一番遊んだトランプゲームは何かと聞かれたら、私は「大富豪」と答えます。
高校生のころにクラスで大流行し、毎日のように遊び、授業中にまで遊んでいて怒られた記憶があります。
その大富豪に似たプレイ感のカードゲーム、「アブルクセン(Abluxxen/ Linko)」です。
手札をどんどん出して減らすだけ
基本ルールはとてもシンプルです。
内容物
カードのみですが、全部で110枚とかなりのカード枚数です。絵柄はキツネかと思いましたがヤマネコらしいです。
数字カード(104枚)
1-13のカード×各8枚(色に意味はなく一つの数字に1色です)。数字が大きいほど強いカードてです。
ジョーカー(5枚)
Xが書かれた13にも勝つ最強カードです。他の数字の代わりに使うワイルドカードとしても使えます。
手番プレイヤーカード(1枚)
手番のプレイヤーを表すカラフルなカードです。時計回りに進むので順番を覚える必要性があるのか、用途がいまいち不明です。
準備
各プレイヤーにカードを13枚づつ配ります(大富豪の4人プレイくらいの枚数ですね)。
残りは山札として裏向きに積んで置き、そこから場札として6枚とって表向きにおきます。
一番若いプレイヤーに手番プレイヤーカードを手元に置き、スタートです。
ゲームの流れ
手札からカードをどんどん出していき、最終的に手札を最初になくすことが目的です。
手番でできること
手札のなかから好きなカードを自分の前に出します(大富豪と違い、前のプレイヤーより大きいなどシバリはありません)。
同じ数字のカードなら、2枚、3枚…と、一度に複数枚出すことができます。
勝敗
誰かが手札を出し切ったら終了です。場に出したカードは1枚1点、手札に残ったカードは1枚につきマイナス1点として計算します。
得点が一番高いプレイヤーが勝利です。
スナッチシステム
このゲームを特徴的で楽しくしているのが、スナッチ(奪う、かすめとる)という、他のプレイヤーを攻撃するルール。いったん出したカードが、出して終わりではなく何度もリサイクルして利用されるところにこのゲームの面白さがあります。
スナッチとは
出したカードと相手の出したカード(一番上の組)を比べ、枚数が同じかつ数字が大きい場合はスナッチ発生です。
相手のカードを奪って手札にするかどうかを選択できます。欲しくないときはもらわらなくてもかまいません。
奪わなかった場合、攻撃されたプレイヤーは、対象カードを手札にもどすか、捨てて同枚数の新たなカードを手札にするかのいずれかの選択をする必要があります。
いずれにしても、攻撃された方は出したカードが減って手札が増えるわけです。
9を3枚出しました。向かいプレイヤーの3の3枚にスナッチ発生です。だけど3はショボイので奪うのはやめ、相手に選択権が移りました。
スナッチの効果
手札を増やして強化できる
欲しいカードをスナッチして手札にすれば、3枚、4枚と増やして強化できます。
最大得点を増やす
出したカードの枚数が得点です。初期の手札は13枚なので最大得点は13点ですが、手札が増えれば獲得できる最大得点が増えます。
相手のあがりを遠ざける
出した札が減って(得点が減る)手札が増える(減点が増える)ため、ライバルの得点を減らし、あがりから遠ざけることができます。
スナッチのデメリット
手札が増えて得点的にはマイナス
手札が増えるということは、あがりから遠くなるということです。
スナッチで手札が増えたところで、他のプレイヤーにあがられてしまい、マイナスを抱えてしまうことも。
相手の手札が強化される
攻撃された側は、手札を新たに引きますが、山札およびジョーカーさえ落ちている場札の6枚から自由に選んで手札の強化が可能です。
小さいカードを出して、ワザと攻撃を受けて手札を充実させるというのも基本戦略です。
大富豪にはない魅力
最初の手札で勝負は決まらない
大富豪では、戦略要素は「手札のどれをいつ出すか」だけです。そのため、配られたときの手札の優劣で「うわ、3と4しかない。こりゃダメだ。」など、勝敗の太宗は決定しまいます。さらに、大貧民は大富豪へ貢ぐわけですから、序列を覆すのはとっても困難。
一方で、アブルクセンは、手札の入れ替えができますので、最初の手札が悪くても、臆することはありません。
一斉攻撃の爽快感
スナッチは、条件さえ合えば複数のプレイヤーに発動します。3人に同時攻撃し、みんなの手札を増やしたりするとなかなか爽快です。
同時枚数の多さ
カード枚数が多いため、同じ数字は8枚あります。そのため、集めていっぱい出すことができます。
「6枚出して、誰も攻撃できないところで2枚出してあがり。」「手札がまだあると見せかけて、一気に7枚出しであがり!」という意表をつく戦法もできます。
強いカードも諸刃の剣
強いカードを出しても、それを上回るカードを出されると、奪われてしまい、下手すればさらに枚数が増えてパワーアップされてしまいます。
最強のジョーカー以外は、出しどころをしっかり考えないといけません。
右のプレイヤーは2のカード5枚でスナッチされないよう防御。こちらは強い13のカード3枚で固めました。…と思ったら、なんとジョーカー3枚が出てきた!虎の子の13を奪われてしまいました。
小さい子にはちょっと早いかな
ここまで説明してきたアブルクセン、小さい子どもでも容易にできるルールなのですが、実はわが家での稼働率は低いです。
理由は、ハゲタカのえじきのときにも書きましたが、「ルールは簡単だけど勝ち方が難しい」ところ。
目的は手札をなくすことですが、攻撃されてすぐ巻き戻ってしまいます。また、単純に、強いカードを出すだけでは勝てないので、どうしたら勝てるのか、小さな子どもにはちょっと難しい。また、そのあたりの戦略を教えるのもなかなか難しいんですよね。
一方でカタンのように何をすればよいかがはっきりしているゲームは、手順が多少複雑でも子どもは理解して遊んでくれます。
bg4kids.hatenablog.com
というわけで、アブルクセンは子どもが大きくなるまで眠っている予定ですが、シンプルだけど奥深くて戦略のぶつかり合いが楽しいゲームです。
特に大富豪が楽しいと思える人は、戦略要素がパワーアップした面白さを存分に味わえると思います。
項目 | 公式表記 | コメント |
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年齢 | 10歳以上 | 6歳くらいからかな |
時間 | 20分 | |
人数 | 2-5人 |
項目 | 評価 | コメント |
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ルールの易しさ | ★★★★☆ | とても簡単 |
大人も楽しい | ★★★★☆ | 大人が楽しい |
2人でも楽しい | ★★★☆☆ | 2人でもなかなか楽しい |
総合評価 | ★★★★☆ | 秀逸な正統派カードゲーム |