先日のボードゲーム初心者向けの10選記事は、Tweetを集計した正直「他人のフンドシ」だったわけですが、1記事でいつもの1か月分以上のアクセス数になるくらいの反響がありました。
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ただ集計した中には「全くの初めてでは難しい気もするけれど、大丈夫かな?」と思えるゲームもちらほら。
ボードゲーム愛好家のTweetが元なので、「ボードゲームって人生ゲームのこと?」くらいの全くの初心者が遊ぶにはハードルが高いゲームもあるのかも。
私が全くの初心者にボードゲームを布教するときは、最初の入り口として「誰でも知っている遊びが、こんなに楽しくなる!」を体験してもらえるゲームを選択するかもしれません。
というわけで、誰でも知っている神経衰弱の進化版ともいえるカードゲーム「メモアァール!(Memoarrr!)」です。
カードをつなげてお宝をゲットしよう
ゲームのテーマと目的
キャプテンゴールドフィッシュが宝を隠した火山島。溶岩が海に流れ込み、あたり一体が噴煙に包まれた島で、宝をみつけて脱出しなければいけません。
メモアールは、直前にめくられたカードにつながるカードをどんどんめくっていくゲーム。カードがつながらないと火山が爆発してアウト。最後まで残ったプレイヤーだけがお宝をゲットすることができます。
内容物
正方形の40枚のカードで構成されています。
地形カード
メモリーゲームのメインで使用する地形カードは25枚。それぞれ5種類の動物が、5種類の背景に描かれています。
火山カード
火山カードは3枚。失敗してしまったプレイヤーが受け取るカードです。火山と1,3,7羽の鳥が描かれています。
お宝カード
勝者がゲットするお宝カードは7枚。片面には宝箱、もう片面には1~4個までのルビーが描かれています。ルビーの数が得点です。
準備
地形カードをシャッフルし、裏向きに5x5の正方形に並べます。並べたあとは中央の1枚を取り除きます。
隙間があいた中央の位置には、7枚のお宝カードをルビーが見えないようシャッフルして重ね、さらにそのうえに火山カードを「プレイヤー数ー1」枚選んで重ねます。
とりのぞいた地形カードと、余った火山カードは使用しませんので、箱にしまっておきます。
各プレイヤーはカードを囲むように座り、正方形に並んだカードの1辺をそれぞれ選択します。そして、中央の3枚のカードをこっそりめくりって、内容を確認します。
この3枚は「自分だけが中身を知っているカード」というわけです。
最後に、お約束のスタートプレイヤーです。火山が登場するということで「一番最近に火山噴火または感情の大爆発に出会った人」がスタートプレイヤーになります。
メモアァール!のルールと流れ
直前にめくられたカードとつながるカードを順にめくっていくことでゲームは進行します。めくったカードがつながらないとラウンドから脱落してしまう負け抜けゲームです。
手番では、好きな位置(最初のラウンドだけは相手プレイヤーの中央3枚のカードはダメです)の地形カードを選んでめくって表にします。
絵柄を確認し、直前にめくられたカードと、「同じ動物」または「同じ背景」であったらセーフです。外れてしまったらアウト、火山カードを受け取りそのラウンドから脱落します。
当たり外れに関わらず、めくったカードは戻さずに次のプレイヤーに時計回りに順番が移ります。
ひとりを除いて脱落すると火山カードが全部なくなりお宝カードが現れます。最後まで残ったプレイヤーはお宝カードを1枚手に入れてラウンド終了です。
引き取った火山カードに描かれている鳥の数が一番多い人が、次のラウンドのスタートプレイヤーです。火山カードを中央に戻し、表になっている地形カードを全部位置を変更せずに裏に戻します。
勝敗
7ラウンド、すなわちお宝カードが全部なくなったったらゲーム終了です。
お宝カードを表に向け、ルビーの数を合計し、一番多かったプレイヤーが勝利します。
洗練された神経衰弱
カードの中身が分からない前半戦は、自分だけが知っている3枚のカードをいかにうまく使うかの戦略と運がものをいいます。
最初の3枚をしっかり覚えていれば、意外と乗り切れることが多いもの。ただし、早々にオープンにしてしまえば、「自分だけが知っている」という優位性がなくなってしまいます。できるだけ温存しておくのも戦略のうちです。
逆に他のプレイヤーのキープしているカードをめくっちゃうというズルい戦法も。「なんで、こっちのカードばっかり開けるんだよ!」強いプレイヤーは早々に丸裸になってしまうことも。
カードが繰り返しオープンになってきた後半ラウンドでは、めくられるカードも増えてきて記憶力がものをいう実力勝負となります。
「にわとりのしっぽ」なんかもそうですが、家族で遊ぶと、後半の記憶力勝負では子供に絶対敵わない!
「背景」と「動物」という2つの情報を覚えるのはなかなか大変なんですよね。わが家では、カードを記憶されてしまう前の前半でいかに宝箱をゲットするかが、記憶力で劣る大人の唯一できる抵抗です(たいていは無駄な抵抗に終わりますが…)。
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トランプの神経衰弱の「序盤はデタラメにめくるだけ」は、最初の3枚で戦略性をもたせることでカバー。「1人が連続でめくるとつまらなくなる」は、手番でめくるのが1枚だけになっているなど、神経衰弱の欠点がすべて解消されている印象。
序盤の運と戦略から、終盤の記憶力勝負に向けて雰囲気が変わりながら収束していく、メリハリあるゲーム展開もなかなか秀逸です。
慣れてくればめくった動物カードによって「カードの位置を入れ替える」「好きなカードの中身を確認できる」などの特殊能力が発現する上級ルールもあり、さらに戦略要素を加えて楽しめます。
2018年のドイツ年間ゲーム大賞に、ノミネートこそされませんでしたが、推奨ゲームとして挙げられていた作品。
メモリーゲームという使い古されたゲームシステムを、ドイツゲームとして洗練させて昇華された良作。子供が大人と対等以上で勝負できるところも重宝しますが、ボードゲームに触れたことがない人に、「ありふれた神経衰弱でもこんなに楽しくなるんだ!」という、魅力を知ってもらうのにもってこいの作品だと思います。
項目 | 公式表記 | コメント |
---|---|---|
年齢 | 8歳以上 | 5歳くらいからできるかも |
時間 | 10-20分 | |
人数 | 2-4人 | |
日本語化 | 不要 | 説明書のみ |
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
ルールの易しさ | ★★★★★ | 誰でも簡単 |
大人も楽しい | ★★★★☆ | 大人も子供も楽しい |
2人でも楽しい | ★★★★☆ | 2人でも楽しい |
総合評価 | ★★★★★ | ボードゲーム初体験にピッタリ |
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- 発売日: 2018/04/27
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