1988年ドイツ年間ゲーム大賞を受賞した名作「エルフェンランド(Elfenland)」。都市を旅するエルフが主人公のファンタジー世界(最近でいえば異世界かな?)を舞台にしたボードゲームです。
アニメ「放課後さいころ倶楽部」では、第9話に登場しています。
エルフの国を旅してたくさんの都市を訪れよう
テーマと目的
エルフが住まう国エルフェンランドでは、成人の儀式として若者に特別な試練が与えられます。試練の内容は、エルフェンランドの地図を手にして期間内にできるだけ多くの都市を回ることです。
エルフェンランドの移動には、ドラゴン、ユニコーン、大イノシシ、エルフの帆走車、トロールの力車、魔法の雲、イカダを使います。
地形によって利用できる移動手段は異なり数に限りもあります。移動手段を駆使して、この試練で都市を巡って一番の栄誉を獲得するのは誰でしょうか。
内容物
中サイズの箱には、8つ折りの大き目のゲームボードが入っていて、スカスカが当たり前のボードゲームの中では中身がぎっしり入っている印象です。
内容物は、カードとタイルとコマで構成されます。
カードはメインに使用する移動カードが72枚。その他スタートプレイヤーカード、目的地カード(発展ルールで使用し今回は登場しません)、ルールを示す一覧カード、ラウンド表示カードに分かれています。
タイルは、移動カードと対応する移動手段タイルと妨害タイルがあります。
たくさんあるコマは、円柱型のものが訪問地コマ、長靴型のコマがプレイヤーを示すエルフのブーツコマです。
準備
プレイヤーの色を決め、ゲームボードを広げてボード上の各都市に訪問地コマを各色1つずつ配置していきます。
エルフのブーツコマは、スタート地点であるElvenholdに置きます。
移動カードは山札としてボード脇に裏向きでおき、ラウンド表示カードは1が上になるようにボード右上。一覧カードと障害タイルはプレイヤーに1枚ずつ配って残りをしまい、移動手段タイルを裏向きにシャッフルして5枚のみオープンにすれば準備完了です。
スタートプレイヤーは、「一番年上の人」。スタートプレイヤーカードを受け取ります。
エルフェンランド(Elfenland)のルールとゲームの流れ
移動手段を使って都市を移動しながら、訪問地コマをたくさん集めるのが目的です。
4ラウンド制で、各ラウンドは「1)移動ルートの設定」「2)エルフの移動」の2フェイズで構成されます。
ラウンド開始時に、手札が8枚になるように移動カードを配ります。また、移動手段タイルは手持ちに関わらず、4枚のタイルを1枚ずつ順番にひいていきます(オープンのタイルからひいた場合はオープンタイルを補充)。
1)移動ルートの設定
都市を結ぶ道に移動手段タイルを配置して、そのルートの移動手段を決めていきます。一度決めた移動ルートは変更できず、誰でも利用できます。なので自分が持っている移動カードがうまく使えるアクセスのよいルートに設定するのが大事です。
スタートプレイヤーから移動手段タイル(または障害物タイル)を1枚ずつ配置していき、もう置きたくなければパスを宣言します。全員がパスとなったらこのフェイズは終了です。
2)エルフの移動
移動カードを使ってエルフのブーツコマを移動させます。エルフを動かしたいルートを決めたら、その道に置いてある移動手段タイルに対応したカードを出すと移動ができます。移動した都市に自分の色の訪問地コマがあればコマを獲得します。
移動カードには、種類に応じて通れる道と使用するカード枚数が異なります。「大イノシシは森と平地のみ1枚のカードで移動可能」「トロールの力車はどの道も通れるが平地以外は2枚カードが必要」という具合に、一覧カードに記載されています
障害タイルが置いてあるルートには、移動カードが1枚余計に必要になります。
川はタイルなしでも渡れますが、流れがあり、下りは1枚、登りは2枚のイカダカードが必要になります。
湖は2枚のイカダカードでタイル不要で進むことができます。
移動手段タイルに対応するカードがない道も、同じカードを3枚(障害タイルがあるときは4枚)を出す「キャラバン」で移動することができます。
移動カードを使い切るか、移動したくないことを選択した場合には手番終了で、次のプレイヤーの移動フェイズとなります。
全てのプレイヤーが移動を終えたらラウンド終了です。ゲームボード上のタイルを取り、移動手段は山に戻し、障害タイルはゲームから除外します。
手持ちの移動手段タイルは1枚だけ残して山に戻し、移動カードは8枚になるように補充。ラウンドカードは次のカードにし、スタートプレイヤーカードを左隣に渡し、次のラウンドを開始します。
ゲームの終了と勝敗
4ラウンドでゲームは終了します。獲得した訪問地コマを比べ、訪問地コマを一番多く集めたプレイヤーの勝ちとなります。
美しいデザインとテーマ性が光る
ドラゴンのような強力移動カードをもっていても、移動手段タイルが置かれていないと使えません。
移動カードの使い道を決定する、移動手段タイルを置くフェイズが一番の考え所です。
「いかに自分の有利なルートを確保するか」「できるだけライバルに塩を送らないようにするか」「いかに他人のタイルに相乗りするか」で、タイルを置いていきます。
移動フェイズでは、それぞれのプレイヤーの思惑でルートが設定された状況をふまえ、手持ちの移動カードを活用して効率的に都市を回ることを考えていきます。
まるでテーマパークに行って「アトラクションをできるだけたくさん効率的に回ろう」と考える感じです。
このゲームで魅力的なのは何といってもテーマ性。「エルフになってドラゴンやユニコーンに乗ってファンタジー世界を旅する」なんて、もはやおじさんとなった身でもワクワクするようなテーマ。そしてこのテーマとゲームシステムがしっかりマッチしています。
一人ひとりの手番が長めなので、シンプルなルールの割に特に多人数での手待ち時間が掛かるのが難点ですが、30年以上前の作品とは思えないほど完成度が高いです。テーマが気にいる方にはおすすめできるボードゲームです。
項目 | 公式表記 | コメント |
---|---|---|
年齢 | 10歳以上 | |
時間 | 60分 | |
人数 | 2-6人 | 人数に比例して時間がかかる |
日本語化 | 不要 | 現在流通しているものは日本語含む多言語版 |
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
ルールの易しさ | ★★★★☆ | 比較的簡単 |
大人も楽しい | ★★★★★ | 大人が楽しい |
2人でも楽しい | ★★☆☆☆ | 2人でもできるが |
総合評価 | ★★★★☆ | 美しいボードとテーマが魅力的 |
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