古代インカ帝国の財宝が眠る神殿を探検する、インディージョーンズ的なテーマのカードゲーム「インカの黄金(Incan Gold/Diamant)」です。
アニメ「放課後さいころ倶楽部」第3話に登場しています。
進むべきか戻るべきか、それが問題だ。
テーマと目的
君たちは冒険家。古代インカ帝国の神殿を探索するために選ばれた。
神殿には黒曜石、トルコ石、そしてきらめく黄金など、莫大な財宝が眠っていると言われている。
ただ神殿には危険があふれていて、宝を持ち去るのは決して容易ではない。タイミングを知る者こそが、財宝を手にして帰還する勝者となるだろう。
「インカの黄金」は、神殿に潜って財宝を集め、キャンプに持ち帰るのが目的のチキンレースが特徴のゲームです。
内容物
プレイヤーの駒は8色のカラフルなミープルが8つ。他のゲームに見かけないコンポーネントとして、紙製のテントが目をひきます。このテントはプレイヤーの得点や駒を隠すために使用します。
得点を示す財宝チップが110個。緑のターコイズが1点、黒の黒曜石が5点、ゴールドの金塊が10点を示します。
カードはラウンドを示す5枚の神殿カード。それぞれの遺跡に眠る古代遺産カードが5枚。
そしてメインに使用する探検カードが30枚。内訳で財宝カード15枚と災害カード15枚に分かれています。
準備
各プレイヤーは好きな色のプレイヤー駒と、テントを1つずつ受け取ります。
5枚の神殿カードはテーブル中央にレベルの大きなものが上になるようにピラミッド状に並べます。
遺跡カードの下には、「古代の遺物が眠っている」ということで、レベルに対応した遺物カードを裏向きで1枚入れます。
探検カードをシャッフルして山札とすれば準備完了です。
インカの黄金のルールとゲームの流れ
5つの神殿に眠る宝を探す5ラウンド制のゲーム。各ラウンドでは、探検カードをめくっていき、発見した財宝を山分けにして集めた財宝を競います。
ただし、災害カードが2回登場するとアウト。見つけた宝を捨て、ほうほうの体で逃げ帰ることになります。宝を手にして安全なうちにキャンプに帰還することが肝要です。
各ラウンドは、神殿カードの下にある遺物カードを探検カードに混ぜてシャッフルしたらスタートです。
まずそれぞれのプレイヤーは神殿を「奥に進む」「帰還する」のどちらかにするか選択をします。
具体的には、テントなどを活用しながら、進みたいプレイヤーは駒を手に握り、帰還したいプレイヤーは握ったフリをします。
そして、せーので一斉に拳をひらきます。
駒を握っていたプレイヤーが先に進む勇気あるプレイヤーです。
進むを選択したプレイヤー
進むプレイヤーが1人でもいれば、山札から1枚めくってオープンにします。
財宝カードが出れば、財宝の山分けです。対応する財宝をプレイヤー同士で均等に分配します。余りが出たら、財宝カードの上に置いておきます。
例えば進むプレイヤーが3人で、財宝が17であれば、5ずつ受け取り、余りの2を財宝カードの上に残します。
ただし見つけた財宝は、安全に持ち帰るまで自分のものではありません。いったん自分のテントの脇においておきます。
オープンになったカードが災害カードだった場合、もし出たカードが1回目であれば災害の兆しということで何も起こりません。
上のように同じ災害カードが2枚出たらアウト。そのときに進むを選択していたプレイヤーは、そのラウンドで獲得した財宝を全て失いラウンド終了となります。
遺物カードが出たら、古代の遺物の発見です。ただし遺物は山分けができません。
次に単独で帰還するプレイヤーが持ち帰りますが、いったんは見つけただけなのでカードをオープンにするのみとなります。
帰還を選択した場合
帰還を選択すると、見つけた財宝をキャンプにもちかえることになります。
置き去りになっている宝を拾って帰るということで、これまでの場札の上に置かれた財宝を、帰還するプレイヤー同士で山分けします(余りがでたらカードの上に残します)。
さらに、遺物カードがあって帰還するプレイヤーがひとりだけの場合は、そのプレイヤーが遺物カードを受け取ります。
テント脇にある財宝をテントの中に入れて財宝を確定。全員が帰還するまでラウンドを続行します。
勝敗
全プレイヤーが帰還を選択、あるいは災害遭遇で強制帰還となった場合はラウンド終了です。新たな遺物カードを山札に入れて、全員で新たなラウンドをはじめます。
5ラウンドが終了したらゲーム終了です。
遺物を換金して獲得した財宝を比べ、一番たくさんの財宝を獲得したプレイヤーが勝利します。
のるかそるか!チキンレースの醍醐味が凝縮。
プレイヤーの行動は「行くか戻るか」のたった2択。「そろそろヤバイかな。戻ろうかな」「ここで戻ればアイツが宝を独り占めだ」など、シンプルなのに悩ましいです。
盛り上がってくるのは終盤近いラウンド。
リードしているプレイヤーは、さっさと帰還してリスクを取らず適当に逃げ切りたいところです。しかし一方で負け込んでいるプレイヤーはどこまでもリスクを負えるので、潜っていきます。
「まだ進む!」「まだまだ!」と果敢に挑むことで、奥の財宝を独り占めして大逆転できることも。まぁ大概は自滅していきますが…。
8人まで遊べますが、みんなが同時に行動を選択するので、ダウンタイム(他のプレイヤーの思考による手待ち時間)がなく、他人数でもダレずにスピーディに進行するところもいいところ。
子供の学びの観点では、見つけた財宝をシェアする過程で「15を4人で分けたら何個ずつで余りは?」となるので割り算の勉強になります。小学校低学年くらいの子が「財宝の山分け」を通じて簡単な割り算がマスターできるわけですね。
シンプルなルールなので誰でも遊べ、それでいてプレイヤー間の駆け引きもしっかり。初めてボードゲームに触れる人にもおすすめできる文句なしの名作ゲームです。
項目 | 公式表記 | コメント |
---|---|---|
年齢 | 8歳以上 | |
時間 | 20分 | |
人数 | 3-8人 | |
日本語化 | 不要 | 説明書のみ |
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
ルールの易しさ | ★★★★★☆ | 子供でも簡単 |
大人も楽しい | ★★★★★ | 大人も子供も楽しい |
2人でも楽しい | ★☆☆☆☆ | 物理的にはできなくはないけれど |
総合評価 | ★★★★★ | チキンレースが熱い! |
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