | |
人数 | 2-5人 |
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
ルールの易しさ | ★★★★☆ | 比較的簡単 |
大人も楽しい | ★★★★☆ | 大人が楽しい |
2人でも楽しい | ★★★☆☆ | 2人でも遊べます |
総合評価 | ★★★★☆ | 察するのは面白い! |
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