パッチワークは、小さな布を縫い合わせて大きなデザインにする手芸です。
このパッチワークをテーマにした、2人専用ボードゲーム、その名も「パッチワーク(Patchwork)」。まんまの名前ですね。
時間内に大きく綺麗なパッチワークを作れるのか競争だ!
たくさんの布を縫い合わせ、パッチワーク作りをしよう。難しい布は時間がかかるので要注意。時間内に大きくて綺麗なパッチワークを作るのはどっち?
内容物
パッチワークといえば、布の切れ端を使いますが、この布を表現しているのが布タイルです。さまざまな色とテトリスのような形をしています。
ゲームに使用するボードは、残り時間を示す時間ボードが1枚と、パッチワーク作る個人ボードが2枚の計3枚。
黄色と緑のコマが、プレイヤーの経過時間を記録する時間マーカー。木製の大きめのコマが布タイルを獲得できる位置を示すポーンです。
そして、ボタンチップ。このゲームでは、ボタンが布を手に入れるための通貨であり、得点にもなります。
準備
時間ボードを中央に置き、その周囲をぐるっと円形に囲むように、布タイルを並べて置きます。
パッチワークのスタートプレイヤーは、「一番最近で裁縫をした人」です。スタートプレイヤーを決めたら、黄色と緑のタイムマーカーを、タイムボードのスタート地点にスタートプレイヤーが上になるよう重ねて置きます。
「こんな方法で決められる?」海外ボードゲームのスタートプレイヤーの決め方がなかなか面白い。 - 親子ボードゲームで楽しく学ぶ。
並べた布タイルのなかで、一番小さい2x1サイズのものを探します。ポーンを2x1タイルから時計回りに進んだ隣に置きます。
最後に、初期資金としてボタンチップを各自5個持てば準備完了です。
ゲームの流れ
タイムボードの周囲に並んだ布タイルを手に入れて、自分のボードに並べてパッチワークを作ります。
得点になるボタンを集めつつ、大きく綺麗なパッチワークにする、すなわち9x9の自分のボードを布タイルで埋めつくすことが目的です。
パッチワークの作成には時間概念があり、布タイルを取って並べるごとに、時間ボードが進み、中心まで到達すれば時間切れとなります。
順番は交代制ではなく、「ボードにあるタイムマーカーがスタート地点に近い人」から。同じマスなら「タイムマーカーが上になっている人」から手番を進めます。
手番では、
1)布タイルの獲得
2)時間マーカーの進行
のいずれかの行動を選択します。
1)布タイルの獲得
現在ポーンがある場所から、時計回りの方向に3つの範囲にあるタイルのうちから1つ獲得できます。
布タイルを獲得したら、もらったタイルと入れ替わりにポーンを置きます。次の順番ではさらにその先3つが獲得対象の布タイルとなります。
布タイルの獲得は、タダではありません。獲得にあたっては、布タイルに示された数のボタンを支払うことが必要です。
またさらに、布タイルに記載の砂時計マークがパッチワークをするための経過時間です。砂時計の示す数だけ時間マーカーを進行させます。
手に入れた布タイルは、自分のボードの好きな位置に並べていきます。
2)時間マーカーの進行
布タイルを購入できない、あるいはしない場合は時間マーカーを相手プレイヤーの1マス先まで進めます。
移動後は、進んだマスと同数のボタンを手に入れます。
時は金なり、時間をボタンに換金するわけです。
決算
時間マーカーを進めた際に、ボタンマークのあるマスを通過したら決算です。
自分のボードに並べた布タイルをみて、描かれたボタンと同数のボタンを収入として獲得します。
また、正方形の布タイルがある場所を通過すれば、この布タイルを手に入れることができます。小さな隙間を埋めるのに、このタイルは重宝しますが、獲得は先着順です。
さらに、布タイルをボードに配置した際に、7x7の正方形の形ができれば、先着順でボーナスチップを獲得できます。
勝敗
2人ともタイムボードのゴールまでたどり着けばゲーム終了です。
下記の得点計算をして、得点が高いプレイヤーが勝利します。
得点
獲得したボタンの数×1点
失点
ボード上で布タイルを置けなかった空白マス数×-2点
ボーナス
7x7を先に作成できたプレイヤーが7点
初心者受けしやすい見かけ。でも考えどころもしっかり。
最終的にボードをきれいに埋めると失点が少なくなります。なので「大きくスペースを埋めてくれる安いタイル」をうまく使ってボードを隙間なく埋めていきます。
自分のボードを見ながら、どんな形のピースをはめたらいいかというパズルをしていきます。
パッチワークを作るには、ボタンという資金が必要。ボタンマークがついた布タイルをゲットすれば収入も増えて、さらにいいタイルが獲得できて収入も増えるという拡大再生産要素もあるゲームです。
得点にもなり通貨でもあるボタン。ボタンつき布タイルは収益基盤となるため、早めにボタンの多いタイルを押さえたいところ。
しかし、ボタンがたくさんついているタイルは、高価でかつ時間の進行も早い。高価なボタンで金欠ならぬボタン欠になったり、時間が進みすぎて相手に複数回行動を許したり不利になる面も。
かといって、タイムボードを進めてボタンを貯めるのも諸刃の剣。収入をもらえるチャンスはたったの9回。時間にも限りが…。
というように、いろいろ悩ましいポイントがありますが、ギチギチな感じではありません。このほどよいジレンマで、軽く考えて遊ぶもよし、じっくり思考するもよし、初心者から熟練者まで懐の広いゲームシステムになっています。
パッチワークという女性受けしやすいテーマとカラフルなデザイン。布タイルの獲得競争にに関しては間接的なカラミはあるものの、直接的な攻撃要素はありません。
そのため、カップルや夫婦、親子などの仲良し2人で遊ぶのに適しています。
良作ながらも小さい日本のボードゲーム市場、しばらく売り切れが続いていました。2017年10月に日本語版が再販され、手に入りやすくなった状況です。
ピースを並べるのにテーブルのスペースを取る以外は弱点がないかも。2人専用のボードゲームとしては、個人的にイチオシのゲームです。
秋の夜長に2人でしっぽりボードゲームはいかがでしょうか?
項目 | 公式表記 | コメント |
---|---|---|
年齢 | 8歳以上 | 6歳くらいからできます |
時間 | 30分 | |
人数 | 2人 | |
日本語化 | 不要 | 説明書のみ |
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
ルールの易しさ | ★★★★☆ | 比較的簡単 |
大人も楽しい | ★★★★☆ | 大人も子供も楽しめる |
2人でも楽しい | ★★★★★ | 2人専用 |
総合評価 | ★★★★ ★ | 2人用ボードゲームの傑作 |
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