夏休み読書感想文宿題の課題図書からの選び方
ボードゲームの紹介が中心のこのブログですが、夏休み時期になると「読書感想文」に関するアクセスが増えてきます。わが家もそうですが、子供にいかに早く宿題を片付けるよう導くかが悩ましいですね。
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読書感想文に取り組むには、まず「読書感想文を書くためにどの本を選ぶか」が大事です。あらかじめ用意される課題図書から選ぶ場合も多いですが、選んだ本によっては読書感想文のハードルがあがるので、親が用意してあげるなら感想が書きやすい本がいいですね。
というわけで、2019年青少年読書感想文全国コンクールの小学生の課題図書を読んでみて、読書感想文の観点でのオススメポイントを書いてみました。
小学校低学年(1、2年生)の課題図書
はじめての宿題となる1年生なら「心ってどこにあるのでしょう」が個人的にイチオシです。
本が好きな子なら「魔女ののろいアメ」が楽しいストーリー展開に楽しめると思います。「ざんねんないきもの」シリーズなどが好きな生き物好きの子なら「モグラはすごい」が興味をわくかと思います。
魔女ののろいアメ(PHP研究所)
著者:草野あきこ・作 ひがしちから・絵
図書館に返す本をお姉ちゃんの分まで持たされたサキは、途中「アメ屋」の魔女から、「のろいのアメ」を20円で買うことになる。
悪口を10個言いながらビンの中身を混ぜると、なめると1日気絶してしまうアメができあがる。
嫌いなお姉ちゃんのことを思い出しながら、アメのビンをかき混ぜていくサキ。でも、おねえちゃんのことを考えるうちに、やさしいおねえちゃん、かっこいいおねえちゃんも現れる。そして出来上がったアメは…。
うちの子供たちも「大嫌い!遊ばない!」とよく言い合っていますが、兄弟姉妹はときに目障りな存在。でも、一緒に遊べる気の置けない存在のときも。
兄弟姉妹がいる子にはとても共感ができるストーリーです。
「怪傑ゾロリ」や「おしり探偵」シリーズよりも多めの文章。低学年向けにしては文字が多いので、ある程度活字に慣れた子向けかもしれません。
・兄弟姉妹がいる子は共感できるかも

- 作者: 草野あきこ,ひがしちから
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2018/10/17
- メディア: 単行本
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スタンリーとちいさな火星人(あすなろ書房)
著者:サイモン・ジェームズ・作 千葉茂樹・訳
お母さんが泊りがけでお仕事。スタンリーは段ボールで作った宇宙船で火星にへ旅立つ。そして火星からはなんとスタンリーそっくりの火星人がやってきた!
火星人は、地球人と違って歯も磨かなければお風呂にも入らないし、同級生と喧嘩もする。だって火星人だから。火星人には地球人のルールは意味がないのだ。
そして、お母さんが帰ってきた。火星人は母国の火星に帰り、かわりにスタンリーが帰ってくる。
「いい子にね」と言われても、ときにはわがまましたくなる子供心と、そしてそれを温かく受け入れる家族を描いた作品です。
スタンリーが火星人になる展開は、いつも「変身」している子は共感できるかも。一方でそんな体験があまりない子には「一体何?」と、理解できずに読み終わる子もいるかもしれません。
・ごっこ遊びが好きな子に

- 作者: サイモン・ジェームズ,千葉茂樹
- 出版社/メーカー: あすなろ書房
- 発売日: 2018/08/20
- メディア: ?
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心ってどこにあるのでしょう? (金の星社)
著者:こんのひとみ・作 いもとようこ・絵
心ってどこにあるのだろう。好きな人に会うと赤くなるから、ほっぺにあるかのかな?うれしいと先に動きだすしっぽにあるのかも。それともかなしいときに涙がでてくる目にあるのかな?
動物たちが「心のありか」について自分の考えを語り合う、ちょっぴり哲学的な絵本です。
読書感想文を書く観点では、低学年では個人的には一番書きやすい本だと思います。
その理由は、「わたしは心が○○にあると思う。その理由は…」のように、自分がこの本の登場人物のひとりとなって意見を述べることが感想文のメインストーリーになりえるからです。

