新型コロナウイルスの世界的な流行もあって、発売から10年以上が経過してもなお売れ続けている名作ボードゲーム「パンデミック」。世界的な感染症の拡大(パンデミック)をテーマにした協力型ボードゲームです。
本日はこの「パンデミック」をシンプルで小さくして遊びやすくしたコンパクト版ボードゲーム 「パンデミック:ホットゾーン(Pandemic:Hot Zone)」です。
チームで協力して病原体の治療薬を開発し人類を救え!
テーマと目的
君たちは疾病対策チームのメンバーだ。各人が持つスキルを使って協力しながら北米に蔓延する病原体を食い止め、治療薬を開発しなければならない。
「パンデミック:ホットゾーン」は協力型のボードゲーム。みんなで話し合い、協力しながら治療薬を開発をめざします。
内容物
B5サイズのコンパクトな箱の割には、4つ折りのしっかりしたゲームボード。オリジナル版は世界地図ですが、本作は北米が舞台です。
コマの赤、青、黄が病原体の種類を示し、キューブが病原体コマ、薬瓶型が治療薬マーカーです。緑が感染率マーカーとアウトブレイクマーカー、4色のポーンがプレイヤーコマです。
カードは都市カードとイベントカードで構成された手札となるプレイヤーカード、都市への感染を示す感染カード、プレイヤーの特殊スキルを示す役割カードがあります。
準備
ボードを広げ、プレイヤーを選択して役割カードを受け取ります。コマはCDC本部があるアトランタにおきます。手札としてプレイヤーカードを2枚配り、残りは山札とします。
最初の感染発生ということで、感染カードを2枚めくって当該都市に病原体コマを3個ずつ。続いて2枚めくって病原体コマを2個ずつ。さらに2枚めくって1個ずつ、と計6枚感染カードをめくって病原体コマを置いていきます。
スタートプレイヤーは一番人口が多い都市のカードを手札に持っているプレイヤーです。
パンデミック:ホットゾーンのルールとゲームの流れ
感染が拡大して手遅れになる前に、3種類の治療薬を開発するのことが目的です。
プレイヤーの手番は「アクションを実行」「手札の補充」「感染カードの公開」、で進行します。
アクションの実行
プレイヤーは「移動」「治療」「知識の共有」「治療薬の開発」のから任意のアクションを4回まで実行できます。
移動
移動は、隣接都市への通常移動、行き先の都市カードを使った直行便。現在の都市カードを使って任意の都市へ移動するチャーター便の3種類です。
上の例では、ハバナへの移動はカード不要。ワシントン、シアトルのカードを使えば当該都市へ移動可能。サントドミンゴを使えばチャーター便で任意の都市へ移動できます。
治療
治療のアクションを選択した場合には、現在いる都市の病原体コマを1つ(治療薬が完成している病原体の場合は全部)取り除きます。
知識の共有
プレイヤー同士が同じ都市にいる場合には、当該都市のカードを受け渡すことができます。
治療薬の開発
アトランタにいる場合には、同じ色の都市カード4枚を使用して治療薬を開発できます。治療薬を開発したら該当する治療薬のマーカーをおきます。
手札の補充とエピデミック
アクションが終わったらプレイヤーカードを2枚ひいて手札の補充をします。
引いたカードのなかにエピデミックカードがあったら、エピデミック(特定地域流行)の発生です。
感染マーカーを1つ移動させるとともに、感染カードの山札の一番下のカードを公開してその都市に感病原体コマを3つ置きます(これによりアウトブレイクも発生)。
感染カードの公開とアウトブレイク
手番の最後に感染率表で規定された枚数の感染カードを1枚ずつ公開します。その都市へ病原体コマを1個ずつ置きます。
病原体コマが3個置かれている都市であった場合は、アウトブレイク(感染爆発)の発生です。アウトブレイクマーカーを進めるとともに隣接する全ての都市に病原体コマを1つ置きます。
アウトブレイクの処理で病原体コマを置く際に、すでに3個置かれている都市があった場合には、さらにその都市でもアウトブレイク発生となり感染が連鎖します。
勝敗
3種類全ての治療薬の開発が完了したら、プレイヤーの勝利です。
一方で、以下の状況になったらプレイヤーの負けとなります。
- アウトブレイクマーカーが最後まで到達
- 病原体コマを置く際にコマがない
- プレイヤーの手札を補充する際にカードがない
コンパクトながら名作パンデミックの要素を凝縮
本家のパンデミックと比べると都市の数が約半分、病原体の種類が4種類から3種類と、コンパクトになってスピーディな展開になりますが、ベースのシステムは同じです。
「ここは私が押さえておくからアトランタに急いで!」「わかった。厳しいだろうがなんとか持ちこたえてくれ!」と、映画の登場人物になったかのようなやりとりになるのも本家と同じ。
アウトブレイクが連鎖しだすと絶対絶命。ギリギリの状態で追い込まれで、何とか乗り切ったときの満足感、一体感はひとしおです。
ガッツリ長時間遊びたいボードゲーム愛好家には物足りない点もありますが、本家よりシンプルになって特に初心者には遊びやすくなっています。
新型コロナウイルスの感染拡大の状況下で、ウイルスを題材にしたゲームを楽しむのは不謹慎という話もありますが、下記でデザイナーのマット・リーコック氏が述べているように、感染の恐怖と協力して立ち向かうことの大事さを疑似体験することにも一定の意義があると個人的には思うんですよね。
www.tgiw.info
みんなが協力して対処すべき状況下で、あえて感染率を高めるGOTOキャンペーンを強行する方々には、アウトブレイクの連鎖で感染が拡大しどうにもならないときの無念さをぜひ体感してほしいものです。
ちなみに英語版ですが印刷して無料で遊べるPrint And Play版もダウンロードできます。こんなご時世だからこそあえて遊んでほしいボードゲームです。
www.zmangames.com
項目 | 公式表記 | コメント |
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年齢 | 8歳以上 | |
時間 | 30分 | |
人数 | 2-4人 | |
日本語化 | 不要 | 説明書のみ |
項目 | 評価 | コメント |
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ルールの易しさ | ★★★★☆ | 比較的簡単 |
大人も楽しい | ★★★★★ | 大人向け |
2人でも楽しい | ★★★★☆ | ソロルールもあり |
総合評価 | ★★★★☆ | 名作パンデミックを踏襲したコンパクト版 |