中国の妖怪、キョンシーを知っているでしょうか?
YESという人は昭和生まれ確定ですね。
エリマキトカゲやウーパールーパーなど、昭和生まれが判定できるキーワードのひとつ「キョンシー」。
1980年代に、「霊玄導師」「幽玄導師」という香港・台湾の映画をきかっけに大流行しました。当時の子供はおでこにお札を貼ってこぞってキョンシーごっこをしていました。
【霊幻道士】劉致妤 Shadow Liu 来来キョンシーズ 殭屍小子【幽幻道士】
そんな昭和生まれの人には懐かしい、キョンシーをテーマにしたボードゲーム、その名も「キョンシー(Gangsi)」です。
キョンシーに捕まらないようにお宝をゲットしろ!
ゲームのテーマと目的
お宝を求めて王族の墓にやってきたトレジャーハンターたち。しかし、そこに眠っていたのはお宝だけではなかった。眠りから覚めたキョンシーがハンターたちを襲ってくる…。
ハンターたちは果たしてキョンシーにつかまらず財宝をゲットできるのか。それともキョンシーがトレジャーハンターたちをゲットしてしまうのか?
内容物
大き目サイズで横長の箱には、コンポーネントがいろいろ入っています。
まずは5色の財宝カードとダイス。トレジャーハンターは木製のサイコロ5個、キョンシーは黒字に金文字のサイコロを使用します。
続いてコマ類。トレジャーハンターは小さな丸いコマを操作します。それに、四角いお面型のライフトークンが各3つ。
キョンシーは大きなコマと小さなコマの2種類を組み合わせて使用します。
そして、このゲームの最大の特徴であるゲームボード。ゲームボードはなんと箱に垂直に立てて衝立のように使用します。
ゲームのコマは全てマグネット、立てたゲームボードに磁力でくっつくようになっています。
準備
まず、鬼であるキョンシー役を決めます。残りのプレイヤーはトレジャーハンター役です。
キョンシーとトレジャーハンターはボードでパーテーションにように仕切って向かい合って座ります。
トレジャーハンターはコマの色を決め、コマをスタート地点に置きライフトークンを手にします。さらに財宝カードをシャッフルし、それぞれ各色1枚、合計5枚ずつ手にします。
キョンシー役は、スタート地点の玄室に、ボードの裏表に挟む形でキョンシーコマ(小)とキョンシーコマ(大)を配置します。
キョンシーコマは裏表でマグネットでくっつくので、キョンシー側で動かせばトレジャーハンターの側でも動くわけです。
最後にトレジャーハンターのスタートプレイヤーを決めれば準備完了です。
ゲームの流れとルール
トレジャーハンターは宝を全部集めること、キョンシーはトレジャーハンターを全員捕らえることが目的です。
トレジャーハンターが全員行動したらキョンシーの順で、それぞれのコマを動かしていきます。
トレジャーハンターの行動
トレジャーハンターは専用のサイコロを降り、出た目のうち好きな目をひとつ選んで進みます。矢印マークの目を選んだ場合は一方向に壁にぶつかるまで進むことができます。
キョンシーマークのサイコロが出たら、サイコロをキョンシーに奪われることになります。該当のサイコロをキョンシー役に渡します。
ちなみにサイコロを振る前に、すでにキョンシーに奪われた「サイコロを返してもらう」宣言もできます。
ただし、その場合はキョンシーの追加行動が発生します。キョンシーは返すサイコロの個数と同じ歩数だけ、割り込み行動として通常の順番とは関係なく移動することができます。
トレジャーハンターが移動した結果、あるいは途中に配られた財宝カードと同じ場所に到着したら、財宝ゲットを宣言できます。財宝カードをキョンシー側にわかるように公開して捨てます。
示された財宝カードによって、キョンシーはそのプレイヤーが今どこにいるのかわかるわけです。
キョンシーの行動
トレジャーハンターがみんな行動終了したら、キョンシーの番です。
キョンシーは、キョンシーダイスを振ります。
キョンシーダイスは1が多く、サイコロだけではほとんど進めませんが、奪ったサイコロがある場合は別。奪ったサイコロの個数分だけ歩数がプラスされ、移動することができます。
キョンシーダイス1と奪ったサイコロ3で4歩進めます。
キョンシー側からはトレジャーハンターの位置はわからないので、財宝カードの情報や、ボードの向こうのプレイヤーの目線や手の動きなどで推定しながら動かしていきます。
キョンシーに捕まる!
