第1回アテナオリンピックから現在までずっとオリンピックの正式種目のヨーロッパの伝統的競技フェンシング。このフェンシングがテーマの2人専用ボードゲーム「アンギャルド(En Garde)」です。
初版のリリースは1993年とちょっと古いですが、アンギャルドは巨匠ボードゲームデザイナーのライナー・クニツィア氏が手がけた多数の2人用ゲームの中でも傑作の呼び声が高い作品です。
一撃必殺のフェンシング勝負
テーマと目的
アンギャルドはフェンシング対決のボードゲーム。真剣勝負で5ポイントを先取を目指します。
相手との間合いをとりながら、必殺の一撃を繰り出しましょう。
内容物
箱の中には、四つ折りのゲームボードとカード。白黒に分かれたプレイヤーコマと得点コマが入っています。
カードは1〜5までの数字が記載されたカードが各5枚。5x5=25枚と枚数としては少なめです。
準備
ボードを広げ、両端にプレイヤーコマを置き、得点0のところに得点コマをおきます。
カードをシャッフルして5枚ずつ配って残りを山札とし、先攻を決めて準備完了です。
アンギャルドのルールとゲームの流れ
交互にカードを出していき移動・攻撃をしていきます。相手への攻撃が成功すると1ポイント。5ポイント獲得を競います。
手番では、手札からカードを出してアクションをし、その後5枚になるまで手札を補充して手番を交代します。
移動の場合は出すカードは1枚。カードの数字と同じマスを前または後ろに移動することができます。
相手までの距離と同じ数字のカードをだせば攻撃です。攻撃の場合は手札から同じカードを複数枚出すことで、攻撃力アップもできます。
攻撃されたプレイヤーは手札を使って防御ができます。攻撃側が出したカードと同じ数字で同じ枚数のカードを出すことができれば、受け流し成功で攻撃を無効にできます。
受け流すことができなかったプレイヤーはポイントを取られラウンド終了です。得点コマを進めカードとプレイヤーコマをリセットして次ラウンドです。
勝敗
5ラウンド先取したプレイヤーが勝利です。
ゲームシステムとフェンシングのテーマがマッチ。
間合いをとりながら、ここぞというところで一撃!うかつに相手の間合いに入るとやられるので、バックして間合いをとりながらここぞというところで一撃を繰り出します。
最初のうちの攻撃は運任せになりますが、間合いをとってお互いに牽制していると、出されたカードから残りのカードが絞られてきてどんどんシビアな勝負になってきます。
同種のカードは5枚しかないので、3枚集めれば防御不能の必殺の攻撃。ただ、同種のカードをキープすると手札が圧迫され移動や防御の自由度がなくなり攻撃前にやられるリスクもあって悩ましいです。
間合いをとって一気に攻撃する静と動の緩急が、本物のフェンシングのよう。実際のフェンシングも(やったことはないですが)相手の出方を見極めながらの駆け引き・心理戦で似ているかも。ゲームでポイントを取った時にはフェンシングのブザーが脳内で再生されます。
クニツィア氏のゲームはシステム重視のものも多く、とってつけたようなテーマのボードゲームも多いのですが、本作はテーマがゲームとベストマッチしています。
多くの要素が入ったゲームが好きな人には味気ない印象を受けるかもしれませんが、研ぎ澄まされたシンプルルールで楽しめる2人用ゲームの傑作です。
項目 | 公式表記 | コメント |
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年齢 | 8歳以上 | 6歳くらいから |
時間 | 20分 | |
人数 | 2人 | |
日本語化 | 不要 | 説明書のみ |
項目 | 評価 | コメント |
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ルールの易しさ | ★★★★☆ | シンプル |
大人も楽しい | ★★★★★ | 大人向け |
2人でも楽しい | ★★★★★ | 2人専用 |
総合評価 | ★★★★☆ | まさにフェンシングの傑作 |