2018年のドイツ年間ゲーム大賞に複数作をノミネート。ほぼ無名から一躍有名となった新進気鋭のボードゲームデザイナー、ウォルフガング・ウォルーシュ(Wolfgang Warsch)氏のカードゲーム「イリュージョン(illusion)」です。
「イリュージョン」という言葉から、マジックを連想をしてしまう私はちょっと発想が古いでしょうか。
タイトルのイリュージョンは、マジックでも幻想でもなく、「錯覚」という意味。錯覚をうまく使ったゲームとなります。
※前回「おばけの試験」の予定と書いていましたが、画像ファイルをなくしてしまったので、また改めて仕切り直しをします。
どっちが広い??カードを並べよう
内容物
小箱サイズのケースに入っているのはカードのみ。けっこうギッシリ詰まっています。
カードは2種類。各ラウンドのお題になる矢印カード。赤、青、黄、緑4色の矢印が3枚ずつ計12枚入っています。
ゲームのメインで使用するイリュージョンカードは98枚。片面には4色で様々絵や文字、幾何学模様が描かれており、反対面にはその絵柄について各色何%ずつ使用されているか色の面積が記載されています。
準備
矢印カードをシャッフルし、一枚めくって場に公開します。この矢印カードの色が重要。今回のラウンドの色になります。
イリュージョンカードはシャッフルして、カラフルな面が上になるようにして、山札とします。
一番上のカードが最初の場札です。めくって矢印カードの横におきます。
スタートプレイヤーを適当に決めれば準備完了です。
イリュージョンのルールとゲームの流れ
山札から順番にカードをめくり、昇順に並べていくことが目的です。スタートプレイヤーから時計まわりに進行します。
手番でやることはとっても簡単。カードをとって面積がせまい順になるように並べるだけ。
山札の一番上のカードを手にとり、そのカードを矢印が指定する色で面積が昇順になるよう既にあるカードの右または左側に置くことになります。
複数枚並んでいるカードの間に挿入することもできますが、すでに並んでいるカードの順番を変えることはできません。
もし、自分の番がきたときに、すでに場札が昇順になっていないなと思ったら、カードを並べるかわりに「ダウト」と宣言することができます。
ダウトが宣言されたらラウンドは終了です。場札をオープンにし、昇順になっているかを確認します。
もしカードが昇順に並んでいなければ、ダウトした手番プレイヤーの勝利、昇順でダウトが誤りだったら、ダウトを宣言された前の手番のプレイヤーの勝利です。勝ったプレイヤーは、得点として、そのラウンドの矢印カードを獲得します。
勝敗
誰かが矢印カードを3枚獲得したらゲーム終了。そのプレイヤーが勝者です。
自分の感覚は合っている?みんなが置いたのは合っている?
明らかに面積が違うカードはわかるのですが、微妙なものは正直いくら考えてもわかりません。
自分の判断は正しいのか、はたまた錯覚なのか…
他のプレイヤーの置いたカードも当然怪しいもの。「よくわからないけど誰かは間違っているかも」という発想でダウトにいくのも戦略です。
さて、上記のカード、各色がどんな順番にならんでいるかわかりますか?
カードの反対側はこちら。意外と自分の感覚ってあてにならないんですよね。
ダウトを宣言されなければ間違っていてもOK。なので内心は自信なくとも、いかにも分かっている風にカードを出すのも作戦のうち。
場のカードが4枚、5枚と増えてくると、「自分が出すのと、ダウトをするの、どちらがリスクが高いだろうか」と悩ましくなってきます。
個人的に、イリュージョンの最大のウリは、手札がなく場札だけで完結すること。
場札も5、6枚で大抵ダウトがかかるので、テーブルスペースもとりません。なので、車中などの狭い場所で遊びたい場合にもってこい。
先日も新幹線の座席テーブルで遊びましたが、誰でもわかるシンプルさと相まって、旅行のお供などすきまで活躍できる使い勝手の良さがポイントです。
このたび日本語版が出て手に入りやすくなりました。出されたカードを囲みつつ「え〜、こっちの方が多いんじゃない?」と、ワイワイ楽しめるパーティゲームです。
項目 | 公式表記 | コメント |
---|---|---|
年齢 | 8歳以上 | 数字の大小が理解できれば小さくとも |
時間 | 15分 | |
人数 | 2-5人 | |
日本語化 | 不要 | 説明書のみ |
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
ルールの易しさ | ★★★★★ | 誰でも簡単 |
大人も楽しい | ★★★★☆ | 子供も大人も楽しめる |
2人でも楽しい | ★★★☆☆ | 2人でも楽しめる |
総合評価 | ★★★★☆ | 旅のおともにもってこい |
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