キョンシーコマがトレジャーハンターコマと同じマスに到着した際は、キョンシーに捕まったことになります。
トレジャーハンターはライフトークンを1枚キョンシーに渡します。コマはキョンシーのスタート地点である玄室に移動させ、そこから再開です。
勝敗
お宝を5枚全部ゲットしたトレジャーハンターが勝者です。一方で、ライフトークンを3枚とられたハンターはゲームから脱落します。
トレジャーハンター全員を脱落させたらキョンシーの勝利です。
ついたてのこちらとあちらで鬼ごっこ
このゲームは元は「呪いのミイラ(Pyramid)」という名作ボードゲームのリメイク版。こちらはミイラが追いかけてきます。もはやン万円のプレミア化している原作を、香港の栢龍玩具という会社がリメイクし、パッケージなどを日本語化したわけです。
最初「子供が遊ぶゲームに、今の子が絶対知らないキョンシーを使うとは戦略ミスじゃないの?」と思いましたが、香港でのリメイク作と聞いて納得。日本では30年以上前のブームのキョンシーも、本場中国では健在な妖怪なわけですね。
キョンシーは最初はスピードが遅いけれど、サイコロを奪うごとにスピードアップ。トレジャーハンターとしては、早くサイコロを返してもらわないとキョンシーが自由自在に動きまわってしまいます。しかし、返してもらうと追加でのキョンシーターン、なかなか悩ましいです。
宝を取ると場所がバレてしまい、近くにいるとキョンシーが急襲してきます。宝を手に入れるときは、ある程度キョンシーから離れていないといけません。
近くに来てしまったキョンシーに「通りすぎて!お願い!」とじっと待って願う様は、目が見えないキョンシーに、息を止めてやりすごす映画のシチュエーションにもマッチしています。(わかるかなぁ)
トレジャーハンターが向かう宝は5色5種類ですが、「黄色い宝はボード左上」など、色によってエリアが決まっています。すなわち、キョンシーはすでに獲得した宝をもとに、残っている宝のエリア、すなわちトレジャーハンターの位置を絞り込むことができるわけです。
そのため、キョンシー役には記憶力と戦略がより大事となります。大人と子供で遊ぶ際は、キョンシー役を大人がやるといいかもしれませんね。
最初はデタラメに移動していたキョンシーも、財宝が減った終盤にかけてはエリアを絞り込んで追撃が激しくなってきます。ラストにかけてキョンシーが迫って盛り上がる収束性は、なかなかよくできています。
追いかけるキョンシー役をするのもなかなか面白い。キョンシーのコマを手探りで動かしながら、上手くつかまえると、カチッとトレジャーハンターコマくっつく小さな音が快感です。
まさに鬼ごっこ。捕まらないように逃げてハラハラドキドキ、捕まってしまいワイワイキャーキャー。基本は子供向けですが、大人も童心に返って盛り上がれるボードゲームです。
項目 | 公式表記 | コメント |
---|---|---|
年齢 | 8歳以上 | 6歳くらいから遊べる |
時間 | 20分 | |
人数 | 2-5人 | |
日本語化 | 不要 | 説明書のみ |
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
ルールの易しさ | ★★★★☆ | 比較的簡単 |
大人も楽しい | ★★★★☆ | 大人でも楽しい |
2人でも楽しい | ★★☆☆☆ | 鬼ごっこは3人以上が… |
総合評価 | ★★★★★ | ハラハラドキドキ鬼ごっこ |
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