ボードゲームでは最も権威のあるドイツ年間ゲーム大賞 (Spiel des Jahres)を、2016年に受賞した「コードネーム(codenames)」です。
ライバルより先に味方のエージェントを探せ!
ここには一般人を含む25人のエージェントがいる。
組織のメンバーは、25人のエージェントたちのコードネームしか知らない状況で、味方のエージェント全員とコンタクトしなければならない。
ライバル組織に属しているスパイマスターが2人。この2人だけがエージェントたちの秘密の正体を知っている。
スパイマスターはチームメイトに言葉を一つだけ示すことができる。この手がかりで味方チームにエージェントを特定するための情報を与えるんだ。
暗殺者には気を付けろ!それでは健闘を祈る。
内容物
コードネームカード(200枚)
両面にエージェントのコードネームである、様々な言葉が書かれたカードです。
エージェントカード(25枚)
エージェントの正体を示すカードです。
レッドとブルーのエージェントカード16枚、ダブルエージェントカード(先行側のエージェントとして使用します)1枚、一般人カード7枚、暗殺者カード1枚
キーカード(40枚)
スパイマスターだけが見れる、エージェントの位置を示すキーカードとカードスタンドです。
砂時計
長考防止のための砂時計は必要に応じて使用します。
準備
ゲームの参加者は、レッドとブルー2つのチームに分かれます。
各チームは、それぞれ1人ずつスパイマスターを選出します。
残りのメンバーはエージェントとコンタクトをとる現場諜報員となります。
まずコードネームカードをランダムに25枚とり、テーブルに5×5に並べます。
スパイマスター2人はテーブルに並んで座り、キーカードを1枚ランダムに選び、2人の間にスタンドに立てておきます。あわせてエージェントカードも手元に重ねて置いておきます。
現場諜報員たちは、テーブルの反対側など、キーカードの内容が見えない位置に座れば準備完了です。
ゲームの流れ
キーカードの外側には赤か青の印があり、印がついている方が先行チームです。
スパイマスターはキーカードを見ながら、自分の味方のエージェントに関するヒントをだし、同じチームの現場諜報員たちがそのヒントをもとに味方を当てていきます。
スパイマスターのヒント
スパイマスターが伝えるヒントは、エージェントの手がかりになる単語とカードの枚数です。
例えば「海 2枚」「音楽 3枚」といった感じですね。
諜報員の回答
現場諜報員はみんなで話し合い、味方のエージェントだと思うコードネームカードを指さします。
スパイマスターは指さされたカードの正体を、エージェントカード(レッドエージェント、ブルーエージェント、一般人、暗殺者)を重ねて明かします。
見事、味方のエージェントを当てた場合は、さらにもう一度当てるチャンスがあります。
外れた場合や、当てるのをやめる選択をした場合は相手チームのターンです。
終了と勝敗
味方のエージェントが全員明らかになったチームが勝利します。
なお、暗殺者を引いてしまった場合にはそのチームは即敗退となり、相手チームが勝利します。
ゲームのイメージ
キーカードを見れるスパイマスターには、25枚のエージェントカードが下記のように見えています。
レッド:(北京で)「中国 1枚」
→順当に正解
ブルー:(銀行と億万長者で)「お金 2枚」
→2枚とも正解
レッド:(クイーン、ヨーロッパ、ネス湖で)「イギリス 3枚」
→2枚正解したものの、3枚目で相手チームのエージェントである「スーツ」を選び、敵に塩を送ってしまいます。
(ネス湖は難しかったかなぁ。)
ブルー:(スタジアム、キーパーで)「サッカー2枚」
→スタジアムは正解したものの、次は一般人の「ネット」を選んでしまいました。
(あ、ネットもサッカーだった・・。)
レッド:(ベッド、パーティーで)「ホテル 2枚」
→ベッドは正解でしたがカジノを選択
ブルー:(ライオン、クジラ、魚で)「動物 3枚」
→ライオンを正解した後、ユニコーンを選択
架空の動物も動物といえば動物だったか・・・。
というわけで、暗殺者のコードネームを引いた青チームの敗退です。
スパイマスターもつらいよ。
このゲームで勝利のカギは、なんといってもスパイマスターのヒント。一つのヒントで複数の正解を出せるよう、複数のエージェントにかかるヒントを出せるかどうかにかかっています。
ただ、複数に掛かるヒントを出そうとすれば、言葉は曖昧にならざるをえず、遠ざかって不正解となるリスクが高まってきます。このあたりの勘所が難しい。
また、せっかく複数枚にかかる言葉を思いついても、相手チームの正解や暗殺者にかかりそうなヒントであれば使いものになりません。スパイマスターにはなかなかのジレンマです。
あえて暗殺者や敵カードをめくらないようにする「鳥 0枚」などのヒントを出したり、諜報員側も分からないけど思い切って引いてみるなど、ときには勝負に出る戦略も必要です。
ヒントからカードを当てていくということで、「ディクシット」と似てないこともないですが、相手の気持ちや考えを当てにいくディクシットに対して、コードネームは言葉そのものを連想していくワードゲーム的な要素が強いです。
www.boardgamepark.com
昭和の時代にNHKで放映されていた「連想ゲーム」に近いかも。
海外ボードゲームの日本語版は、ライセンスや「増版してもロットがさばけない」などの大人の事情で再販されない場合も多いです。
このコードネームはお題がキモ。海外版を買って200枚×両面のお題を全部翻訳するのは「言語学習用に海外版を」という人以外は現実的ではなく、海外版では実質遊べません。
興味がある方は、日本語版の在庫があるうちに購入することをお勧めします。
なお、姉妹品の「コードネームピクチャーズ」はお題がイラスト。雰囲気は違いますが、こちらなら海外版でも大丈夫です。
プレイ人数として4人は欲しいかも
パッケージのプレイ人数は、2~8人以上とありますが、実際はスパイマスターと現場諜報員がそれぞれのチームに必要なので、4人以上いないと正規ルールでは遊べません。
2人~3人で遊ぶ場合には、スパイマスターあるいは諜報員を兼任するなど変則ルールとなってしまいます。
そのため、本来のルールでの面白さを享受するには、4人以上で遊ぶ必要があることは留意したほうがいいかもしれません。
ただ、わが家で遊ぶときはほとんどが3人です。
うちの子はスパイマスター役が大好き。漢字もロクに読めないので、自分の分かる言葉だけを25枚探して並べ、諜報員役の両親にヒントを与えて指示しています。
どうやら適当なヒントに翻弄されて親がオロオロ探すのを、高みから見物をするのが楽しいようです・・・。
コードネームカードを大きくしたり工夫すれば、職場のイベントなどでも使えそう。
こういう連想系のゲームは、単なる正解不正解だけではなく「あのヒントはこういう意図だったのか」というヒントを振り返るのがなかなか楽しいです。
話し合って当てていけばよいので短時間、チームのアンバランスも含め人数制約がゆるいところもパーティーゲームとして使い勝手がよいところ。誰でもできてみんなでワイワイガヤガヤ盛り上がるゲームです。
項目 | 公式表記 | コメント |
---|---|---|
年齢 | 14歳以上 | カードを選べば小さい子でも大丈夫 |
時間 | 15分 | 長考すると意外に長くなります |
人数 | 2-8人以上 | 4人以上がおすすめかも |
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
ルールの易しさ | ★★★★★ | 誰でも簡単 |
大人も楽しい | ★★★★☆ | 大人が楽しい |
2人でも楽しい | ★☆☆☆☆ | 一応できるけど・・・ |
総合評価 | ★★★★☆ | みんなでワイワイ盛りあがる |
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