シャーロックホームズと切り裂きジャックの対決がテーマの、2人専用ゲームミスタージャック・ポケット(Mr. Jack Pocket)です。
タイトルにポケットとついているのは「ミスタージャック」というボードゲームのコンパクトバージョンの位置づけのため。
シャーロックホームズと切り裂きジャックの対決の行方は?
テーマと目的
19世紀のロンドンを騒がせた連続殺人鬼「切り裂きジャック」。
名探偵ホームズと助手のワトソン、愛犬トビーは、切り裂きジャックをホワイトチャペル地区の路地へと追い詰める。ジャックは9人の人物のひとりに変装している。
ホームズたちにかかれば巧みな変装も見破れるだろう。ホームズたちはジャックみつけて正体を暴き、逮捕できるのか。それとも捜査の手をすり抜けジャックが逃げ切るのか…。
ミスタージャック・ポケットは、「探偵」と「犯人」に分かれ、探偵はジャックの正体を特定すること、ジャックは時間まで逃げきることを競う非対称な2人用ゲームです。
内容物
コンパクトな箱(といってもポケットに入れるには少々大きいですが)の中には、タイル、カード、各種のトークンが入っています。
9枚を組み合わせてゲームボードにするのがストリートタイル。両面に路地と片面には容疑者が描かれています。
容疑者を示すのがアリバイカード。こちらも9枚です。
トークンについては、プレイヤーの選ぶ行動を示すアクショントークンが4枚。ラウンドと時間をカウントする時間トークンが8枚。探偵の位置を示す探偵トークンが3枚です。
準備
9枚のストリートタイルを、容疑者面が上になるように3x3の正方形に並べます。
探偵トークンは、ホームズを左上のストリートタイルの左、ワトソンを右上のストリートタイルの右、トビーを中央下のストリートタイルの下に配置します。
時間トークンは番号順に脇に並べてラウンドがわかるようにします。
どちらが探偵、犯人になるか役割を決めたら、犯人側は裏返しにしたアリバイカードから1枚を引いて密かに確認します。この人物が探偵側が探すことになるジャックの正体です。
残りのアリバイカードを山札としてテーブルに重ねて準備完了です。
ミスタージャック・ポケットのルールとゲームの流れ
8ラウンドのなかで、探偵側は犯人を特定すること、犯人は時間トークンを集めて逃げ切ることが目的です。
ラウンドは、1人2回で4回のアクションから成る犯人捜査フェイズと、容疑者を特定する目撃証言フェイズの2段階に分かれます。
犯人捜査フェイズ
犯人捜査フェイズでは、場に出ているアクショントークンのなかから好きなものを選び、2回の行動を実行します。
奇数ラウンドでは探偵が先手、偶数ラウンドは犯人が先手。先手プレイヤーはアクショントークンを放り投げて、今回とれるアクション4つを決めます。
アクショントークンをとる順番は、先手ー後手ー後手ー先手の順。順番に好きなアクショントークンをとり行動します。
ホームズ、ワトソン、トビーが描かれたトークんは移動アクション。時計周りに当該トークンを1歩または2歩移動させます。
3種が描かれたトークンはジョーカーです。好きな探偵トークンを1歩(ジャックのときは動かない選択も可)時計回りで動かします。
タイル回転では好きなストリートタイルをえらんで回転。タイル交換ではストリートタイルを2つ選び向きを変えずに交換します。
虫眼鏡つきカードが描かれたトークンはアリバイカード。アリバイカードを山札から1枚引きます。ひいたのが探偵ならシロの容疑者がひとり判明。ひいたのが犯人ならカードをもらい、砂時計の数が稼いだ時間となります。
目撃証言フェイズ
4回のアクションが終了したら目撃証言フェイズです。犯人が探偵側の3人に目撃されたかどうかをチェックします。
目撃されたかどうかは、探偵側からストリートタイルに向かって障害物なしに視線が通っているかどうか。
上の場合、ホームズ、ワトソンは2人を目撃。トビーは壁に阻まれて目撃できずという状況です。
犯人側のプレイヤーは、探偵側から目撃された人物のなかにジャックがいるかを正直に宣言します。
「ジャックが目撃された」場合、探偵の視線にない容疑者はシロです。視線から外れたストリートタイルを裏返します。さらにそのラウンドの時間トークンを探偵が受け取ります。
「ジャックが目撃されなかった」場合、探偵の視線にいる容疑者はシロです。当該ストリートタイルを裏返します。さらにそのラウンドの時間トークンを犯人が受け取ります。
勝敗
捜査の過程で容疑者が1人に絞り込まれたら探偵の勝利です。
なお、犯人の行動で「ぜったいこの人物が犯人」とわかっても、実際に1人に絞りこめなければ勝利ではありません。探偵たるもの、犯人を特定する合理的な証拠がないとダメなわけです。
一方で、犯人側は手に入れたアリバイカードの分も含め、6枚の時間トークンを手に入れた場合は逃げ切りということで勝利です。
また、8ラウンドが終わって犯人が特定されなかった場合も犯人側の勝利です。
ジャックをどう逃すか犯人側の手腕が
犯人側は目撃されるのが一番のリスク。砂時計がもらえないだけではなく、多くの容疑者の嫌疑が晴れてしまうので、いかにして視線を外すかが最重要。目撃をかわしつつ探偵の視線に入る人物をできるだけ少なくできればいうことはありません。
一方で、探偵側は特に序盤は犯人が誰かさっぱりわからないので、とにかくたくさんの容疑者をチェックすることが主な戦略となります。
したがって、どちらかといえば犯人側の方が頭を使うかも。ラウンドが進むほど追い詰められて逃げ場がなくなることもあり犯人側の方が若干難易度が高いです。
最初のうちは年配者や慣れている人がジャックを担当するのがよいかもしれません。
コンパクトバージョンではありますが、シンプルな形で完成されていてボードゲーム版に負けないくらい、手に汗握る鬼ごっこが2人で楽しめます。
発売からそこそこ年数が経過しているので、残念ながらあまり流通していませんが、海外版でもマニュアルは多言語で日本語対応しているようです。お手頃に手に入ることがあればぜひ遊んでみてほしい2人用ゲームの佳作です。
項目 | 公式表記 | コメント |
---|---|---|
年齢 | 14歳以上 | 8歳くらいからでもできそう |
時間 | 20分 | |
人数 | 2人 | |
日本語化 | 不要 | 海外版も日本語を含む多言語版 |
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
ルールの易しさ | ★★★☆☆ | 一見複雑そうだが遊ぶと難しくない |
大人も楽しい | ★★★★★ | 主には大人向け |
2人でも楽しい | ★★★★★ | 2人専用 |
総合評価 | ★★★★☆ | 2人で手に汗握る鬼ごっこ |
- 作者: Bruno Cathala
- 出版社/メーカー: ホビージャパン(HobbyJAPAN)
- 発売日: 2012/03/30
- メディア: おもちゃ&ホビー
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