2019年のフランス年間ゲーム大賞にもなった、注目のボードゲームデザイナー、ウォルフガング・ウォルーシュ(Wolfgang Warsch)氏の一風変わったテイストの協力型カードゲーム「ザ・マインド(The mind)」です。
テレビ番組「タウンダウンのガキの使いやあらへんで!」の企画「世界のテーブルゲームで遊び尽くせ!!第4弾」に「ベルズ」などと共に登場してますね。しゃべらないゲームがまさかテレビに登場するとは・・・。
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息を合わせてカードを出そう。でもしゃべってはダメ!
内容物
小箱サイズの箱にはカードのみ。
数字カードは、1〜100までの100枚です。数字以外の記載はありません。
プレイヤーたちの命綱であるライフカードは5枚。助っ人効果をもたらす手裏剣カードは3枚あります。
準備
まずプレイヤー数に応じたライフカードを用意してテーブル中央に置きます。2人なら2枚、3人なら3枚、4人なら4枚です。プレイ人数にかかわらず手裏剣カードは1枚で、こちらもテーブルの上です。
数字カードはシャッフルし、レベル1の手札として各プレイヤーに1枚ずつ裏向きで配り準備完了です。
ザ・マインドのルールとゲームの流れ
場にカードを小さい数から順番に出していき、みんなが手札を出し終わったらレベルクリア。高いレベルの到達を目指す協力ゲームです。
順番はありません。自分の手札をみて、自分が一番小さいと思う人からカードをおもむろに出していきます。
カードを出すにあたっては、お互いの手札を見せたり、話し合いをしたり、ジェスチャーやサインを含め、コミュニケーションは一切禁止です。
もし場に出されたカードより小さい数字のカードを持っていてカードを出しそびれてしまったらアウト。場札より小さいカードをもつプレイヤーはストップを宣言しなければなりません。
アウトとなればゲームを一時中断し、場札より小さい数をもっているプレイヤー全員が当該カードを捨てて、代償としてライフカードを1枚失います。
手裏剣カードの使用
このゲームで唯一会話ができるタイミング、それが手裏剣カードを使用する判断のときです。
ゲーム中は会話禁止ですので、手裏剣カードの使用は、提案をしたいプレイヤーが手を挙げることで行われます。いったん中断して、手裏剣カードの使用を話し合います。このときのみ会話可能です。
もちろん、手札の状況など、手裏剣カードの使用以外のことを話してはいけません。
手裏剣カードの使用がきまったら、手裏剣カードを1枚捨て、プレイヤー各自が手札のなかで一番小さいカードを捨てることができます。
コミュニケーションをとるがうまくいかずアウトになりそうな局面で、使用するわけですね。
レベルクリアとゲームの終了
全員が手札を出し終わったらレベルクリアです。次のレベルカードを公開します。
レベルカードによっては、ライフの回復、手裏剣カードの獲得の、クリアボーナスが獲得できます。
場にある番号カードをもどしてシャッフルし、新たなレベルに応じた手札(レベル2なら2枚)を配り、次のレベルをスタートします。
なお、ライフカードがない状態で失敗したらゲームオーバーです。到達したレベルがみんなの成果となります。
意識をシンクロさせろ!
昔のファミコンソフトに「マインドシーカー」という超能力者養成を銘打つとんでもない運ゲームがありました。私は最初ザ・マインドもそんな運だけのゲームかと思っていましたが、全くそうではありません。
数字のみのカードで構成され、カードを出し切るのが目的の協力ゲームなので、ザ・ゲーム(The game)と見た目は似ていますが、遊んでみるとテイストが全く違うことが分かります。
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他のプレイヤーのカードを把握するためのヒントはゼロ。そんな状況で、どうやって順番にカードが出せるのか…。
ところがどっこい、なんとか出せるんですよね。
「遊んだことがない人に『秘密』を言わないでください。」とマニュアルにはありますので、多くを語ることはできません。
あえていえば、感覚のシンクロ。夫婦や恋人同士で会話して同じ言葉が同時にでて「こんな言葉が同時にでるなんて!」と、うれしくなるときがあります。そんなような思考を同期させる感覚でしょうか。
会話を全然していないにもかかわらず、レベルクリアできたときは、すごく一体感があります。「最後から2番目のカード、あぶなかったよね。」「私が先に出そうと思っていたからギリギリだった!」など、これまで黙っていた分、会話が盛り上がります。
話をせずに意識をシンクロさせるということで、言外のやりとりを重視する日本人の気質にも合っているゲームではないかなと思います。
ひとつマイナス面があるとすれば、基本会話がないので「はたから見ていて面白そうではない」ところ。
先日、車のディーラーで点検待ちをしながらテーブルで子供と2人で遊んでいましたが、「2人で向き合い『う~ん』とうなって何をやってるのだろうか」と怪訝に思われたようです。
面白さを文章で伝えるのが難しいところも残念な点です。
戦略や計算、記憶力は一切不要。正統派なボードゲームではないこともあり、好き嫌いはあると思いますが、新感覚のこのゲーム、遊んだことがない人は損しているかも。
ぜひ一度遊んでみてほしいオススメカードゲームです。
※「ガキ使」効果で流通が細くなり、価格が値上がりしているようですので、購入に際しては価格にご注意を。
項目 | 公式表記 | コメント |
---|---|---|
年齢 | 8歳以上 | 6歳くらいでもできるかも |
時間 | 20分 | |
人数 | 2-4人 | |
日本語化 | 不要 | 説明書のみ |
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
ルールの易しさ | ★★★★★ | 誰でも簡単 |
大人も楽しい | ★★★★★★ | 大人も子供も |
2人でも楽しい | ★★★★☆ | 2人でも楽しめます |
総合評価 | ★★★★★ | 新感覚のカード |

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