ITエンジニア向けの求職サイトPAIZAが運営する、RPGゲームのように楽しみながらプログラミングが学習できる「コードクロニクル」が2020年1月から無料公開されています。
らいち(id:AzuLitchi)さんのブログでも紹介がされていたこともあり、最終ステージ17まで遊んでみましたのでその感想です。
遠い昔の学生時代。氷河期ということで節操のない就職活動をしていた私は、大手ソフトウェア開発会社に内定をもらいました。
就職ランキングに載る会社でもあり、周囲から「もったいない」と言われながらも悩んだ末に最終的に貴重な内定を辞退することに。
というのも、最終面接に残っていたのは、私以外みんな「一種(今の応用情報技術者)持ってるの当たり前でしょ」という感じの情報系学部の学生ばかり。
文系でITに馴染みのない私がなぜ受かったのかそもそも不明ですが、あまりに場違いな存在でプログラミングスキルなしにやっていく自信がなくてあきらめました。
「逃した魚は大きい」といいますが、あのとき就職を決めていれば今頃エンジニアとして大成していたかもと、今でも思うことがあります。まぁ、すぐ挫折して露頭に迷っていたに違いありませんが…。
というわけで、プログラミングは私にとって人生で手に入らなかった、ちょっと特別感があるスキル。
機会があるたびに勉強しようと思うのですが、すぐに挫折してなかなか身につかないんですよね。
そんなヘタレな私でもチャレンジでき最後まで到達できたのが、ゲーム感覚でプログラミングが学べるのが売りの「コードクロニクル」です。
まずは登録
まずはコードクロニクルのサイトを訪問し、ID作成からはじまります。
はじめるにはITエンジニア向け求職サイトPAIZAのIDを取得する必要があります。転職・就職サイトということもあって、入力する項目がそっち系ですね。
なお、登録されるとPAIZA事務局からのメルマガが配信されるようになるため、気になる方は設定で解除することをおすすめします。
コードクロニクルの概要
ホーム画面はスマホゲームのよう、基本は中央の「探索」で進めていきます。
探索には体力が必要で体力が尽きるとあそべません。体力を回復するには、アイテムを使うか時間をかけるしかありません。
対応しているプログラミング言語は現時点でPHP、Ruby、Pythonの3つ。私はPythonを選択してみました。
ウインドウの右下に、出題コードが登場し、ここにキーボードでコードを入力して回答していきます。入力が基本なので残念ながらスマホではプレイできないです。
基本的には足りないコードを見つけて穴埋めする形式の問題です。
ステージが進むにつれて、コードの誤りを訂正する問題や、「#ここにたくさん書く」とあって数行のコードを記述させる問題も少ないですが登場します。
コードが完成したらCTRL+ENTERで確認。間違えればライフが減り、ライフがなくなるまでにステージクリアすることを目指します。
ステージがクリアできたら、得点とコイン、さらに早解きできればダイヤが手に入ります。
コインはアイテムの購入と後述のガチャ、ダイヤはダイヤ専用ガチャで利用することができます。
ガチャ
仲間を手に入れる、スマホゲームのようなガチャも登場します。
ガチャを回すには、コインかダイヤが必要です。ただ課金はありませんので、ガチャを回すにはお金をかけるのではなくプログラムをどんどん解くことが必要です。
仲間は「獲得コイン上昇」などの特殊能力をもっていて、パーティリーダーに指定することで特殊効果の恩恵を受けることができます。
(パーティメンバーに入れても効果ないようです)
全17ステージをプレイしてみた感想
トータルで10日くらいでしょうか。コツコツとやって最終の17ステージまで到達しましたので、以下感想です。
良かった点
繰り返しの問題で知識が定着
比較的やさしくて類似する問題がたくさん登場します。
まるで「算数ドリル」をやっているような感覚です。単純な問題を繰り返し解くことで知識が定着しそうな感じです。
繰り返し挑戦したくなる仕掛け
「ガチャでキャラコンプリート」「最高得点ランキング」「一定条件で獲得できる称号」「ログインボーナス」など、スマホゲームと同様に、収集欲などを刺激する仕掛けが満載。
目標を達成するには、とにかくプログラミングの問題を解かないといけないので、自然と繰り返しのトレーニングができます。
私はランキング上位をめざした結果、なんと週間ランキングで3位まで到達することができました。
なんと言ってもタダ!
見た目はスマホゲームのようだけど、一切課金はなし。タダでチャレンジできるのは良心的です。
多少の不満点があっても、無料なので全て許されます。気軽にはじめてつまらなければやめればいいわけですからね。
イマイチだった点
ストーリーが単調
ステージが終わる節目節目でストーリーが登場します。しかし、とってつけた感が満載。
イラストデザインコストの節約のためか、絵として登場するキャラは上の3つのみ。
画像もなしに「モンスターが襲来」などでてくるのは、チープ感が否めません。私は申し訳ないけどストーリーは途中からスキップしていました。
昔に流行った「〇〇打」のようなタイピングソフトのような印象で、ストーリーはRPG風に見せるためのおまけ程度に考えた方がよさそうです。
学習動画と問題が連動していない
問題が解けない人のために学習動画が用意されているのですが、これが問題と連動しておらず、動画を見ても解き方がわからない問題があります。
コードクロニクルを「計算ドリル」的な位置づけと考えたときの、「教科書」がないので、特に全くの初心者の方はは解けない問題がでてくるかもしれませんね。
問題は基礎的なものばかりなので、横に教科書的な本があると一安心です。
ある程度知識がある人には単調で物足りない内容
問題は以下のような基本的なコードが中心です。
-四則演算
-変数
-文字列操作
-条件分岐
-ループ
ごく基本的な内容なので、プログラミングの知識がすでにある人には単調で物足りないかも。
まぁ、同じPAIZAの「プログラミングスキルチェック」は全記述式で歯ごたえある問題がたっぷりあるから、コードクロニクルはどこまでいっても初心者向けという位置づけなんでしょうね。
個人的にはもうちょっと難しいステージも作ってくれるともうちょっと楽しめるのになと思いました。
なお、私が行き詰ってしばらく進めなかったのは、ステージ5あたりに登場する「型」の問題。
「『型』を出力してください」という問題で、関数を使おうと試行錯誤していましたが、うまくいかず。答えは"int"など型名を直打ちということで、漠然としました。
これからの時代にはプログラミングスキルは大事かも。
平成のはじめくらいまでパソコンはマニアのおもちゃでしたが、今ではパソコンなしで仕事をするのが難しい時代となりました。
令和の時代には、小学校からプログラミング学習がはじまります。もう少し経てば、プログラミングスキルやそれを前提とした思考がないと、社会で生きていけない時代になるかもしれませんね。
クリアしたからといって決してプログラミングができるようになるわけではありませんが、気軽に学習できるコードクロニクル、最初の入り口としてはよくできているんではないかと思います。
無料ですので、みなさまも機会があればぜひ試してみてください。
次回はできれば、RPG風でプログラミング思考が学べるボードゲーム「コードマスター」をご紹介したいと思います。