カードゲーム「緑の召喚術師(Fast Forward:Fortress)」。ユニークな作品が多いことで有名なボードゲームデザイナー、フリードマン・フリーゼ氏が提唱したファストフォワードシリーズの第2段です。
www.boardgamepark.com
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ルールを知らなければボードゲームは普通遊べません。ゲームにはルールブックがあり、はじめる前にはルールを説明する「インスト」といわれる工程があるのが常識です。
ファストフォワードシリーズは、その常識をくつがえしルールを知らなくてもゲームが始められるという「てっとりばやく遊びたい」人にとっては画期的なシステムです。
城塞を巡っての攻防戦
テーマと目的
遠くに現れた立派な城塞。これは手に入れるしかない!
兵力を召喚して攻略し、またはライバルの攻撃を防いで自分の城塞を確保しよう。
「緑の召喚術師」は、召喚兵カードを使って城塞の占拠を競うカードゲームです。
内容物
緑がトレードマークのフリードマン・フリーゼのデザインということで、パッケージはもちろん緑が基調。中に入っているのは普通よりひとまわり大きいサイズのカードが90枚。あとは中断用の透明ケースが入っているだけで、ルールブックは入っていません。
準備
カードをシャッフルせずに番号順で裏向きの山札とします。スタートプレイヤーを適当に決めたら準備完了です。
「緑の召喚術師(Fast Forward:Fortress)」のゲームの流れ
上からカードを1枚ずつめくっていき、ルールはカードをめくっていく中で適宜指示されます。ネタバレになるので詳細は省略します。
手番では基本的に、
- 山札からカードを1枚引く
- 召喚兵カードを使って城塞を攻略する
のいずれかの行動をすることになります。
山札から引いたカードに「ただちに公開」と書かれていれば、場に公開します。上はプレイヤー同士で奪いあう対象である城塞カードです。
手札に加えていくカードには、上のような召喚兵カードがあります。右肩の数字が強さを示し、これがプレイヤーの戦力となってくれます。
城塞を攻略する際には、手札から攻撃部隊として召喚兵カードを複数枚、裏向きで出していきます。
城塞を無事攻略できたら、攻撃部隊はその城塞の防衛部隊となります。すでに防衛部隊がいる城塞を攻略するには、防衛部隊の戦力をうわまわる攻撃部隊が必要となります。
勝敗
途中で登場する砂時計カードが3枚でたら、いったんゲーム終了。その時点で城塞を占拠しているプレイヤーの勝利です。
さらに新たな山札をめくっていき次のゲームに進みます。最終的に占拠した要塞の数が多いプレイヤーの勝利となります。
ルールが変化していく不思議な感覚
手番では城塞を攻略するか、カードをひいて戦力を増強するか、ふたつにひとつの選択。
攻撃してばかりいると戦力は増えず、一方で戦力増強ばかりしているとライバルが城塞を攻略してしまいます。どの段階で城塞を攻略するかが悩みどころです。
城塞は登場したばかりのときは防衛兵がいないので、早く攻めれば少ない兵力で占拠することができます。ただし、一方で弱い兵力ではすぐに奪われてしまいます。
投入する戦力量は大事ですが、防衛部隊は裏向きで見えないので、枚数だけ増やし「強く見せかける」、少数精鋭で「弱く見せて攻撃を誘う」ブラフの要素も大事です。
基本はトランプの「戦争」のように、カードを出して大きい数字が勝つゲームですが、ラウンドが進むたびに新たなカードやルールが増えていくため、単調ではなく変化が楽しめます。
ただ一方で、途中で追加ルールの説明が入るため、残念ながらテンポは決してよくありません。
ルールブックなしで楽しめるといっても、ルール説明が「最初にまとめて説明」から「途中途中で説明」に変わって、ゲームの途中でルールを読むシーンが頻発します。中断が多いので、うちの子だけかもしれませんがダレてしまうことも。
また、途中で登場する新ルールをその場で読み上げることになるため「大人が事前にルールをしっかり理解して子供にわかりやすく伝える」ことがなかなか難しい。なので理解力に乏しい子供と一緒に遊ぶにはちょっとハードルがあるかもしれません。
なにはともあれ、ゲームが進むにつれて新たなルールで内容が変化していくのはファストフォワードシステムならではの魅力。シリーズにはノイ風のチキンレース「緑の幽霊屋敷」、協力ゲーム「緑の国のアリス」、セットコレクションの「緑のカジノロワイヤル」が出ていますが、この独特な感覚をぜひ遊んで体感してほしいです。
「緑の召喚術師」は、通しで遊んでも1時間そこそこくらいで終わるでしょうか。カードのみですがルールの追加によって攻防が変わっていき、遊びごたえたっぷりのゲームです。
項目 | 公式表記 | コメント |
---|---|---|
年齢 | 10歳以上 | |
時間 | 15分 | ひととおりで1時間半ほど |
人数 | 2-4人 | |
日本語化 | 必要 | カードの解説を読むことが進行に不可欠 |
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
ルールの易しさ | ★★★★☆ | 複雑な点はない |
大人も楽しい | ★★★★★ | 大人向け |
2人でも楽しい | ★★★★☆ | 2人でもなかなか楽しい |
総合評価 | ★★★☆☆ | 楽しめる |
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