「樹木園」という言葉を聞いたことはありますでしょうか?学術目的などで、様々な種類の樹木を植えている場所のことです。
植物園、果樹園は聞いても樹木園は耳慣れません。私は樹木園という言葉自体をこのゲームで知りました。
というわけで、この樹木園がテーマのカードゲーム「アーボレータム(ARBORETUM)」です。
素晴らしい樹木園を作ろう。
テーマと目的
色とりどりの木々で作られた樹木園ほど、自然の美しさを際立せてくれるものはありません。
美しいサクラの花や、芳しいハナミズキ、力強いオーク…。そこはまさに天国です。
ただ、自然を愛する者たちを魅了できるかは、美しい並木の樹木園を作る者の腕次第。
どの樹木を植えて、どう並木を作っていくか。プレイヤーの選択が樹木園の魅力につながります。
内容物
樹木がデザインされた箱を開けると、カードが80枚と得点計算用シートが入っています。
カードは、トランプのように数字と絵柄で構成されています。
数字は1〜8まで。トランプでいうところのスペードやハートにあたるスートは、カラフルな10種類の樹木で表されています。
- Blue Spruce(トウヒ)
- Cassia(カッシア)
- Cherry Blossom(サクラ)
- Dogwood(ハナミズキ)
- Jacaranda(ジャカランダ)
- Maple(カエデ)
- Oak(オーク)
- Royal Poinciana(ホウオウボク)
- Tulip Poplar(イエローポプラ)
- Willow(ヤナギ)
木に関して知識のない私には、サクラ、カエデ、ヤナギ、ハナミズキくらいしか分かりません……。
準備
遊ぶ人数によって、使用するカードの枚数が異なるので、人数に応じてカードを抜きます。
- 4人80枚(全部のカード)
- 3人64枚(2種類抜く)
- 2人48枚(4種類抜く)
カードをシャッフルし、裏向きに手札として7枚ずつ配れば準備完了です。
ボードゲームではお約束のスタートプレイヤーは、一番最近木に水をあげた人です。
アーボレータム(ARBORETUM)のルールとゲームの流れ
順番にカードを自分の場に出していき、他のプレイヤーに負けない樹木園を作っていくことが目的のゲームです。
このゲームにおける樹木園の価値は並木で、下記のルールで縦や横に並ぶ樹木カードの連続を示します。
- 最初(一番小さいカード)と最後(一番大きいカード)が同じ樹木で構成されること
- カードの数字が昇順になっていること
カードの並びは途中で縦から横になるなど一筆書き状であればOK。また、ひとつのカードが複数の樹木園を構成していても構いません。
手番における行動は、「カードを2枚とる」「1枚自分の場に出す」「1枚カードを捨てる」の順に行います。
1)カードを手札に加える
カードを2枚とって手札に加えます。これにより手札が一時的に9枚になります。
カードは、裏向きになっている山札または、表向きで公開されているプレイヤー(自分も含む)の捨て札からとることができます。
2)手札からカードを出して並木を作る
9枚となった手札のなかからカードを1枚選び、自分の場に出します。
出す際は、すでに出しているカードと縦横が隣接するように並べていきます。
3)カードを捨てる
8枚になった手札のなかから、1枚のカードを山札の横の捨て札置き場に表向きで捨てます。
これで手札が7枚に戻って手番終了。左隣のプレイヤーの手番となります。
ゲームが進むにつれてできていく並木は以下のようなイメージになります。
ゲームの終了と勝敗
山札のカードがなくなったら、その人のターンでゲーム終了です。
終了後は各プレイヤーの樹木園にできた並木で得点計算をしますが、並木は樹木ごとに手札の数字一番大きい人のみが得点できます。
「カエデ、わたしはもってない」「僕は5がある」「7がある私が得点ね」というように、樹木ごとに一番高いカード※を持っている人が得点権者です。(※通常は8が一番強いですが、1をもっているプレイヤーがいる場合は1が8より強くなります)
なお、場に当該樹木の並木がなく得点権のみ獲得する(他のプレイヤーの妨害をする)ことも可能です。また、誰も得点権者がいない樹木は、全てのプレイヤーが得点権を得られます。
権利を得られた樹木園から得られる得点は下記の通り。
- 並木を構成するカードの枚数×1点
- 4枚以上の同じ樹木で構成される並木は、上記に加えさらに枚数×1点
- 並木が1から始まっていたら+1点
- 並木が8で終わっていたら+2点
シートを使って記録していき、得点の高いプレイヤーが勝利します。
2枚とって1枚出すだけ。だけど悩ましさ抜群の骨太カードゲーム。
ルールはとっても簡単。毎回2枚とって1枚捨て1枚出すだけ。しかしながら、どう得点を高めるのかの戦略が悩ましいです。
どの樹木をコアにした並木をつくるのか。手札とすでに出したカードをにらみつつ、大きな並木ができるようカードを並べていきます。
いくら立派な樹木園を作っても、得点権を獲得できなければ意味はありません。ゲーム終了時の競りも重要。権利だけとって他人の並木をつぶしてしまうのも戦略です。
いろいろ考えていくと7枚しかない手札のやりくりがどんどん苦しくなってきます。手札のマネジメントが重要なゲームです。
雰囲気でいけば、ロストシティのような系統でしょうか。
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カードの並びは縦横自由自在で、どのカードから始めていいので、戦略の自由度が高く制約が少ないので、それゆえロストシティより難しいかも。
対象年齢は8歳以上に設定されており、ルールは8歳以下でも十分理解できるものですが、勝ち筋を見極めるのは子供にはなかなか難しいかも。
少なくともうちの8歳児にはちょっと厳しく、うちの家ではしばらくはお蔵入りとなりそうです。
カードの種類が増えるほど考慮する要素とプレイヤーが増えるので、人数が増えるほど複雑になります。4人プレイでは遊んだことはないですが、私の頭じゃ勝てる気がしません。
ルールは簡単だけ考えどころはたっぷり。見かけの美しさとは裏腹に中身はかなり硬派。シンプルで悩ましいゲームを求める人にはもってこいのかなり骨太なカードゲームです。
項目 | 公式表記 | コメント |
---|---|---|
年齢 | 8歳以上 | 8歳くらいでは勝つための戦略が難しいかも |
時間 | 30分 | |
人数 | 2-4人 | 人数多いほど複雑に |
日本語化 | 不要 | 説明書のみ |
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
ルールの易しさ | ★★★★☆ | 誰でも簡単 |
大人も楽しい | ★★★★★ | どちらかといえば大人向け |
2人でも楽しい | ★★★★ ★ | 2人でも4人でも |
総合評価 | ★★★☆☆ | シンプルだけど悩ましさ抜群 |
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