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「ADHDの社会人はミスが多いから普通の仕事はムリ?」単純作業に活路を見出すと発達障害の負のスパイラルに陥るかも。

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先日、自称ネガティブブロガーのiwako(id:iwatako)さんがMSPA(Multi-dimensional Scale for PDD and ADHD)検査で、発達障害の診断結果がでた記事を読みました。

自分はがんばっているつもりだけれど、周囲からはそう見えないし、客観的に見た仕事のアウトプットも人並み以下。これからどうしたらいいんだろう。

私も自分の仕事のポンコツぶりに苦しみ、悩んでいたことを思いだしました。

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できないサラリーマンの苦悩と単純労働の選択による負のスパイラル

私が新入社員として会社に入ったとき、最初の頃に任された仕事は経理伝票のチェックと資料の作成。前にも書きましたがコンビニバイトすら満足にできない私。担当した仕事がなかなか完了せず、仕上がったものもミスだらけ。

「この新人に与える仕事としてはちょっと難しかったのかな」ということで、より簡単な仕事に変更となります。しかしながらそれでも遅くてミスが多い。「能力に応じた仕事」という配慮から、しだいに付与される仕事の量はどんどん少なく、どんどん単純な仕事になっていきます。

とうとう最後は、書類の押印確認とファイリングなど、いわばアルバイトがやっている作業。でもアルバイトよりもスピードもパフォーマンスも悪い。結果して誰がみてもアルバイトよりも使えないダメ社員が登場したわけです。


会社に入って最初に担当する仕事が、営業職や事務作業が多いことは、ADHDなど能力に凸凹が大きい人にとってはいきなりの鬼門。いきなりコミュニケーション力や正確性を要求する仕事など、苦手分野がやってくるわけです。

ただ、たとえ本来の能力としてクリエイティブな仕事が向いていても、下積の仕事をクリアしないとそこまでステップアップできません。結果して最初の下積作業がクリアできず入口で落ちこぼれてしまうわけです。

そして「能力がない」と評価されると、周囲も本人も誰でもできる単純な仕事へ向かいがち。「社会人が向いていない」と思った私も当時「できるだけ単純な仕事を」と、工場のライン作業の期間工の仕事でとにかく簡単にできることを探していた覚えがあります。

しかし、単純作業に活路を見出すのは落とし穴。単純作業こそが発達障害者の苦手とする分野なんですよね。

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上図のようなイメージにしてみると分かります。発達障害の人は能力に凸凹があります。

普通の人なら難なくこなせる単純作業(赤色の小円)に従事しようとすると、能力不足が余計に目立ってしまいます。

単純作業ゆえ「作業をちゃんとやる」ことでしか成果を出す方法がない。よって人より秀でている部分は評価されることなく、ミスなどのマイナス部分だけが目立つわけです。

こうして人並みの仕事ができない→もっと簡単な仕事を→誰でもできる仕事すらできない→もうどんな仕事もできないと、どんどん負のスパイラルに陥いってしまうわけです。

私自身は結局のところ転職してもそれはそれで希望がないと理解し、サラリーマンを続ける選択をしました。ただ、自分のスタイルと会社でのポジションを獲得するまで数年間地面を這いつくばっていました。
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ADHDに何が向いている仕事?自分の能力を知って活かすことに活路を。

それでは、何を目指していけばよいのでしょうか。

発達障害の人は、職場では「能力がない」と勘違いされがちですが、能力がないのではなく「能力の凸凹が大きい」ことが特徴です。

そのため、解決に向けたアプローチはまず自分の能力の特性を知ること。「本当はできるはず」というプライドを捨て、自分ができないことに目を背けない。その一方で、ネガティブモードになっているときには見えにくい、自分のできることにスポットを当てます。

次に「1能力の凸の部分を活かす仕事」「2能力の凹の部分が目立たない仕事」を、「普通」に影響されることなく志向していくわけです。

なお、誰でもできる単純労働は、1の突出した能力を活かすことができず、2の能力が不足する部分が目立ってくるから、選択すべきでない仕事ということになります。

特定分野を極める仕事へ。

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研究者や技術者など、専門的な分野で得意な能力を活かしていくことで、能力の尖った部分を長所として活かすことができます。

先日「一般向けの本を書いたから読んでくれ
」と、会社の元同期から本が届きました。

彼は私と同じく新入社員時にダメ社員の烙印を押されていた同類。会社をやめて大学院へ行く選択をしたときは「学者の世界も出世競争。サラリーマンが務まらないのに学者で通用するわけがない」との下馬評でした。

しかし、学問の道を目指した以降は学者としてトントン拍子に出世して最短コースでの教授になりました。サラリーマンを続けていたら、コメンテーターでテレビに登場することなんてできないですよね。

この道の難点は、大学や大学院に行って学歴をそれなりに積むステップが必要なこと。「会社をやめて大学院」のような選択は、あるていど若いうちだけ。年齢がいってしまった人には、学校に戻って専門職を目指すのは経済的・時間的にロスが大きいと思います。

クリエイティブな仕事で才能を発揮。

f:id:bg4kids:20190424063543j:plain作家やデザイナー、イラストレーターや作曲家など、創造的な仕事は、既存の枠や常識にとらわれない考え方・アプローチをもつ発達障害に向いているといわれています。

好きなことや「才能」を感じたらそれを突き詰めてみるといいですね。「俺はゲームが好きでピアノが得意」ということで、ゲームミュージックの作曲家になった同級生がいます。
彼はいろいろなテレビゲームにクレジットしていますが、このように好きなこと、得意なことが仕事につながるといいですね。

問題は、才能が見つかるかどうかでしょうか。そしてそれが思惑どおり花開くかどうか。こればかりはやってみないと分かりません。

得意分野を努力で伸ばして目に見える形に。

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自分で「天才ではない」「才能がない」と感じる人は「努力」で対応するしかありません。

「努力」と言っても、苦手な単純作業をいくらやったところで無理なものは無理。あくまで自分の得意分野。

ミスなどで表面的にマイナス評価されがちなので、資格取得などで能力を形にするといいでしょう。資格なしには業務ができない業務独占資格などを目指すこと、価値が高い一目置かれる資格がいいでしょうね。

もちろん、資格といっても外科医やパイロットなど、ミスを許されないスキルがいる仕事は回避すべきです。

普通のことができないなら、普通の人ができないことをやろう

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発達障害は特性的な問題なので、その根底を変えることはなかなかできません。

  • できないことは「努力してもできない」ことと認識し、回避やカバー策を考えること
  • できることは、積極的に伸ばしたり活用すること

ことが大事だと考えます。

普通の人ができることができない
→誰でもできることをやろう
→誰でもできることができない
が負のスパイラル。

負のスパイラルに陥らないためには、「普通の人ができることができないんだから、普通の人ができないことをやる」方向に持っていくことが重要だと私は思います。