3月も中旬となり、ずいぶんと春めいてきました。今年のさくらは例年よりも早いようで、今週にも桜前線が日本列島を縦断してくるようですね。
というわけで、こんな季節にぴったりなボードゲーム「ライナー・クニツィアのSAKURA」です。
日本語版タイトルに「クニツィアの~」とついていますが、ドイツの大御所デザイナーのライナー・クニツィア氏が手がけた和風テイストのボードゲームです。
帝の花見をベストポジションで絵におさめ褒美を手にしよう
テーマと目的
春が訪れて桜が満開となった皇宮の庭園に、帝がおでましになりました。
あなたは宮廷画家。帝の後ろについて、帝と桜を絵に収めるのが仕事です。
ただ宮廷画家はあなたひとりではありません。皆帝の近くで描けるよう狙っています。
帝と桜を最高のアングルで絵におさめ、たくさんの褒美を獲得できるのは、果たしてどの画家でしょうか。
内容物
ゲームボードは3つ折りですごろくのようなマスがついています。
カードは60枚。帝とそれを追う画家がデザインされています。
ゲームでの得点を示す褒美トークンも桜の花びらの柄がデザインされていて、5枚×6色の24枚の計54枚です。
コマはプレイヤーが使用する画家コマとひとまわり大きい紫色が帝コマです。
準備
プレイヤーは好きな色の画家コマと同色の褒美トークン5枚を手にします。
ゲームボードを広げて、画家コマをボード左下の門の位置、帝コマをボード左上の鳥居の位置に配置します。
カードをシャッフルし、プレイヤーに手札として5枚ずつくばって残りは山札にして準備完了です。
SAKURAのルールとゲームの流れ
宮廷画家としてライバルと褒美を競うゲームです。帝が桜の見どころに到着した時点で、帝に近いプレイヤーがたくさんの褒美を獲得できます。カードを使って近づきましょう。
ただ、近づきすぎて帝にぶつかってしまうと、無礼を働いたということでもっている褒美は没収です。
ゲームの流れはターン制ではなく、プレイヤーは手札からカードを1枚を選んで一斉に出すことではじまります。
出されたカードはカードナンバーが小さいものが優先で小さな数字のカードから順番にアクションを実行します。カードの「庭園アクション」「画家アクション」を適用してコマを移動させていきます。
全てのカードの解決が終われば、山札からカードを補充して次のラウンドです。
以下の場合は、庭園アクションで帝コマを1歩、画家アクションでプレイヤーコマを2歩動かしています。
なお、コマを進める場合には、他のコマがいるマスはカウントしません。他のプレイヤーをうまく飛び越せば一気に進むことができます。
庭園アクション
庭園アクションは主に帝コマの移動なります。
黄色マークの+3などの数字に応じて帝を進めます。-1などマイナスは後退です。
緑マークは「一番先頭のプレイヤーを戻らせる」、赤マークは「一番後方のプレイヤーを進ませる」ということで、特定のプレイヤーを移動させます。
画家アクション
画家アクションはカードを出したプレイヤーの画家コマの移動となります。
+の場合は前進-は後退、±の場合は前進、後退のどちらかを選択です。
さらに、「自分の前にいる画家のひとつ前に進む」などの特殊なマークが付いたカードもあります。
余にぶつかるとは不敬であるぞ!
画家が移動した際に、帝がいる位置に進んでしまったら不敬です。トークンを1枚失い3歩下がります。
なお、帝が移動してきてぶつかられた場合も悪いのは帝ではなくそこにいた画家です。
やはり桜は風流じゃのぉ。褒美をとらせよう。
中間地点2つとゴールにある桜マークが「桜のみどころ」です。
帝が3箇所の見どころにそれぞれ最初に到着したら桜の鑑賞(得点計算)がはじまります。このタイミングで帝に近い画家が褒美を獲得できます。
帝コマに一番近いプレイヤーは3枚、2番目は2枚、3番目は1枚の褒美トークンを獲得します。
ゲームの終了と勝敗
帝が最後の見どころに到着したら、ゲーム終了です。
なお、ゴールでは一番近いプレイヤーは3枚ではなく4枚のトークンを獲得し、褒美トークンが一番多いプレイヤーの勝ちです。
お手軽な駆け引きとロールプレイが楽しいライトゲーム
カードナンバーが小さいほど価値あるカード。他のプレイヤーより先に使えれば自分の思いどおりにコマを動かせます。自分が帝と近いときに見どころに到着させたり、あるいは帝とライバルを衝突させたり。ここぞというときに使いましょう。
一方で、ナンバーが大きいカードは思ったタイミングで使えないのでかなり運任せ。役立たずとなるカードもありますが、数が大きいもなは特殊な移動ができるカードが多いのでこの効果を活用するのも戦略です。
先頭だと帝とすぐ激突させらせてしまうので、2番手くらいにつけているのが安全かな。
どのカードをどんな順番で出していくか、カードのやりくりが悩ましいゲームです。
「6ニムト」のようにみんなで一斉にカードを出していくので、ダウンタイム(他のプレイヤーが手番で考えるときの待ち時間)がなく多人数でもダレないところがいいところ。ただ、人数が多いと自分のカードがはじめに発動しないので混迷要素が強まります。
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他のプレイヤーの手を考えるのも大事ですが、残りカードのカウントも不可能(60枚のカードをしっかり覚えられるツワモノは別ですが)で運の要素が強くガチガチ感はなし。軽い読み合いと手札のマネジメントの悩ましさのバランスが取れたゲームです。
クニツィア氏のデザインするゲームにはシステム重視でテーマは後付けのようなものも多いですが、このSAKURAに関してはテーマとゲームシステムがマッチしています。
「絵描きの分際でわらわにぶつかってくるとは無礼者め!」と、ロールプレイをしながら楽しめるゲームです。
項目 | 公式表記 | コメント |
---|---|---|
年齢 | 10歳以上 | |
時間 | 30分 | |
人数 | 2-6人 | |
日本語化 | 不要 | 説明書のみ |
項目 | 評価 | コメント | |
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ルールの易しさ | ★★★★☆ | 比較的簡単 | |
大人も楽しい | ★★★★☆ | 大人が楽しい | |
2人でも楽しい | ★★☆☆☆ | 2人だと微妙かな | |
総合評価 | ★★★★☆ | 気楽な駆け引きが楽しい |

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