あいちトリエンナーレが炎上中ですね。文学や音楽もそうですが、芸術には反体制の考え方は当たり前。規制ありきの議論はいかがなものかと思います。
しかしながら、今回の件は芸術表現よりも思想的な要素がいささか強いよう。なんだか芸術表現を利用した左派と右派との代理戦争の様相にみえるので、個人的にはどちらの立場にも近寄りたくはありません。
さて、「行き過ぎた表現」の批判を浴びてしまうのは、ボードゲームの世界も同じ。今回は、リリース後に修正することになった2人用ボードゲーム「オキヤ(OKIYA/NIYA)」です。
陰謀渦巻く美しい庭園で一族の覇権を握れ!
ゲームのテーマ
古代の日本。源氏と平家と呼ばれる一族が覇権を争っていました。
どちらがより宮廷で力をもつ一族となるのか。美しい庭園のなかで、勢力を確保しようと陰謀が渦巻きます。
内容物
私がもっているバージョンは金属の箱。あけると正方形のタイルと円形のトークンが入っています。
正方形のタイルは花札がモチーフ。アヤメ、カエデ、サクラ(どう見ても梅だけど桜らしい)、松の4種類の植物(横軸)と、鳥、短冊、雨、太陽(月じゃないの?)の4種のシンボル(縦軸)で構成されます。
円形のトークンは、プレイヤー色である赤と黒に分かれ、それぞれ人物が描かれています。
準備
プレイヤーの赤黒(源氏が赤、平家が黒)を選択しトークンを自分の前に重ねます。タイルは4x4の形に中央に並べれば準備完了。若い方がスタートプレイヤーです。
オキヤ(OKIYA/NIYA)のルールとゲームの流れ
交互に場に自分のトークンを置いていき、4つのトークンを先に並べることが目的の4目並べのような感じのゲームです。
手番では、場から1枚のタイルを選んで取り、代わりにトークンを1枚置きます。
ただし、取ることができるタイルは、直前に相手がとったものと植物またはシンボルが一致するタイルでなければなりません。例えば、直前に相手が「松の短冊」のタイルを取っていれば、「松または短冊が描かれたタイル」ということになります。
自分がとるタイルは、すでに置いてあるトークンに隣接させることも大事ですが、次のターンで相手に有利にならないよう考えないと、自爆してしまうわけですね。必
勝敗
4枚の自分のトークンが縦または横1列に並ぶか、2x2の形に固めることができば、そのプレイヤーが勝者です。
OKIYAからNIYAへ
さて、このゲームはもともと「美しい芸者を宮廷に派遣し帝の寵愛を獲得する」というテーマでした。どうやらそれに「女性をモノ扱いしている」との、批判を浴びてしまったようですね。
タイトルのOKIYA(置屋)は舞妓や芸子を派遣する芸能事務所のような役割ですが、これまた売春婦派遣のような解釈にされてしまったようです。
デザイナーのブルーノ・カタラ本人(?)も混じったやりとりを掲示板で見つけました。
boardgamegeek.com
詳細な経緯はわかりませんが、結果してその後にリリースされた米国バージョンではタイトルのOKIYAはNIYA(荷屋?一体なんの意味でしょうか)に改題されました。
トークンの人物は白塗りの芸者をイメージした女性から、細い釣り目の日の平安男女に。ついでにパッケージのチャイナドレスも着物に修正されました。
誰かに不快な思いをさせる趣旨のゲームではないので修正したのでしょうが、個人的には釣り目のステレオタイプな日本人キャラより、チャイナドレス芸者の方が見栄えがよい気がします。
そもそも、芸者がテーマのボードゲームが問題ならば、女性の芸事によるもてなしである芸者の仕組み自体が問題となる気もしますが…。
なお、修正されたのは米国バージョンだけのようで、今のところ欧州や日本で流通しているのは改定される前のOKIYAです。いずれは修正されるのかな?
自分のコマを並べつつも、相手ができるだけ並ばないような選択肢を考えて選ぶ。勝負にあたっては先読みが重要です。
1ゲームは5分くらいで終わり4目並べくらいのとてもライトな感じ。気軽に何度でも楽しめる優秀な2人用ゲームです。
項目 | 公式表記 | コメント |
---|---|---|
年齢 | 10歳以上 | |
時間 | 10分 | 5分くらいで終わる |
人数 | 2人 | |
日本語化 | 不要 | 説明書のみ |
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
ルールの易しさ | ★★★★★ | 簡単 |
大人も楽しい | ★★★★★☆ | 大人が楽しい |
2人でも楽しい | ★★★★★ | 2人専用 |
総合評価 | ★★★★☆ | ライトなアブストラクトゲーム |
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