オリエンタルラジオのあっちゃんこと中田敦彦氏が考案した、カードゲーム「XENO(ゼノ)」。発売以来 Amazonのカードゲームのベストセラーに居座り続けている人気のカードゲームです。
1枚の手札で読み合い勝負だ
テーマと目的
まるで群像劇のようなゲームの世界感は、公式ホームページを参照するとよいと思います。
www.happybrainwash.com
内容物
ケースはまるでタバコの箱のような小サイズ。ポケットからサッと取り出して遊べそうな感じです。
ただ、キャラメルボックス型の開け口は、開け閉め繰り返すとヘタってくるので個人的には好きではありません。
中にはカードが22枚。価格の割にチープ感はなく、しっかりした作りです。
メインで使用するのがゲームカード18枚の人物が描かれた美麗なカードです。あとは各カードの名称が書かれたルールカードが4枚入っています。
「ルールカード」という割には、カードの名称しか記載されていません。裏面にはQRコードがついており、スマホで写してルールページに飛べるようになっています。
準備
ルールカードを各自手にとり、ゲームカードをシャッフルして、手札として1枚ずつ配ります。残ったゲームカードは中央に裏向きに重ねて山札としますが、1番上の1枚を中身を見ずに横向きに置き「転生札」とします。
スタートプレイヤーを適当に決めれば準備完了です。
XENOのルールとゲームの流れ
手札からカードを出し、その効果で相手の手札を暴くなどやりとりをしつつ、最終決戦で勝負するゲームです。
スタートプレイヤーから時計回りに進行し、手番では、下記の順で行動します。
- 山札からカードをひいて手札に加える
- 2枚になった手札から1枚を出す
- 出したカードの効果を発動させる
カードの効果
カードを出すことで発言する効果は以下のとおり。カード効果は必ず発現し、発現させない選択はできません。
種類 | ランク | 枚数 | カードの効果 | 効果の内容 |
---|---|---|---|---|
英雄 | 10 | 1枚 | 潜伏・転生 | 場に出せず、捨てさせられたら脱落。皇帝以外に脱落させられた時に転生札で復活。 |
皇帝 | 9 | 1枚 | 公開処刑 | 相手を指名し、山札から1枚引かせたうえで手札を公開させる。さらにうち1枚を指定し捨てさせる。 |
精霊 | 8 | 2枚 | 交換 | 指名した相手の手札と自分の持っている手札を交換。 |
賢者 | 7 | 2枚 | 選択 | 次回の手番で山札から3枚引ける。3枚のうち1枚を選び残り2枚は山札へ戻す。 |
貴族 | 6 | 2枚 | 対決 | 指名した相手と手札を非公開で見せ合い、数字の小さい方が脱落。 |
死神 | 5 | 2枚 | 疫病 | 相手を指名して山札から1枚引かせ、相手の手札の一方を指定して捨てさせる。 |
乙女 | 4 | 2枚 | 守護 | 次回の手番まで自分への効果を無効とする。 |
占師 | 3 | 2枚 | 透視 | 指名した相手の手札を見る。 |
兵士 | 2 | 2枚 | 捜査 | 相手を指名して手札を言い当てる。当たると相手は脱落。 |
少年 | 1 | 2枚 | 革命 | 最初の1枚が公開された場合は効果なし。場に2枚目の少年が出た時には皇帝と同じ「公開処刑」が発動。 |
出したカードは自分の前に並べて公開しておきます。
勝敗
ひとり以外のプレイヤーが脱落すれば、その時点で勝者が確定します。
山札がなくなればゲーム終了で、残った手札をオープンにして比べます。数字の1番大きいプレイヤーが勝者です。
名作「ラブレター」を受け継いだ秀逸なシステムと挑戦的な価格設定でコスパ最強
「ゲームは中盤を過ぎたけど『少年』はまだ出ていない。ここは『少年』をキープして2枚目での『公開処刑』狙いにいくか…。」
どのカードを次に残してどのカードの効果で戦うか。「公開されているカード」」「ゲーム終了までのターン」「相手がもってそうなカード」を考えながらの中盤以降の駆け引きが白熱します。
ベースは国産カードゲームの傑作「ラブレター」。ゲームシステムはよく出来ています。
サイトには、原案として密かにラブレターの作者のカナイセイジ氏もクレジットされていました。芸能人本なんて多少のインタビューからゴーストライターが書いているものですし、実質はカナイセイジ氏がゲームをデザインしているのかもしれませんね。
「オリラジ中田考案」はXENOのウリですが、ボードゲーム愛好家にとっては、より「カナイセイジ原案」の方が信頼度は高いかも。
XENOは、本家「ラブレター」からルールを若干改良しており亜種の位置づけです。一番の違いは、いきなりの脱落が少ないこと。他のプレイヤーを脱落させることができるカードは基本的には「貴族」「兵士」なので、脱落が少なく、山札が尽きた後の決戦が勝負の本丸になることが多いです。
最後に残ったカードでの勝負となる意味では、「シンデレラが多すぎる」にも似ています。
早々に脱落して手持ち無沙汰になることはないですが、そもそもラブレター自体5分程度で終わるゲームなので、それ自体がメリットといえるかどうかは微妙。完全に好みの問題です。
私は、やるかやられるかの一瞬で勝負が決着する本家ラブレターの方が好みです。
美麗なカードに洗練されたゲームシステムですが、あえて難点をあげるならカード効果の説明がついていないところ。
Apple製品のようにマニュアルなしでサイトを参照する形式ですが、直感的に操作できるApple製品と違い、ルールがなしでは遊べないので個人的にはほしかったところ。
スマートな見た目にこだわったのかな?少なくとも子供向けには親切ではありません。
発売当時の700円から980円に値上がりしたものの、980円という価格でこのクオリティのカードゲームはなかなかありません。コストパフォーマンスの点ではXENOは群を抜いています。
「かっこいい」「面白い」「安い」の三拍子で、「オリラジ中田」のブランド関係なしに買って損はないおすすめカードゲームです。
項目 | 公式表記 | コメント |
---|---|---|
年齢 | 10歳以上 | 8歳くらいでもできます |
時間 | 5-10分 | サクッと終わります |
人数 | 2-4人 | |
日本語化 | 不要 | 日本語版 |
項目 | 評価 | コメント |
---|---|---|
ルールの易しさ | ★★★★☆ | 理解すれば誰でも簡単 |
大人も楽しい | ★★★★★ | 大人向け |
2人でも楽しい | ★★★★☆ | 2人でも楽しい |
総合評価 | ★★★★☆ | コスパ最強の700円ラブレター |
XENOで初めてアナログゲームに触れた方は、ほかにも楽しいボードゲームやカードゲームがたくさんあるアナログゲームの世界をぜひのぞいてみてください。
www.boardgamepark.com
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