値段が下がるダッチオークションとは
オークションといえば、普通は価格がどんどん上がっていくのをイメージしますが、値段が下がっていくオークションがあるのを知っていますか?
競り下がるオークションはダッチオークションと呼ばれます。対する普通の競り上がりはイングリッシュオークションです。
ダッチオークションは売り手の希望の高値からスタートし、まるでバナナのタタキ売りのように10、9、8と値段が下がっていきます。そんな中で、買い手は買いたいと思う価格で入札していきます。
価格が下がっていくなら、誰しも安くなるのを待つから低価格になると思いきや、そうではありません。
他人を上回る価格で入札すれば競り勝つイングリッシュオークションと異なり、ダッチオークションでは、最初に札を入れた人が即落札です。
値段が下がるのを待っているとライバルに取られてしまうので、早めの入札をしなければ獲得できません。チャンスが一回のスピーディさとスリリングさが特徴なわけですね。
ダッチオークションのダッチはオランダを指しますが、チューリップをはじめ生花市場において、小ロット商品をスピーディにさばくために使われたシステムといわれています。
さて、本日は、ダッチオークションのような競り下がるシステムが特徴のスパ帝国デザインのカードゲーム「翡翠の商人(Merchants of Jade)」です。
フェアな交易品の分配で得をするのは誰?
テーマと目的
あなたは隊商の長。翡翠や香辛料、書物などの様々な交易品を買い付けています。
交易で手に入れた交易品は、協議して分配することになりますが、分かち合うパートナーたちは財産を奪い合う競争相手でもあります。
財産につながる交易品を上手に集め、ライバルを出し抜いていきましょう。
内容物
箱の中にはカードが56枚。カードは翡翠カード(12枚)、金カード(8枚)、贋金カード(6枚)、香辛料カード(14枚)、書物カード(16枚)で構成されます。
準備
カードをシャッフルして裏向きの山札として中央に置きます。スタートプレイヤーを適当にきめれば準備完了です。
翡翠の商人のルールとゲームの流れ
8枚の交易品カードを分配するラウンドを7回繰り返し、得られる得点を競います。
各ラウンドでは、山札から8枚のカードをめくってオープンにし、それを競りで分配していきます。
スタートプレイヤーから、「3枚!」のようにカードを何枚獲得したいかを宣言します。
次のプレイヤーは、「2枚!」のように前のプレイヤーよりも少ない枚数を宣言するか、「パス」を宣言します。
さらに「2.5枚」というように少数点での宣言もできます。この場合の端数は自分の場札から1枚カードを返却すること。これにより獲得枚数を0.5減らすことができます(ただし贋金カードは戻せません)。例えば2.5枚だと、3枚獲得し1枚カードを場に返却するわけです。
最後に宣言したプレイヤー以外がパスすると、一番少ない宣言のプレイヤーが落札し、宣言した枚数のカードを獲得します。獲得したカードは自分の前に公開します。
続いて、残りのプレイヤーで再度競りを開始し分配を繰り返していきます。最後のひとりは残ったカードを全部獲得し、ラウンド終了します。
交易品カードの得点
交易品カードには、それぞれ特色があり、獲得できる得点条件が異なります。特徴を押さえて効率的に集めていきましょう。
金カード
金は額面がそのまま価値。カードに記載の数字がそのまま得点になります。
贋金カード
贋金は目立たない限り金と同じ価値。数字が得点となりますが、金カードの合計よりも多いと0点です。
翡翠カード
翡翠は買い集めるほど価値が高くなります。集めた枚数に応じて得点が増えていきます。
香辛料カード
香辛料は獲得シェアが大事。集めた香辛料の価値が一番のプレイヤーが24点、2番が12点、3番が6点となります。
書物カード
書物はそろわなければ価値が目減り。ABCDの4枚セットが揃えば20点が獲得できます。
勝敗
山札がなくなる7ラウンドが終了したら得点計算をし、最高得点のプレイヤーの勝利です。
競りゲームの入門に。
好きなカードを手に入れるには、少ないカードの宣言が必要。少ない交易品を厳選して集めるか、たくさん集めるか悩ましいです。
オークションなので、プレイヤー同士の狙いがかぶってしまうと競り合いに。いい交易品があると、たった「2枚」の競りが成立するのもなかなか難しいです。
獲得したカードはオープン。最初は手探りでのカード獲得ですが、ラウンドが進むほど攻める方向性が定まってきて、みんなの思惑が交錯します。
最小の入札枚数は「0.5枚」1枚返して1枚もらって増減なしですが、場に不要なカードが多いとこれでも成立します。
それにしても、「一番少ない個数を宣言した人が優先的にとれる」というやり方は、、価値が異なるものを公平に分配する手法として実生活に使えるかも。
アナログゲームならではの駆け引きが楽しい競りゲームの入門編として、短時間で適度なジレンマが楽しめる作品です。
項目 | 公式表記 | コメント |
---|---|---|
年齢 | 10歳以上 | |
時間 | 20分 | |
人数 | 2-5人 | |
日本語化 | 不要 | 日本語版 |
項目 | 評価 | コメント |
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ルールの易しさ | ★★★★☆ | 誰でも簡単 |
大人も楽しい | ★★★★☆ | 大人向け |
2人でも楽しい | ★★★☆☆ | 2人でも楽しめる |
総合評価 | ★★★☆☆ | 競りゲームの入門に |

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