わが家のボードゲーム収納棚。残念ながら、狭いわが家に専用の部屋やスペースはないので、リビングの隅に小さなカラーボックスが1個。
ここに入るボードゲームは、せいぜい15個程度。かつて積み上がったボードゲーム箱でタワーが立ってしまっていた反省から、基本的にこの中に収め、入らないものは納戸にしまうようにしています。
新しく購入したり、「これ、久しぶりに遊びたいな」と奥からひっぱりだしてきたら、入れ替え戦です。
スタメンの決定権は子供が握っているので、子供向けの作品やパーティ系のゲームが優先されるでしょうか。
そんな熾烈なベンチ入り競争に勝って定期的にスタメンに入れる数少ない正統派のカードゲーム、大航海時代をテーマにした交易王(Handelsfürsten/Merchantsです。
大航海時代の大商人を目指せ
内容物
カードゲームとしてはちょっと大きめの箱に、カードが2種類(商品カードと特殊カード)、商品コマ、貨幣チップが入っています。
大きい方の商品カードは取引する商品を示し、塩、胡椒、塩、麻、銅、綿、麻の6種類。
絵柄として交易の風景が描かれていますが、その内容に特段意味はなく、色のみがゲームに関係しています。
キューブ型の商品コマは、各商品に色で対応しています。
貨幣チップは1,5,10の3種類、紙製でちょっとチープな感じです。
準備
商品カードをシャッフルし、手札として各自に3枚配り、さらに6枚を場札として中央にオープンにして並べます。残りは山札です。
特殊カードの中から商船カードを各自2枚ずつ配り、プレイヤーの前に並べます。
スタートプレイヤーを決めたら、順番に最初に積載する商品コマを好きな色から1つずつ選び、各自の商船カードのうえに置いたら準備完了です。
ゲームの流れ
交易船に積み込んだ商品から得られる収入で、手持ち資金を増やしていくのが目的です。
ゲームは時計回りに進行し、手番がくるとアクション1とアクション2の2種類から順番に行動をしていきます。この2種類の行動をとるシステムは、ちょっと珍しいかもしれません。
アクション1
A 交易船の商品入れ替え
交易船に乗っている商品コマを1つ、場のストックの中の好きなコマと入れ替えます。
B 特殊カードの購入
お金を払い、特殊カードを1枚購入します。
C 何もしない
パスです。
アクション2
A 商品カードの補充
商品カードを山札から2枚とって手札に入れます。
B 商品カードを出して決算
手札から商品カードを出1枚し、場札の6枚のうち好きなカードの上に重ねます。
そして、プレイヤー全員がそれぞれの交易船カードに乗せている商品コマの数×場札にある同色商品カード数の収入を獲得します。
例えば銅(赤)が積荷に2つあり、場に同じ色が3枚出ていれば3×2=6点です。
塩(白)を出して白が3枚になり塩(白)の決算です。自分は1品(積荷)×3枚(場札)=3の資金を獲得です。
特殊カード
特殊カードは、最初にもっている交易船の増設を含め4種類。同じものを複数保有することもあります。
いずれもかなり強力な効果をもっています。
船(金10)
追加の交易船です。収入源が増えるので、収入の集中化や分散など、新たな戦略が可能になります。
商館(金8)
手番が終了したら、商品カードを引くことができます。商品カード補充ののためにターンを浪費する必要がなくなるので、毎回決算も可能となります。
荷役(金12)
商品コマをひとつ交換できます。アクション1での交換とあわせれば2つ交換が可能。商品コマを入れ替えて臨機応変な戦略が可能となります。
協定(金11)
決算時に追加で貨幣2をもらえます。自分の決算以外でももらえるおいしい効果。6回決算をくぐればペイできてしまいます。
カードの左肩にある数字が値段です。勝利を左右するレベルの資金を消費してしまうため、費用対効果を見極めての購入が必要です。
行動と勝利条件を消費した特殊カードがあるところは、ロータスなどと、同じですね。
勝敗
商品カードがなくなれば終了です。資金が一番多いプレイヤーが勝利となります。
市場の価格を制したものが勝負を制す
場札の6枚は決算時の収入に影響するので、商品の市場価値を示しています。場に商品カードを出すことで、商品価値を釣り上げたり下げたりコントロールするわけです。
手番では保有する商品コマと同じ色の商品カードを手元から出して決算をしながら、商品価値を高めて多くの収入を得ていくことが基本です。
ただ、相手がいるから一筋縄ではいきません。
例えば、下記のケース
場に藍(青)がすでに2枚あるので、手札からもう1枚藍(青)を出して3金をもらいたいところです。
しかしながら、他のプレイヤーをみると、向かいのプレイヤーも青の商品こまを保有、右横のプレイヤーに至っては2つも青の商品コマがのっています。
相対的な収入を考えると、ここは青カードを出すのは得策ではありません。逆に胡椒(茶)で、場札の藍(青)に重ねて減らす戦術の方が有効かも。
このような、他のプレイヤーとの相対的な価値関係と行動予測をすることが、重要になってくるゲームです。
少人数なら市場の流れをある程度コントロールできますが、人数が増えてくると自分が関与できる要素は小さくなります。なので、最初は少人数から始めるのが流れを理解しやすいと思います。
多人数では、自分から動くだけではなく、他プレイヤーの作った流れにうまく相乗りしつつ、ときに自分が漁夫の利を得ることも考えながらの戦略が勝利につながります。
手持ちの商品カードを増やして選択肢を増やしたいけど、決算をしないと場が他のプレイヤーの色に・・・。金はためておくか、特殊カードを買うか、特殊カードを買うかならどれで攻めるか・・・。相手の動きを考えながら、行動の選択が常に悩ましいです。
カードのイラストは渋めな感じで、子供受けはしないビジュアル。ただ一見難しそうですが、ルールはとってもシンプル。
短い時間のライトなゲームながら、ドイツゲーム特有のジレンマがしっかり感じられ、初心者からボードゲームに慣れた人まで広く楽しめます。
2人から楽しめて万能感が高く、持っていて損はない名作カードゲームです。
項目 | 公式表記 | コメント |
---|---|---|
年齢 | 12歳以上 | 意外に6歳くらいからいけるかも |
時間 | 30分 | |
人数 | 2-5人 | 人数が増えるほど読みあいが複雑 |
日本語化 | ほぼ不要 | 商品名のみ |
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
ルールの易しさ | ★★★★☆ | シンプル |
大人も楽しい | ★★★★★ | アートワークは大人向き |
2人でも楽しい | ★★★★☆ | 2人でも十分楽しい |
総合評価 | ★★★★★ | 安定した面白さの名作 |
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