黒い虫歯のバイキン、赤いお熱のバイキン、黄色いお咳のバイキン、青いおなかが痛くなるバイキンが6つの島にふえてきました。どんどんやってくるバイキンを注射でやっつけながら、みんなでお薬を作ってバイキンを退治しよう!
「パンデミック 完全治療(Pandemic:The cure)」は、近年における協力型ボードゲームのヒット作Pandemicのダイスゲーム版です。本家はプレイ時間が1時間を超える大作ですので、比較的短時間で手軽に遊べるダイス版をセレクトしました。
「世界中に広がる病原体を根絶して人類を救うこと」がテーマのゲーム。残念ながら子どもが理解したりワクワクしたりするテーマではありません。というわけで、当時4歳のうちの子にも理解させるべく、冒頭のような形に勝手に改変しました。
子どもにゲームを教えるには、
- 子どもがわかりやすいテーマで目的を説明すること
- 複雑なルール・手順は最初は排除してシンプルにすること
が必要です。でも、導入がうまくいきさえすれば、その後の吸収力に関しては大人はかないません。
協力して治療薬をつくり病原体を根絶せよ
内容物
これでもか!というくらいのダイスと様々なコンポーネントです。
- 感染ダイス 48個
- 感染バッグ(巾着袋)
- プレイヤー駒、役割カード 各7つ
- プレイヤー専用ダイス 7色37個
- 地域タイル 6枚
- イベントカード10枚
- 治療施設ボード(ドーナツ型でアウトブレイクと、感染率の穴あり)1枚
準備
治療施設ボードを中央に配置し、感染率などの緑マーカーをスタート位置にセットします。治療施設ボードの周りには6つの地域タイルを配置。
48個の感染ダイスを巾着に入れ、なかから12個のダイスを振って各地域に配置(最初から感染済み)します。それぞれ能力(振るダイス)が異なるプレイヤーを選択したら、駒を1番地域(北米)のところに置いてスタートです。
ゲームの流れ
増える病原体を退治しながら根絶する治療薬をつくるのが目的です。行動はアクションと治療薬開発に分けられます。
アクション
ダイスを振って行動を選択していきます。行動を実施したダイスやバイオハザードの目以外は、何度でも振り直しが可能です。
- 移動(飛行機・船):他の地域へ移動する。
- 治療(注射器):今いる地域の病原体を治療施設ボードの中央に置く、治療施設ボードの感染ダイスをバックに戻す。
- サンプル収集:治療薬作成用のサンプルとして、当該ダイスと治療施設ボードの最近ダイス1個とともに感染ボードの中央にに保管する。
- バイオハザード:感染率がひとつ進みます(悪い目)。
バイオハザードが1つ出てしまいましたが、残りは、移動、治療、サンプル収集ができます。治療薬作成のためサンプルがもっと欲しいのでサンプル以外を振り直しします。
振り直したらなんと全部バイオハザードになってしまいました。結果行動できたのはサンプルの1つ追加です。
治療薬作成
サンプルとして保管したダイスがある場合には、これを振って治療薬を作ります。合計の目で治療薬の完がが決まるため、保管したサンプルが多いほど確率は高まります。プレイヤー同士でサンプルの受け渡すこともできます。
地域の感染
ターンが終了すると、一定の時間が進行したということで、地域の感染が進みます。バッグから新たな感染ダイスを取り出し、振って各地域に配置していきます。
勝敗
治療薬が4種類とも完成したら勝利となります。
一方で、感染率が最後まで進む、感染ダイスがバッグからなくなる(世界中が感染)などの場合はゲームオーバーとなります。
追い詰められるなかで、みんなの一体感
感染率がある程度進むとエピデミック(大規模感染)となり、せっかく退治して治療施設にいるダイスがリセット。さらに新たな感染ダイスが加わります。また、特定地域のダイスが4個以上になるとパンデミック(世界的感染)となり、他の地域に感染ダイスが伝染していきます。次々と病原体が増殖して世界中に広がる様子がうまくダイスで表現されています。
時間がたってくるほど、一回に増える病原体も多くなり、対処療法ではプレイヤーが徐々に追い詰められていきます。協力して早期に治療薬をつくらないと勝利はどんどん困難に。
黒の感染ダイスが4つになりパンデミック。隣接地域に感染しますが、連鎖は何とか避けられそうです。
「南米地域がやばそう、誰か治療に行ける人いない?」「薬を作るの得意だからまかせて!」「誰か赤のサンプル集めるの助けてくれない?」など、コミュニケーションも頻繁にして一致団結して行動することが勝利のカギとなります。
これまで紹介した協力ゲームとして「ザ・ゲーム」がありましたが、こちらはテーマ性はなく数字だけのシンプルさがウリです。
bg4kids.hatenablog.com
パンデミックは、病原体を退治するというテーマがしっかりあり、得意な能力が違うプレイヤー同士で補完し合いながら一緒に退治をしているシチュエーションがより強く感じられます。
全員が勝利か全員が敗北。敗北しても「次は一緒にがんばろう」となる、まさに協力ゲーム。
若干ルールは複雑ですが、ひとつひとつは難解ではないので、順を追って説明していけば、子どもも理解できます。緊迫感のなかでのみんなの一体感を得られる楽しい協力ゲームです。
項目 | 公式表記 | コメント |
---|---|---|
年齢 | 8歳以上 | |
時間 | 30分 | |
人数 | 2-5人 |
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
ルールの易しさ | ★★☆☆☆ | 手順は多いです |
大人も楽しい | ★★★★☆ | 大人が楽しい |
2人でも楽しい | ★★★★☆ | 2人でも十分楽しい |
総合評価 | ★★★★☆ | 楽しい協力ゲーム |

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