ボードゲーム愛好家の中で、近頃「紙ペンゲーム」が流行しているようです。
紙ペンゲームとは、用紙と筆記具を使用して遊ぶアナログゲームの1ジャンル。英語ではPaper and pencil games、ダイス(サイコロ)を使用するものはRoll'n write gamesとも呼ばれます。
紙ペンゲームの流行は、2018年のドイツエキスパートゲーム賞に「ガンシュンクレバー」がノミネートされて脚光を浴びたことがきっかけのようです。
話題のガンシュンクレバーのご紹介はまたそのうちに…。万年初心者の私が紹介する紙ペンゲームとしては、ボードゲーマーが好む最新メカニクスのボードゲームより、周回遅れでもシンプルスタンダードなものが合っているかも。
というわけで、紙ペンゲームでも、今の流行りではなく時をさかのぼること5年前。2013年のドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされた「クウィックス(Qwixx)」です。
この年のドイツ年間ゲーム大賞は「花火」。紙ペンゲームの初受賞とはならず、カードゲームが初の大賞となりました。
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ダイスを転がしマスを潰していこう
ゲームの目的
Qwixxは、5色6個のダイスを転がして、でた目に応じて専用シートのマスをマークすることで得られる得点を競うゲームです。
内容物
箱を開けると、中にはメモ用紙のような専用シートと、ダイスが6つと、簡素な内容物です。
準備
プレイヤーに各自1枚ずつシートを配ります。スタートプレイヤーをきめれば準備完了です。
Qwixxのルールとゲームの流れ
順番にサイコロを振って、出た目に応じたシートのマス目をマークしていきます。マスは4色4行に分かれており、同じ色の行をたくさん消すほど高得点。ゲーム終了までに獲得する得点を競います。
順番が来たらと、白2個とカラー4色の計6個のダイスを振ります。
振った目に応じて、マスを消せるチャンスが最大2回あります。自分のシートのマスを消していきましょう。
ただ、消していく際は、行の左からという縛りがあり、すでに消したマスより左側にあるマスを消すことはできません。
早くから右側のマスを消してしまうと、消すところがなくなってしまいます。
チャンス1)白ダイスの合計(全員)
2つの白ダイスの目の合計と同じマスについて(色はどれでも可)、ダイスを振ったプレイヤーも含め誰でも消すことができます。
チャンス2)白ダイス1個+カラーダイスの合計(手番プレイヤーのみ)
任意の白ダイスひとつとカラーダイスひとつの合計のマスを、該当するカラーダイスの行から消すことができます。
白ダイスが2個と、カラーダイス4個なので、最大8つのマスから選択することができますね。
パス
手番のプレイヤーは、少なくとも1つはマスを消す必要があります。
消せるマスがない、あるいは数字が飛びすぎるなどでマークしたくない場合は、パスをすることができます。
パスを選択した場合には、右下のパスのマスをチェックしていきます。パス1回につきマイナス5点、4回パスするとゲームオーバーですので、なるべくならパスは避けたいところです。
カラーダイスのロック
シートの一番右の2、12のマスを消すことができた場合には、そのカラーダイスにロックがかかります。
一番右の錠マークを消し、その色のダイスをゲームから除外します。
他のプレイヤーがカラーダイスを使えなくなるうえに、鍵マークを消したマスも得点計算にカウントされることから、ロックができたプレイヤーは優位に立つことができます。
チマチマ地味だけどジレンマたっぷり。
サイコロの出目に応じてマスを消していき、消した数に応じて勝敗がきまるということで、一見するとビンゴゲームのような印象です。
ただ、100%運で勝敗が決まるビンゴと異なり、Qwixxはプレイヤーの選択肢があり、選択次第で勝負の行方は大きく変わってきます。
また、個人でチマチマやっているかに見えてら他のプレイヤーとの駆け引きもしっかり。特にゲーム終了のタイミングは、他のプレイヤーによって大きく左右されます。
粘りに粘ってたくさん消していきたいところですが、カラーダイスがロックされたりゲーム終了となったりしてはたまりません。戦況を見極めながら、早めに消すのかじっくり勝負するのか判断していきます。
サイコロと紙だけ。簡単に自作ができる内容物(ネットにはシートのPDFデータなどもあったりします)で、正直いって見た目はとっても地味です。
最近ではTVでボードゲームが取り上げられることが増えてきましたが、このゲームはTV映えしないので紹介されないことでしょう。
また、手元のシートを鉛筆でチマチマ消していくスタイルなので、はたから見て「あれやってみたい」とはなかなか思えないかも。
そんなイマイチなビジュアルですが、中身はピカイチ。ひとたび遊べばドイツゲームらしいシンプルなシステムでのジレンマの虜になります。
数字はただ順番に並んでいるように見えて、2や12など両端になるほど出にくいもの。序盤戦の「どこで割り切ってスタートするか」と、終盤の「消せる数字がない!」という状態が特に悩ましいです。
「4消したのに2が出た!」「え〜、もう終了?」など、判断が裏目に出ることもよくあり、終わったら「もう一回!」と再チャレンジしたくなること請け合いです。
コンパクトで場所をとらないので、箱に鉛筆を忍ばせてこの夏の旅行の機内持込ボードゲーム候補となっています。
もはやあまり流通していないようなので若干入手しにくいですが「紙ペンゲームって何?こんなの面白いの?」という人にはまず一度遊んでみてほしい、正統派の紙ペンゲームです。
項目 | 公式表記 | コメント |
---|---|---|
年齢 | 8歳以上 | 6歳くらいから遊べるかも |
時間 | 15分 | |
人数 | 2-5人 | |
日本語化 | 不要 | 説明書のみ |
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
ルールの易しさ | ★★★★☆ | 比較的簡単 |
大人も楽しい | ★★★★☆ | 大人が楽しい |
2人でも楽しい | ★★★★☆ | 2人でも楽しい |
総合評価 | ★★★★☆☆ | 紙ペンゲームの代表作 |
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