有名なボードゲームには、改良を加えた派生作が登場します。1999年リリースの2人用ボードゲームの名作「ロストシティ」はテーマを変えて「ケルト」となり2007年ドイツ年間ゲーム大賞となりました。
ロストシティの最近の派生作、テーマを変えず競りの要素が加わり4人まで遊べるようになったロストシティ・ライバルズ(LOST CITIES:RIVALS)です。
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遺跡をルートを開拓し多くの名声を獲得しよう。
テーマと目的
見捨てられた山合いの寺院、朽ちたストーンサークル、海底に沈んだ都市、石器時代の集落、山奥に密められた都市。地球の最果てにある神秘の地に導く探検ルートを開拓しよう。君たちの目的は、最大限の名声を得るべく探検計画を立てることだ。望むなら、自分の探検成功にさらに投資を募ることもできる。
ただし気を付けろ。君だけが冒険者ではない。どのルートにどれだけの金をかけるべきか、価値を見極めなければならない。綿密に計画し、限られた資源を賢く使うのだ。最も名声を獲得できたプレイヤーが勝者となるであろう。
ロストシティ・ライバルズ(LOST CITIES:RIVALS)は、5つの探検ルートのカードをオークションで獲得し、得点を集めるゲームです。
内容物
箱の中には、カードと紙製のチップが36枚入っています。
カードは、5色で2~10までの数字が記載されたメインの探検カード。同じく5色で握手マークがついているのが投資カード。探検カードと裏面が異なるデザインのものが初期投資カードです。中央に「1」が描かれたものがスタートプレイヤーカードです。
各色の探検カードは、2~5までが2枚ずつ、6~10が1枚ずつあります。
準備
初期投資カードをシャッフルし、プレイヤーに2枚ずつ配り、残りをしまいます。
探検カードと投資カードをシャッフルして山札とし、4等分にして4つ山札を作成します。
最初の山札をテーブル中央に置き、チップをプレイヤーで等しく分けたら準備完了です。
スタートプレイヤーは「一番誕生日が近い人」。スタートプレイヤーカードを受け取ります。
ロストシティ・ライバルズ(LOST CITIES:RIVALS)のルールとゲームの流れ
探検カードをオークションで獲得し、得点をたくさん集めるのが目的です。カードゲームでは珍しい手札がないゲームです。
スタートプレイヤーから時計まわりで進行し、手番でできる行動は「A 山札をめくる」「B オークションを開始する」のいずれかです。
A 山札をめくる
山札の1番上の1枚をめくって場札として公開します。すでにカードがある場合は横に並ぶので、このアクションが続くと、場にだんだんカードが増えていきます。
B オークションを開始する
場に並んでいるカードを手持ちのチップを使ってオークションで獲得します。
手番プレイヤーから時計回りに、前の人より多いチップを使って入札します。入札したくなければパスをし、そのオークションからは降りることになります。
最高額を入札したプレイヤーが以外がパスをしたら落札です。落札者は入札したチップを支払い(テーブルの脇にプール)、次の行動をとります。
- 場の好きなカードを受け取る(何枚でも)
- 場のカードから1枚を箱に戻す(任意)
- 山札から1枚めくって場に追加する
受け取ったカードは、自分の前に色ごとに並べます。ただし、カードの並びは数字が昇順になるように同じカードか大きい数字のカードを置かなければなりません。また、投資カードは数字の探検カードを並べる前の最初にしか置くことができません。
したがって、例えば4のカードがすでに置いてあれば、1、2、3の冒険カードや投資カードを受け取ることができません。
落札者の行動が終わったら、その左隣のプレイヤーが次のスタートプレイヤーカードを受け取り、ラウンドを再開します。
勝敗
山札の最後の1枚ががなくなったら、いったんゲームを中断します。そして過去のオークションでプールされているコインをプレイヤーに再配分(割り切れない余りはプール)し、次の山札をもってきてゲームを再開します。全部の山札がなくなったらゲーム終了となります。
得点は色ごとにカード上部の足跡マークの数を合計します。さらに投資カードが1枚あればx2倍、2枚であればx3倍と得点を倍増させます。最後に4枚以上冒険カードが並んだ列に8点のボーナス、手持ちのチップを1枚1点でカウントし合計得点が高いプレイヤーが勝者です。
上であれば、白:6x2=12、緑:2x2=4、青:4x3=12、赤:6、黄:3、ボーナス8(赤)
競りで相場が動く中、チップのマネジメントと駆け引き
最初に配られるチップ数はみな同じ。どのタイミングでどれだけのチップを使うかが腕の見せどころ。いいカードが来たと思って一度にたくさんのチップを使ってしまうと、次に良いカードが出ても競り落とせなくなります。
一方で、チップを温存し他人が競り落とすのを指をくわえて見ていると、カードは簡単にとららてしまうかも。
投資カードで得点が大幅に増やせるので、ライバルの投資カードを見ると集めたい色がわかります。相手の欲しそうなカードがでるオークションでは価格を釣りあげライバルにチップを多く使わせるのも戦略です。
数字が大きいカードは高得点。でも大きい数字を先にとると、それより小さい数字はとれなくなる。ケルトシリーズの悩ましさはここでも現在です。
ルールは決して難解ではなく、競りゲームの中では相場観がつかみやすい方ですが、うちの子供にはちょっとまだ早いかな。ボードゲームに慣れていない人は、本家ロストシティの方がとりかかりやすいと思います。
どんなにいいカードをめくっても、競り落とせなければ手に入りません。デザイナーのライナー・クニツィア氏が得意とする競り要素が加わったことで、本家より運の要素は小さめで駆け引き要素がぐっと強くなった本作。プレイヤー間の駆け引きを楽しみたい人にはもってこいの硬派なゲームです。
項目 | 公式表記 | コメント |
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年齢 | 10歳以上 | |
時間 | 30分 | |
人数 | 2-5人 | |
日本語化 | 不要 | 説明書のみ |
項目 | 評価 | コメント |
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ルールの易しさ | ★★★☆☆ | まぁ簡単 |
大人も楽しい | ★★★★★ | 大人向け |
2人でも楽しい | ★★★☆☆ | 一応楽しめる |
総合評価 | ★★★☆☆ | 駆引きを楽しめる |