若者パレッティのライフワークは、天にそびえる建物を作ること。彼の祖父がはじめたものの資金不足で未完で放置されてしまったプロジェクトです。
パレッティもまた資金はないですが、その代わり素晴らしいアイデアがあります。
「おじいさんが下の階に使った古い柱を再利用して上の階を立てるんだ。これなら柱を移すだけだ!」
2002年ドイツ年間ゲーム大賞のヴィラパレッティ(Villa Paletti)。建物建設がテーマのいわゆるバランスゲームです。
「キャプテン・リノ」が2012年にキッズ部門にノミネートしたことはありましたが、大賞を受賞したバランスゲームは後にも先にもこの作品だけだと思います。
bg4kids.hatenablog.com
自分の柱を積み上げて高い建物を作ろう。
内容物
30cm角の大き目の箱には、柱と床をはじめとした木製のコンポーネントが入っています。
●土台ボード
一番下に置くボードです。
●床ボード
建物の各階の床となる、木製ボードです。
●柱
4色×各5本で20本あります。
柱は太さと形が異なっており、太い円柱(3点)、中ぐらいの六角柱(2点)、細い円柱(1点×3本)の3種類があります。
●マスタービルダー証
最高得点者を示すための、木製の4面ダイスです。
●引き抜きフック
柱を抜く補助をするためのフックです。
準備
土台ボードを置き、その上に全部の柱をみんなで適当に立てていきます。
最後に青の床を上に置けば、準備完了です(全部の柱で床を支えている必要はありません)。
ゲームの流れ
順番がきたら、下の階から自分の色の柱のうち好きな1本を選び、柱を下の階から抜き取って最上階に置いていきます。
いったん抜くときめた柱は、途中で変更できません。
ただ、途中で建物が壊れそうになったときは、ストップもできます。その場合、その柱は以降さわれない柱となります。
新しい床の提案
自分の順番で、もう下の階から柱が抜けないと判断した場合は、「床を置きたい」とみんなに提案できます。
床を置く提案に、みんなが賛成してくれれば、そのプレイヤーは柱ではなく次の床を設置します。
「まだ抜けるでしょ」と、提案に反対するプレイヤーがいれば、反対者は提案者の柱を代わりに抜く挑戦をすることになります。
うまく抜くことができれば、抜いた柱は取り除かれもう使用しない柱とします。
一方、代わりに抜くことができなかった場合には、逆に反対プレイヤーの柱をどれでも一本取り除きます。
このゲームでは自分の柱は5本しかなく得点にもなりますので、取り除かれるのは痛いペナルティとなります。
得点
2つ目の床である緑の床が設置されたら、得点のカウントがはじまります。
最上階においた柱の点数の合計が得点です。
まず最上階に柱を置いた人が得点獲得者となり、マスタービルダー証をもちます。他のプレイヤーが最高得点を更新すれば、ビルダー証を自分の色を上にして、引き渡します。
これにより、
「ビルダー証をもっている人=1位」「ビルダー証の色=前回の1位」となります。
最初に青が2点の柱を置きビルダー証をゲット、赤が3点の柱をおき得点を更新したのでビルダー証を青を上にして受け取ります。
終了と勝敗
だれも最上階に柱が置けなくなったときや、建物が崩壊してしまったらゲーム終了です。ビルダー証を持っている人が勝者となります。
ビルダー証を持っている人が建物を壊してしまった場合には、ビルダー証の色が上になっている、前回の最高得点者が勝利します。
戦略要素が加わったバランスゲーム
壊さないように~引き抜いて~上に積んで~高くしていく、ということで、プレイ感はジェンガと似ています。ただ、単にバランスをとりつつ柱を抜いていくのではなく、「抜けるのは自分の色だけ」「最上階においた柱で得点」というルールによって、戦略的要素がプラスされています。ジェンガが好きな人には、より深い面白さが味わえるかも。
どこを抜くかが問題だ。
たくさんあるうちで自分の色の柱はたったの5本。いかに他のプレイヤーの柱に建物を支えさせて、自分の高得点の柱が上の階に置けるよう抜くかという、引き抜きの場所と順番が考えどころです。
柱が多いうちはどこから抜いてもスッと抜けます。しかし、本数が少なくなるにつれ、支える柱が少なくなるとともに、最上階に置かれた柱の荷重がかかってきて、抜くのがどんどん厳しくなくなってきます。
付属されている引き抜き用のフック、「こんなの必要なの?」と、遊ぶ前は思っていましたが、微妙なバランスをとりながら引き抜きをするには、なくてはならないツールです。
アナログゲームにしかできない面白さ。
スムーズに抜けていると思ったら、途中で引っかかってしまったり、木製コンポーネントのサイズの微細なバラツキもアクセントとなり、建物を取り囲むみんなでワイワイ・ハラハラ・ドキドキしながら盛り上がれるアナログゲームならではの魅力が詰まっています。
バランスゲームということで、ルールも簡単で小さい子どもでもすぐ理解できます。しかし、それでいて考えどころもしっかりあり、大人だけで遊んでも楽しいゲームです。
木製ということもあり価格はお高めですが、それにおつりがくる面白さで、老若男女問わず会話しながら楽しめるパーティゲームとしておすすめです。
項目 | 公式表記 | コメント |
---|---|---|
年齢 | 8歳以上 | 5歳くらいなら十分 |
時間 | 20-30分 | |
人数 | 2-4人 |
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
ルールの易しさ | ★★★★★ | 誰でも簡単 |
大人も楽しい | ★★★★☆ | 大人も楽しい |
2人でも楽しい | ★★★★☆ | 2人でも楽しめます |
総合評価 | ★★★★★ | 誰でも遊べるパーティゲーム |

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