※後半は、少々汚い話になるので、食事中などの方は閲覧をお控えください。
ゴミ回収日のいつもの風景
週に一度の資源ゴミの日になると、ゴミ捨て場に自転車に乗った人たちが現れます。
彼らの狙いは捨てられている空缶。これを集めて売却するわけですね。ゴミ回収場の空缶を持ち出すのは本当は違法のようですけどね。
空缶集めの稼ぎは、半日くらい回って2〜3000円くらいらしいです。時給に換算するとかなり安いですね。時間がほぼ無尽蔵にある人はいいでしょうが、アルバイトとして考えれば効率良い仕事とはいえないですね。
うちの近くのゴミ収集場所に現れる方々は、顔ぶれがおよそ決まっていて、ナワバリのようなものもあるようです。
会社のような社会のしがらみから解き放たれても、ナワバリ争いのような新たな社会があるとはなんとも皮肉なものです。
保育園の前にビジネスチャンスが!
さて、夕方に電車に乗っていると、なんだかおならのような匂いがする。誰かがオナラをしたのかな?
それはもしかしたらオナラではないかもしれません。近くに保育園帰りの小さな子を連れた人がいたら、臭いの原因はお母さん(お父さん)のバックかも。
多くの保育園では、子供を夕方に迎える際に、使用済オムツを持ち帰らなければなりません。
公共交通機関で帰る場合は、その使用済オムツを持参したまま乗り込みます。帰りにスーパーに立ち寄る場合は、そのまま持参。人によっては持参したまま外食に立ち寄る人もいるかもしれません。
「そんな汚いもの持ってウロウロするな。一度家に帰ったらいいのに。」とおっしゃる人もいるかもしれません。子育てでわが子の糞尿への抵抗感が麻痺してしまうんですよね…。そしてなにより仕事が終わって子供を迎えて食事させ風呂入れて、息つく暇もないスケジュールにトラブルがちょいちょいあり。家に帰る時間的余裕もない人も多いです。
ヒールを鳴らしながら颯爽と歩くおしゃれなワーキングマザーや、ブランドスーツに身を固めたかっこいいイクメンパパ。でも手にしているハイブランドの紙袋の中には、強力な生物兵器が入っているかもしれません。
使用済オムツ。衛生面では問題と分かりつつも、その辺で捨てていくわけにはいきません。みんな仕方なく手荷物に悪臭の元を入れて帰路につきます。
さて、そんな厄介なお荷物をもっているところに、保育園前で「オムツゴミ100円で引き取るよ!」と声をかけられたらどうでしょう。一刻も早く手放したい臭いゴミ。私なら絶対に引き取ってもらいます。
いつもゴミ捨て場で空缶を回収している方々に、私が提案したいのは「使用済オムツを回収する」ビジネスです。
どうでしょうか。100人くらい園児がいる大規模な保育園の前に立っていれば、オムツゴミに困っている乳幼児の親で、捨てたい人は結構いると思います。
夕方16時から19時まで3時間立っていて、一人100円×30人見込めたとして3,000円。空き缶集めやビックイシューを売るより楽で合法的な(引き取ったゴミの捨て場という課題はありますが)稼ぎかも。
引き取ったらパパママに感謝されること間違いなし。300円くらいでも行けるかな?
今のところ、保育園の前に立っているのは託児所や英会話学校のビラくばりくらい。ライバルがいないブルーオーシャンのビジネスです。
残念ながら、布おむつの保育園では実行できませんが…
もし不幸にも今の仕事を失職してしまい、再就職先がなかったら、スキルも不要なこの仕事。ゴミ箱とゴミ袋をもって、先駆者としてやってみようと思います。
どうしてこんなビジネスが成り立つのか
さて、そもそも誰もが要らないはずのオムツゴミ、どうして持ち帰らせるのでしょうか。
ゴミを持ち帰させる理由として「親が回数や便の状態をみて、健康チェックをするため」ということが言われますが、これはおそらく建前。
だって、それなら少数派のゴミ処分する園が問題ありになってしまいます。私立保育園など、オムツゴミの園処分をウリにしているところもあります。
時間が経ってたっぷり熟成された(熟成されると大だけでなく小のオムツもかなりの悪臭)オムツゴミを後から確認するのは、かなりキツイです。
ゴミ持ち帰りを希望制にしたら、持ち帰りを希望する人はほとんどいないかも。わが家も「オムツと一緒に服まで入れてしまう」という雑な保育士さんに当たったときは、やむなくチェックをしていましたが、それ以外は持ち帰っても基本そのままポイです。
問題の所在はおそらく「予算」。限られた保育園の運営予算でやりくりするために、できるだけ、オムツゴミの処分のような追加費用が発生することはしないというわけです。
似たような事例として、うちの子が通う園では「園児たちが使うティッシュペーパーを各自3箱持参してください」なんてことを毎期言われます。
いつもハナをたらしている園児にティッシュは必需品。そんなものすら園予算で購入するのが難しいというわけです。
なお、保育園を運営している方々を批判したいわけではありません。予算の縛りに一番苦労しているのは、むしろ保育に従事する保育士さんたち。保育の現場では「いい行事にしたいけど、予算がないので行事の飾りつけを自腹で購入」のような悪しきしき慣行も当たり前のよう。
健全な会社なら、運営に必要なものを自腹なんてありえないんですけどね。
一般企業では、消費者がもとめるサービスと価格とを天秤にかけ、コスト以上の効果が期待できるなら価格に転嫁して高品質のサービスを提供します。
一方で公共サービスは、あらかじめ決まっている予算のなかでサービスを提供するのが前提。
したがって、利用者のニーズがいくらあっても「必須ではない」という理由から切り捨てられたり、予算が厳しくなれば自腹をきらされたりします。
「ニーズがあるのにサービスが提供されていない」構造的なユガミは、ビジネスのタネになるわけです。
社会のユガミは顕在化しないと是正されない
「実際にやれば問題になるのではないか」など、厳しいコメントも頂戴していたので、最後に補足です。
私はオムツ回収業を、本気で「有望なビジネス」考えているわけではありません。
その一方で、使用済オムツの持ち帰りは、子供を保育園に預けている人の大半が共感する、誰もが困っている問題です。
しかしながら、「不衛生な持ち帰りをなくし、使用済おむつの処分サービスを導入してほしい」という要望を役所に出しても、「そんな予算はない」と、黙殺されるだけなんですよね。
「保育園落ちた」がいい例ですが、社会問題とならないかぎり、行政サービスの見直しは着手どころか注目もされません。
「使用済オムツを買い取っている人がいる」となると、きっと社会問題になるでしょう。社会のユガミを顕在化することこそが、ユガミを適正化する近道だと思っています。
そのような意味では、本気で誰かやってくれないのかなと私は思っています。
さて、次回のボードゲームは下ネタつながりで、記憶と瞬発力が試されるパーティーゲーム「うんちしたのだあれ?(Who did it ?)」の予定です。