病院併設薬局に全面降伏した前回のあらすじ
図らずしも以前の記事の続きとなってしまいましたので、そのあらすじから。
「お熱は何度でしたか?」「いつから症状は?」など、病院での診察の際に言ったことを、薬局で機械的にまた尋ねられることにうんざりしていた私。
病院併設薬局に反発して、ドラッグストアの調剤薬局への裏切りを画策。
しかしながら、それも想定内だったのか、処方された風邪薬は他の薬局では在庫がないもの。結果路頭に迷い、私の小さな反乱は未遂に終わることになりました。
医療システムに反発するのは大変だと実感、完敗を悟った私は、諦めて併設薬局を今まで通り利用することにしました。
元のさやにもどったつもりが・・・。
病院併設の調剤箋薬局を裏切って痛い目をみたことで、すっかり歯向かうのが面倒になってきた心を入れ替えた私。
無条件降伏したからには覚悟を決めようと、その後は併設薬局での機械的な質問にも、快く対応することしました。
調剤薬局から「ぜひともかかりつけ薬局に」という説明をされた際も「降伏したからには歓迎しよう」ということで、笑顔でチラシを受けとる変わりようです。
さて、数年前から、風邪をひくとその1ヶ月以上続く咳に悩まされていた私は、その予防に毎月同じ薬を処方されています。
その日も定期的な薬をもらうため、受付時間ギリギリに病院に到着したのですが…。
病院のそばに、工事車両とみられる業者のトラックが止まっていて、作業員がウロウロしています。
「あれ?もしかして今日は臨時休診だったか。しくじったぞ。」
と、思いましたが、病院の前に近づくと病院は開院中。
よくよく見ると、業者が出入りしていたのは隣の調剤薬局です。中を覗くとすっかりがらんどう。薬局だった痕跡すらなくなっています。
薬局がなくなっている!
予想外の状況に頭にはクエスチョンマーク。しかし、受付時間ギリギリだったので、とりあえず病院に滑り込み、診察を受けました。
会計になり「今月から、患者さんのご負担を考えて院内処方になりましたので、こちらでお薬代も含めてお会計です。」
なんと!反省してもとのサヤにもどったつもりだったけれど、その相手は予告することなくいなくなってしまいました。
「心配しないでくださいね。お薬の内容や詳しい説明もこちらでしっかりサポートしますからね」
そもそも医薬分業が望ましいから院外処方に変えたんじゃなかったっけ?
負担額はこれで増えたの?減ったの?
今までのお薬手帳はどうなるの?
疑問点はいっぱいありましたが、私は最後の患者だったので、蛍の光こそ流れませんが、病院はすでに閉店ムード。
予期せぬ状況に面食らいつつも、家に帰りました。
院内処方と院外処方とで自己負担額の比較をしてみると…
いきなり突きつけられた院内処方。一体何が変わったんだろう。
家に帰ってから、とりあえず前回の領収証を持ってきて比較してみました。
院内処方の前回(病院+調剤薬局)
病院1,680円+薬局3,630円=5,310円
院内処方になった今回
病院4,680円
差額は 630円、なんと1割以上も負担額が減少しています。
処方された薬は前回と今回で全く同じもの。
ということは、この価格差は院外薬局で受けてきたサービス料金ということになります。
ここで、フツフツと疑問が沸き起こってきます。突然いなくなった薬局に、これまで受けてきた差額分のサービスって一体何だったんだろう?
自分で書きだしてみると…
失ったサービス
お薬手帳、処方箋の薬学的見地でのチェック
得られたもの
負担の減少630円、薬局での機械的な症状確認、薬局での待ち時間
う〜ん、診察や薬は変わらずにこの金額差。この差なら、断然院内処方がいい!
それとも私に何か見落としやリスクがあるのかな?
逃げた相手に未練はなし!
というわけで、
浮気を画策したものの、未遂に終わって反省。
心を入れ替えて元のサヤにもどる決意をしたものの、その相手が突然失踪。
突然の別れに動揺するも、相手がいなくともやっていけることに気がつき、さらには食いぶちが減って経済的に助かった。
というお話でした。
医薬分業は世の中の流れだから、院外処方になる病院があっても、院内処方に戻る病院はないと思っていたのですが、逆行もあるもんなんですね。
医療費負担が1割も下がったのは、私の場合たまたまかもしれません。特に、院外処方で安価なジェネリック薬の恩恵を受けている人は、院内になると逆に料金があがるかもしれません。
ただ「ジェネリックの処方を希望しますか?」の質問には、これまでYESで答えていた私。こうしてジェネリックに変えても、これまでは気持ち程度の料金しか負担は変わらなかったような気がします。
私の病院の利用形態では、院内処方の方が負担が小さくなるかもしれません。
もしかしたら「医薬分業によって下がる薬剤費(ジェネリック変更など)よりも、院外処方を実現するためのコスト(施設代、薬剤師人件費など)の方が大きい」という、医療費制度の闇を垣間見たのかも…。
まぁ、自分のケースだけなので、客観的、合理的な根拠はまったくないのですが・・・。
ただ、かかりつけになるつもり薬局が突然いなくなった今回の件。薬局といえど商売なので、業績次第で閉店も仕方ないところですが、継続管理が前提で個人情報も提供しているのに、予告もなくいきなり閉鎖されたのにはちょっと不信感です。
関係者には申し訳ないですが、調剤薬局の無形のサービスを理解できるまでは、病院が選択できるなら、負担が安くなる院内処方の病院を積極的に選びたいと思いました。