- 作者: こんのひとみ,いもとようこ
- 出版社/メーカー: 金の星社
- 発売日: 2018/04/16
- メディア: 大型本
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もぐらはすごい (アリス館)
著者:アヤ井アキコ・作 川田伸一郎・監修
子供の頃、家の前の道路にモグラがはっているのを見つけ、助けたことがあります。土の中では敵なしのモグラですが、地面に出てしまうと歩くスピードはとっても遅いんですよね。
真っ暗な地面の中でエサを発見できるよう発達した器官や、驚くほど広い巣穴など、土の中で暮らすモグラの生態を分かりやすいイラストで解説した絵本です。
近頃の都会の子だとモグラの穴すら見ることもないですね。誰でも知っている生き物だけれど、土の中でなかなか目にすることもない、謎が多いモグラの秘密に迫る本です。これを読んだらモグラ博士になれそうです。

- 作者: アヤ井アキコ,川田伸一郎
- 出版社/メーカー: アリス館
- 発売日: 2018/05/24
- メディア: 単行本
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・理科や図鑑が好きな子に
小学校中学年(3、4年生)の課題図書
中学年は物語枠が「かみさまにあいたい」「子ぶたのトリュフ」の2冊です。ものがたりが好きで想像力豊かな子は「子ぶたのトリュフ」、学校生活を舞台にした本を好むリアリストな子は「かみさまにあいたい」という感じでしょうか。
理科社会が好きな子には、地域の食文化に触れられる「季節のごちそうハチごはん」。大人が読んでも楽しいです。
文章嫌いな子には、「そうだったのか!しゅんかん図鑑」。これは本というよりは写真集です。ただ写真が中心なので感想文という観点では難しいかもしれませんが…。
かみさまにあいたい (ポプラ社)
著者:当原珠樹・作 酒井以・絵
大好きななおばあちゃんが天国にいってしまった雄一。おばあちゃんのお墓の前で、雄一はクラスメイトの竜也に出会う。
竜也は学校での態度が悪い鼻つまみものだが「神さまとの交信」という秘密を共有するようになってから、二人は仲良くなる。
「女神さまに会いたい」「大好きだったおばあちゃん」心に悲しみを抱えた雄一と竜也の友情と心の成長を描く作品です。
二人の「隠れ家で発見した人骨」「女神の正体」など、ワクワクする展開もあって読み進めやすく、うちの子は1日で読んでしまいました。
・友達が大事なギャングエイジまっさかりの子に

- 作者: 当原珠樹,酒井以
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2018/04/10
- メディア: 単行本
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子ぶたのトリュフ (さ・え・ら書房)
著者:ヘレン・ピータース・文 エリー・スノードン・絵 もりうちすみこ・訳
牧場に住んでいて動物が大好きなジャスミン。11匹の豚が産まれたカーターさんの農場で、他の豚よりもずっと小さな12匹目の赤ちゃん豚を見つける。
「母乳が飲めない子は自然にまかせる」と冷たく言い放つカーターさん。このままでは子ぶたが生きられないと思ったジャスミンは、こっそり連れ帰ってしまう。
トリュフとなずけたその豚をジャスミンは一生懸命育てる。父は相変わらず家畜としかみないが、トリュフは元気に育ち、臭いでものを探せるようになる。
農場での暮らしが頭に浮かんでくる、ハートフルなストーリー。生き物を育てたことがある子にはジャスミンのトリュフへの愛情に共感できるのではないでしょうか。
・ほのぼのした話が好きな子に

- 作者: ヘレンピータース,エリースノードン,Helen Peters,Ellie Snowdon,もりうちすみこ
- 出版社/メーカー: さえら書房
- 発売日: 2018/01/16
- メディア: 単行本
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そうだったのか!しゅんかん図鑑(小学館)
著者:伊知地国夫
シャボン玉が割れる瞬間、コップの水が溢れる瞬間、ミルクが水面に落ちた時にできるミルククラウンなど、いろいろな瞬間をハイスピードカメラでとらえた写真集です。「こうなっていたのか!」と、意外な写真にあっと驚くこと請け合いです。
NHKの「みーつけた!」の「みるみるメガネ」というコーナーも似たようなコンセプトですが、いつも見ているなにげない風景のある瞬間を切り取ると、別世界が現れるのは本当に不思議です。
ただし、「わぁ、すごい!」という感想になってしまうので、ここから作文に展開するのはちょっと難しいかもしれません。
・理科が好きな子に

