1999年の発来から20周年のロングセラー。2008年ドイツボードゲーム大賞の「ケルト」の原型にもなった、探検がテーマの2人専用カードゲーム「ロストシティ(Lost Cities)」です。
ロストシティの概要~5つの秘境を探検だ!だけど探検にはコストが…
ゲームのテーマと目的
極寒のヒマラヤ、アマゾンのジャングル、広大な砂漠、古の火山、ネプチューンの棲む海底。前人未踏の5つの地域には、探検家が求める古代都市があるという。
残念ながら探検にはコストがかかり、5つ全部を探検していると間違いなく失敗に終わるであろう。
探索先をひとつに絞れば失敗はないが、勝利もない。限られたリソースのなかでどこを挑戦しどこをあきらめるかを選択し、名声を手に入れるのだ。
ロストシティは、秘境を模した5色の探検カードを出していき、名声ポイントを集めるのが目的のカードゲームです。
内容物
ロストシティで目をひくのはなんといってもカードの大きさ。かなり大ぶりです。ナンジャモンジャのカードを隣に並べてみましたが、面積で2倍くらいあるでしょうか。
カードは数字が書かれた探検カードが2~10の9枚と、握手のマークの投資カードが3枚。各色12枚×5色で60枚のカードで構成されます。
派生作に「ロストシティボードゲーム」という作品があるため、本作はカードゲームの位置づけですが、ゲームボードがあります。
まぁゲームボードというよりはカード置き場。5つの秘宝のありかを模して5色に描かれています。
準備
ゲームボードを中央におき、ボードを挟んで向かいあうように座ります。
カードはシャッフルし、手札としてプレイヤーに8枚ずつ配ります。年長者がスタートプレイヤーです。
ロスシティのルールとゲームの流れ
5色の捨札置場であるゲームボードをはさみ、それぞれのプレイヤーの側が場札を並べる場所。そこに該当する色のカードを並べることで得点を獲得していきます。
手札から「A)場にカードを並べる」「B)カードを捨てる」のどちらかの行動を選択し、その後「手札の補充」をする流れで交互に進行します。
A)場にカードを並べる
手札から1枚選択し、新規あるいは既存のカードに続けて場に並べます。新規の列をつくる場合は、その時点で探検コストとしてマイナス20点が発生します。
既存のカードに続けて並べる場合には、最後に置いたカードよりも大きいカードしか置けません。つまり、カードは昇順に並べていきます。
5色の探検カードは2~10までの数字が描かれていて、数字は得点、すなわち大きいほど高得点のカードです。
握手のシンボルが描かれたカードは投資カード。探検に先立ちスポンサーに出資をしてもらう意味合いで、投資カードは探検カードより先に置かなければなりません。
投資カードを並べた列の得点は2倍、複数枚並べると得点が3倍、4倍になります。ただし、列の合計得点がマイナスの場合、マイナスも2倍、3倍となるから要注意です。
B)カードを捨てる
カードを捨てる場合には、中央のボードの該当する色の場所に重ねていきます。捨て札置き場はプレイヤー共通です。
カードの補充
手札からカードを出しおわったらカードの補充です。
補充するカードは山札または各捨て札の一番上のカードから選ぶことができます。山札は裏向きですので何が出るかはわかりませんが、捨て札は公開されているので、好きなカードを選べるわけです。
勝敗
山札がなくなったら、その時点でゲームは終了となります。
列ごとに場札を合計し、カードが出ている列は探検コストをマイナス、投資カードの効果を適用します。高得点のプレイヤーが勝者です。
黄 | 青 | 白 | 緑 | 赤 | |
---|---|---|---|---|---|
探検カードの得点 | 0 | 19 | 36 | 25 | 0 |
探検コスト | 0 | -20 | -20 | -20 | 0 |
投資カード | X2 | ||||
合計得点 | 0 | -1 | 16 | 10 | 0 |
手札が常にいっぱいいっぱい。悩ましさたっぷりのカードゲーム。
「どの色まで手を広げるか」が悩ましい。探検コストはマイナス20。いろいろな色に手を出しても、20点以上獲得できないと得点はマイナスです。
さらに厳しいのが8枚の手札のやりくり。カードの数が得点なので10や9などの数字が大きいカードは確保したいところですが、昇順の出番までは手札に入れておかなければいけません。
「もう持ちきれない!8だけど出す!」「うわ、6と7が来た!」と、出したらすぐに小さいカードが来たり、捨て札が相手に塩を送ることになったり、悩ましさ抜群です。
相手が欲しいカードをキープすれば邪魔もできますが、正直そんな余裕もありません。8枚の自分の手札マネジメントに苦しみます。
並べる色を絞ってしまえば楽なのですが、相手にとってはカード取り放題の色を与えることに。
こちらが楽すりゃ相手も楽。集める色が競合した場合のように、こちらも苦しければあちらも苦しい。相手をやっつけるというよりも、自分との戦いをしながらそれが得点につながる感じです。
ロストシティ→ケルト→ケルトカードと発売されていますので、ケルトのカードゲーム版「ケルトカード」とはプレイ感はかなり似ています。
www.boardgamepark.com
ただやはり2人専用ゲームとして最適化されているだけに、2人で遊ぶにはロストシティに軍配があがるかも。
ボードゲームの巨匠ライナー・クニツィア氏の作品らしい、ジレンマのたっぷり効いたゲーム。2人専用のカードゲームでは、外せない名作のひとつです。
項目 | 公式表記 | コメント |
---|---|---|
年齢 | 10歳以上 | 8歳くらいからできるかも |
時間 | 30分 | |
人数 | 2人 | |
日本語化 | 不要 | 説明書のみ |
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
ルールの易しさ | ★★★★☆ | 比較的簡単 |
大人も楽しい | ★★★★☆ | 大人が楽しい |
2人でも楽しい | ★★★★★ | 2人専用 |
総合評価 | ★★★★☆ | ジレンマたっぷり名作2人用ゲーム |
ロストシティ (Lost Cities) 完全日本語版 ボードゲーム
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