子供と2人で遊ぶことも多い私にとって、「2人で遊べるボードゲーム」というのは購入の際かなり重視するポイントです。
というわけで、わりとマイナーな2人専用ボードゲームの中で、お気に入りのジャイプル(Jaipur)です。
商売で相手に勝って、マハラジャ専属商人を目指せ
ジャイプルとはインド北部の都市。ここの商人となって、様々な商品を取引をしながら稼いだお金を競うゲームです。
内容物
コンパクトな箱には、カードとトークンが入っています。
商品カード(55枚)
市場で取引される商品を示す、ダイヤ、金、銀、布、スパイス、革の商品カードです。
また商品とは別に、家畜でもあり他の商品との取引にも使えるラクダカードがあります。
トークン
主として得点計算に使用するトークンです。
商品を売却したときに得られる品物トークン(38枚)、3枚以上の商品を売却すると獲得でき場るボーナストークン(18枚)、ラクダを多数所有したボーナスのラクダトークン、ラウンド勝者が持つ優秀の証があります。
なお、同じ品物トークンでも記載の得点は異なっています。同じ商品でも最初のうちは高い値が付き、だんだん下がっていくという概念ですね。
準備
各種トークンを種類別に分けて重ねて場におきます。さらに品物トークンは、価格の高い順番に並べておきます。
カードのなかからラクダカードを3枚取り出し、場におきます。残りのカードはシャッフルした後、2枚を引いてラクダカードの隣に置きます。
この5枚が最初の場札です。以降、5枚の場札が市場に並ぶ商品として、入れ替わっていきます。
手札としてカードを5枚ずつ配り、残りのカードは山札として中央においておきます。
スタートプレイヤーを決めれば準備完了です。
ゲームの流れ
2人で交互に商品カードを獲得、交換、売却しながら、相手より多くの得点を獲得することが目的です。
手札はもてる上限が7枚。場札は常に5枚となり、減ったらその都度山札から補充します。
出番で選択できる行動は次の4つのうち1つです。
1)市場から商品をひとつ手に入れる
場札の5枚のうち、好きなカードを1枚だけもらい手札にします。
ただし、手札はの上限は7枚なので、すでに手札が7枚のときはこの行動はとれません。
2)市場のラクダを手に入れて家畜にする
場札に出ているラクダカードを全てもらいます。
ラクダカードは手札にはカウントせず、手元にオープンにして置いておきます。
ラクダカードがなくなった分の場札は、山札から補充します。
3)品物を交換で手に入れる
同枚数の手札または家畜のラクダと交換で、場札のうち、好きな種類のカードを好きな枚数入れ替えて受け取ります。
ただし、ラクダを使う場合には、手札が7枚を超えないよう注意です。
4)手持ちの商品を売却する
手札のうちで売却したい品物カードを1種類、好きな枚数だけ(ただしダイヤ・金・銀は最低2枚)捨て、それと同じ枚数の品物トークンを受け取ります。
3枚以上売却した場合には、品物トークンに加え、枚数に応じたボーナストークンを受け取ることができます。
下記のケースでは、「金を1枚もらう」「場のラクダをもらう」「場の革2枚をラクダと交換する」「手札のスパイス3枚を売却する」などが、行動の主な選択肢です。
終了と勝敗
品物トークンが3種類なくなった場合、あるいは山札のカードがなくなればラウンド終了です。
手元にあるラクダカードが一番多い人は、さらにラクダトークンを受け取って、得点計算です。
トークンの合計点数が多い方が優秀な商人ということで、優秀の証を1枚受け取ります。
ラウンドを繰り返し、優秀の証を2枚受け取ったプレイヤーが勝利です。
同じ市場の品物でどっちがもたくさん稼げるか
以前紹介したフンギもそうですが、ジャイプルは2人対戦ではありますが、直接的な妨害や足の引っ張り合いはなく、同じ場札での得点獲得競争がメインです。
なので、打ち負かされるとすぐにヘソをまげてしまう、子ども相手にもおすすめです。
「自分がとるか相手に取られるか」の悩ましさ
ジャイプルでは、何をすれば高得点となるかは明白です。
なるべく高価な品物を、値段が下がらない早いタイミングで、さらにボーナスねらいで 一度にたくさん売りさばけばいいわけです。
ただ、市場に出回る商品である場札は相手と共有されています。
ダイヤや金などの高価なカードは当然相手も欲しい商品。また、たくさんカードを集めてから売りたいけれども、グズグズしてると相手に先に売られて値段が高い商品トークンを取られてしまいます。
相手の行動を予想しつつ、自分のとるべき戦略を考えて行動する、駆け引きがこのゲームの醍醐味肝です。
ラクダのジレンマ
ジャイプルをより特徴的な駆け引きにしているのがラクダカードです。
ラクダは手札の上限7枚とは別で所有でき、カードをたくさん手に入れるための手段になるため、場に出ていればまっさきに欲しいところ。
しかしながら、ラクダカードを受け取ることで、補充で新たなカードが場に登場するため、これによって相手が有利になりかねません。
ラクダの引き取りどころ・使いどころが、ゲームの流れを左右し、これがまたいい感じのジレンマを産みだしています。
4枚ラクダをゲット…と思ったらダイヤ3枚と金が出てきて、相手に塩を贈ることに!
ジャイプルのマイナス面
個人的には絶賛のジャイプルですが、マイナス面もあります。
点数計算が面倒
ラウンド終了時にはたくさんの商品トークンとボーナストークンを、2人それぞれが集めていることになります。このトークンの得点を合計するのが一手間。
回転寿司の皿のようにトークンにICチップでも入って、ピッと結果がでないのかと思うくらいです。
主人公がヒゲとターバンのインド人
主人公が意味なく露出が多い女性で狙うのもいかがなもんですが、ヒゲ&ターバンのおじさんインド商人が主人公というのは、なかなか夢も浪漫もない世界です。
今でこそよく遊んでいますが、うちの子が最初にパッケージを見たときの第一声は「え~、こんなおじさんのゲームなんてやだ~。」でした。カードの裏面もすべてこのインド人です。
逆にいえば、それだけ内容で勝負している自信作ということかな?
推進年齢は12歳以上ですが、ルールも目的もシンプルなので子供でも遊べます。実は、主人公がおじさんだから推奨年齢を高くしているんじゃないかと思ってしまいました。
2人で遊べるボードゲームの傑作
マイナス面を差し引いても十分面白い。
頭から湯気が出るほどはない、適度な考えどころと2人での駆け引きが楽しい傑作カードゲームです。
2016年に日本語版も登場し(といっても海外版でも言語依存はありません)、入手もしやすくなりました。2人で手軽に遊べるボードゲームを探していて、コテコテのインド人にアレルギーがない方には、ぜひとも遊んでいただきたい作品です。
項目 | 公式表記 | コメント |
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年齢 | 12歳以上 | 6歳くらいからできそう |
時間 | 20分 | |
人数 | 2人 |
項目 | 評価 | コメント |
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ルールの易しさ | ★★★★☆ | 慣れればすぐ |
大人も楽しい | ★★★★★ | 大人が楽しめる |
2人でも楽しい | ★★★★★ | 2人専用 |
総合評価 | ★★★★★ | 2人用ゲームの傑作 |