勝間和代さんのカミングアウトに思う
はてなブログには、芸能人のブログが多いアメーバブログなどは違い、タレントのオフィシャルブログが少ないです。
以下がはてなの著名人ブログのようですが、正直あまり知っている人はいません。
著名人ブログ - はてなブログ
そんなはてなブログに、昨年彗星のように現れたのが経済評論家の勝間和代さん。
勝間さんは、競合相手がいない領域で活躍すべきという「ブルーオーシャン戦略」を説いていたこともありました。はてなブログは著名なタレントブログがいないブルーオーシャン。まさに戦略を実践したわけですね。
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ゲームバーのオーナーだったこともあり、ボードゲームに造詣が深い勝間さん。抜群の知名度と、IT系エンジニアが多いはてなブログのユーザー層もあってか、あっという間に読者数は4000近くになり、はてなトップブログとなりました。
katsumakazuyo.hatenablog.com
最近は、そんな勝間さんのパートナーに関するカミングアウトが話題になっていますね。
勝間さんはLGBTを支援する立場で有名でしたが、ご本人自身も同性の女性と同居していることを公開しました。
家の室内の写真などプライベートも公開していくブログでしたが、これまでは2人での写真が入らないよう配慮するなど、パートナーの存在はこれまでひた隠しにしてきたようです。
勝間さんは、その華麗な経歴をロールモデルとして、カツマーと呼ばれる支持者にはカリスマ的な存在。
そんな支持者の多い方でも、同性パートナーの存在はずっと隠しつづけてきた。オープンにすることへのハードルがそれなりにあったということでしょう。
海外では自分のセクシャリティをオープンにしている著名人は多いですが、日本ではオネエ芸タレントなどウリにしている人を除けばオープンなのは少数派。そんな世の中に一石を投じる勇気ある決断をされたと思います。
著名人でも躊躇。ましてや一般人のLGBTの方々は、相当に生きにくい世の中なんだろうな、と改めて感じました。
僕らのあたり前はどこからきているのか
さて、話は変わってわが家のお話。
最近車ででかけるときは、車内でのテレビ視聴がかかせません。
車内モニタにスマホを接続して、いつもPrimeVideoを視聴しています。
たくさんあるPrimeVideoのタイトルのなかで子供達に人気なのは、80年代アニメ。
親としても、自分自身が子供の頃に観ていたアニメを自分の子供が見るにつけ、懐かしいやら感慨ぶかいやらです。
先日、藤子アニメのパーマンを見ているとこんなシーンがありました。
主人公の頼りないミツオくんが扮するパーマン1号と、実は人気アイドルのおてんばな女の子のパーマン3号(パー子)とのやりとり。
パーマン1号「パー子なんて、女なのにおしとやかさのかけらもないじゃないか。このじゃじゃ馬!」
パーマン3号「なによあんたこそ!女の腐ったようなことばっかり言って。もうちょっと男らしくしなさいよ!」
昔のアニメをみていると、男らしさ、女らしさ、という表現が驚くほど随所に登場してきます。
子供の頃にはもちろん考えもしませんでしたが、私たちはこうやって、男は男らしく女は女らしくという当たり前と思っている概念を、知らず知らずのうちに社会から刷り込まれてきた。社会によるフレーミングの影響についても改めて感じました。
看護婦という表現も過去の言葉。最近はメディアの自主規制でジェンダーのフレーミングはなくなってきました(むしろ若干言葉狩り的な要素も見受けられますが)。
何も変わっていない気がする社会も、世代を振り返ってみると、当時は当たり前だった世界と今は全く違う。少しずつではあるけど世の中は変わってきているんですね。
LGBTは未来でもマイノリティなのか
出産は女性しかできないし、スポーツにおける体格差など、いわゆる性差はあります。
性差は外見だけではなく、内面でも。
保育園で子供を観察すると、男の子は怪獣や車が好きでケンカが多い。女の子は人形あそびやままごとが好きで言葉が達者など。小さいころから男女による特徴は出るんですよね…。
でもその一方で、ピンク色が大好きでリカちゃん人形を離さない男の子や、ヒーローごっこが大好きな女の子やも少ないながらもいます。
男女の一般的な差はあっても、必ずしも大多数が属する「男らしい」「女らしい」が正しいわけではありません。標準に収まらないことが決して悪いことではない。
また、平均に収まらないことが、肉体や脳の構造などの物理的、構造的な要因なのか、趣味嗜好のような後天的なものなのかも、もはや関係ないのかもしれません。
冒頭の勝間さんも、若くして異性と結婚し子供を育ててきて、そこからの今回のパートナーの話。彼女自身「好きな人がたまたま女性だっただけ」と述べています。
セクシャリティはこれまで考えられてきたような固定されたものではなく、今や流動的なもの。LGBTも決して病気のような概念ではなく、多様な個性・価値観のひとつ。多様性を認め合える社会を目指すことがゴールなんでしょうね。
私が子供の頃には絶対的、普遍的であったはずの、男さしさ、女らしさという概念は、今や降りかざすこと自体、時代錯誤なものとなりました。
絶対的であったものが、そうではなくなり、さらにその先には…。
うちの子供達が成長するころには、「男らしいって何?」と、死語になっている世の中になっているかもしれません。
さて、次回のボードゲームは、怪獣たちのバトル「キング・オブ・トーキョー」。
うちの娘も大好きなこのボードゲーム。私の親世代が見たら「女の子にこんな男の子のような遊びをさせて…」ときっと言うかもしれません。