- 作者: 伊知地国夫
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2018/02/07
- メディア: 単行本
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季節のごちそうハチごはん (ほるぷ出版)
著者:横塚眞己人・写真と文
岐阜県の山間部では「ヘボ」と呼ばれるクロスズメバチの幼虫を食べる習慣があり、その食文化をまとめた本です。
ハチを追いかけて巣を見つけ、巣を持ち帰って育て、それを調理して食べる。印象的なのは「ヘボには『追う』『育てる』『食べる』3つの楽しみがある」というフレーズ。ただ食べるだけではない豊かな食文化に圧倒されてしまいます。
昆虫食といえばイナゴくらいしか食べたことはありませんが、写真での生き生きとした様子に、一度食べてみたいと思いました。
・社会が好きな子に

- 作者: 横塚眞己人
- 出版社/メーカー: ほるぷ出版
- 発売日: 2018/09/26
- メディア: 大型本
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小学校高学年(5、6年生)の課題図書
高学年ともなれば、自分の好みがはっきりしているため、2冊のみご紹介。
とにかく字を読むのが苦手な子は、高学年なのに絵本が課題図書の「かべのむこうになにがある?」が、文章は少ないのに考えさせられる本なのでのでてオススメです。
とてもいい本だと思いますが、薄っぺらい感想だと「読むのが面倒だからこの本にしたの?」と言われてしまうかもしれませんけどね。
かべのむこうになにがある? (BL出版)
著者:ブリッタ・テッケントラップ・作 風木一人・訳
「かべの向こうには一体なにがあるのだろう」知りたがり屋のねずみは、動物たちが住む場所をぐるりと囲む赤い壁の向こうの世界に思いをはせる。
いつ誰が作ったかもわからない壁。「かべはあたしたちを守ってくれるのよ。外にはこわいものがいっぱいあるから」「むずかしいことを考えるのはやめろよ。そうすりゃハッピーになれる」「かべのむこうになんて、なにもない。闇だ。はてしない闇だ」みんなはそういう。
ある日、壁の向こうからやってきた鳥の背に乗って壁の向こう側に行ってみると、素晴らしい世界が。そして、壁の内側に戻ってくるともっと不思議なことが。
鳥の「ほんとうのものをみるゆうきがあればかべはきえる」というセリフが印象的。読書感想文を書く際「私にとって壁とは何だろう」「もしその壁がなくなったらどんな世界だろう」を意識すると書きやすいと思います。

- 作者: ブリッタ・テッケントラップ,風木一人
- 出版社/メーカー: ビーエル出版
- 発売日: 2018/03/05
- メディア: ?
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もうひとつの屋久島から:世界遺産の森が伝えたいこと (フレーベル館)
著者:武田剛・著
新聞社をやめて屋久島でルポライターとして暮らす著者の屋久島の自然を描くノンフィクション作品。
樹齢数千年と言われる屋久杉をはじめ、豊かな自然で有名な屋久島。日本ではじめての世界自然遺産に登録された屋久島ですが、登録からそう遠くない昔まで、森林が国の主導で伐採されてきた悲しい歴史があったそうです。
古代文明時代から生きながらえてきた木が、人間の私利私欲のために伐採されてきたとは!あの自然豊かな屋久島の森が、一歩間違えば絶滅していたかもしれない。知られざる屋久島の今と昔を学べる、大人が読んでも読みごたえがある本です。
・環境問題に関心がある子に

もうひとつの屋久島から―世界遺産の森が伝えたいこと (フレーベル館ノンフィクション)
- 作者: 武田剛
- 出版社/メーカー: フレーベル館
- 発売日: 2018/03/01
- メディア: 単行本
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感想文を書くにあたっては、できれば複数冊から選ぼう
私は子供に読書感想文に取り組ませるにあたっては、本を決め打ちするのではなく、必ず複数読ませるようにしています。
先に本を一冊決めてしまうと、興味を持てない本だった場合に苦労するんですよね。また、「本としては面白かったけど感想文は書きにくい」という本もあります。こんな場合、子供にとっては苦痛でしかありません。
財布は痛いですが、本を複数冊買ってきたうえで読んでもらいます。そして、まずワークシートに短い感想を箇条書きします。そのシートをみて最終的に書きやすい1つを選んで原稿用紙に書いていく流れです。
うちの子は最近「ふしぎ駄菓子屋銭天堂」シリーズがお気に入り。普段はシリーズものばかり読んでいます。
読書感想文の課題図書は、どうやって選定されているのか知りませんが、知らない作家さんが多いんですよね。宿題がきっかけではありますが、これ通じて読む本は、新しい本への出会いだと考えて、なるべくたくさんの本に触れてもらおうと思っています。