界隈が「ゲームマーケット2021春」で盛り上がっていた頃、私は病院のベッドの上にいました。
といっても、深刻な病気ではなく、いわゆる「痔」の日帰り入院です。
というわけで、本日はジオン注射(ALTA療法による日帰り入院の雰囲気や費用などの体験記を記載したい思います。
文章に不快なイメージを惹起する表現もあるかと思いますので、食事中の方などは退散ください。
はじまりは血の色から
ある朝、用を足すと「トイレが真っ赤!」便器が血の海となっていました。
人間ドックで便潜血がでれば再検査になるけれど、潜血ではなく鮮血がドバドバ。
痛みがあればまだよいのですが、自覚はまったくなし。なんで血が出ているかもわからず余計に不安になりました。
女性ならもっと耐性があるのでしょうが、こんな経験はなく、出血が3日続いたところで病院に行くことにしました。
先生「う〜ん、これはおそらく痔が原因だね。内痔核、いわゆる『いぼ痔』から出血してるんじゃないかな。薬で様子をみることもできるけと、パッと手術しとく?」
と、軽い感じで手術を勧められました。
手術が適当なのかよくわかりませんが、こんな出血がまた発生するのは勘弁です。
「また続くのは嫌なので、ぜひお願いします」
私も二つ返事でOKしてしまいました。
「よし!また病院に来るのも大変だと思うし、さっそく手術前検査からはじめましょうか。」
同意書などを書かされて「仕事もこのくらいスムーズにいったらいいのに」と思えるくらいトントン拍子に日帰り入院が決まりました。
気軽にできる日帰り入院
私が入院した病院では、下記の4つのプロセスで治療が進みます。
+手術前検査1
+手術前検査2(大腸内視鏡検査)
+日帰り入院手術
+術後経過観察
「日帰り入院」といっても、事前に2回の通院と、経過観察のための通院が必要なわけです。
まぁ、通院なら合間で行けるので、ずっと入院するのとは大きな違いです。着替えなどももちろんいりません。
手術前検査1
血液検査や、心電図など健康診断的な検査を実施します。
他の病気がないか、あるいは手術に耐えうる身体の状態かどうかを調べるわけです。
人間ドックから、バリウムや肺活量や視力検査を除いた感じで簡単に終わりました。
手術前検査2
通院2回目は大腸内視鏡検査です。痔の所見があったとしても、大腸ガンなどの可能性もないとはいえないため、問題特定のため大腸にカメラを入れて検査をします。
下から入れるカメラ、胃カメラより辛いんですよね‥。大腸内視鏡は2回目でしたが、いっこうに慣れません。
入院と手術
前日までは食事も含めて普通に過ごし、手術の当日を迎えました。
手術といってもジオン注射(ALTA療法)。硫酸アルミニウムカリウムとタンニン酸が主成分とする薬剤を患部に注射していきます。
痔は大腸内で血液が溜まる静脈瘤のようなものなので、それを接着剤のような薬剤で固めて小さくするイメージです。
術後観察
出血がひどくなったり、腸が閉塞したりする症状もあるので、術後の経過をみていきます。私は今ここの状態です。
手術日のタイムスケジュール
手術日のスケジュールは下記のとおりで、朝入院して夕方には退院となりました。
-10:00 手術着に着替え鎮痛剤や抗生剤の投与
-14:00 手術
-15:00 食事(当日は朝から食べていない)
-16:00 術後の状況を確認して退院
実際はほとんど病室で待機していて手術は正味10分程度。3つあった内痔核に順に注射をし、先生が薬剤を指で揉み込む感じ。苦しかったですがあっという間に終わりました。
「もうちょっと成長していたら、メスで切るレベルだったよ。切ると日帰りじゃすまなくなるのでよかったね。」と、先生曰く早めの処置がよかったようです。
その日は鈍痛が残り、入浴不可で帰宅後も安静に過ごしましたが、翌日には痛みは収まり普通に活動できました。
「痛い時は服用するように」と鎮痛剤を処方してもらったものの、1錠も使うことなく終わり翌日以降まったく痛みもなく何事もなく仕事をしています。
「翌日から効果を実感できますよ」と先生から言われ、正直半信半疑でしたが確かに違う!
もともと何か自覚症状があったわけではなかったのですが「あれ?自分のお尻ってこんなだっけ?」という感じ。なんだか括約筋が締まっている感じ。良くなってはじめて今まで悪かったことを実感しました。
ジオン注射手術の費用
私の場合、手術費用は40,000円ほど。事前の2回の検査費用と合わせるとトータルの費用は50,000円ほどの出費でした。
ただ、このうち15,000円くらいは個室病室のベッド代(デイユースでこの料金は高級ホテル並みですね)なので、通常の病室がある病院だともっと安くなると思います。
私の住む地域は新型コロナで病床が逼迫中といわれていますが、そんな折にも関わらず病室はあいていて病棟もゆったりした雰囲気。
病院経営としては、滞在時間も少なく高回転の日帰り患者を、感染リスクある患者にとられたくないですよね。コロナ対応の病床がなかなか増えない構造の一端を見た気がします。
日帰り入院手術で大変だったこと
最後に、今回の手術で大変だったことベスト3です。
3位は手術。痛みを感じにくい部位ではありますが、太い注射をするわけですから、それなりに痛いです。
さらに、注射後には薬剤を揉みこんで、馴染ませる。これがまた痛い!時間が短いのがせめてもの救いです。
2位は大腸内視鏡検査。大腸の中をファイバースコープカメラが進むのはなかなかキツイんですよね‥。腸のカーブを進む時は、まるで腹を殴られているような苦しさがあります。
また、私の行った病院の場合、検査前に1時間かけて下剤を飲んで腸を空にするのですが、これもまたなかなかつらかったです。
1位は指輪外し。
「状態次第では、レーザーメスを使うことになるから指輪外しといてね」と言われ、手術日に向け結婚指輪を外すことになりました。しかしながら、指が太くなっていて指輪が全く外れない!
オリーブオイルでベタベタにしながら、タコ糸をぐるぐる巻きにしながら強引に取る!
30分ほど格闘した挙句、指輪が指の関節の手前で全く動かなくなってしまいました。指は血がとまってみるみる紫色に。
もはや病院か救急車か消防署に連絡するしかないか、と諦める直前にようやく抜けました。
指輪が抜けなくなって、消防署に頼んでカットすることになる人も多いようですが。何かのために早めにサイズ変更しておくのがいいですね。
かの俳人、松尾芭蕉も苦しんだという痔の病。なかば勢いで日帰り入院手術となりましたが、終わってみると快適以外の何物でもなく、やって本当によかったです。
症状に悩んでいる方は、一度病院に相談してみるといいと思います。