親子ボードゲームで楽しく学ぶ。

世界のボードゲーム・カードゲームを楽しもう!初心者や子供におすすめなライトなアナログゲームを紹介します。

RPG感覚でプログラミング学習ができる無料の「コードクロニクル」をクリアしてみた。

ITエンジニア向けの求職サイトPAIZAが運営する、RPGゲームのように楽しみながらプログラミングが学習できる「コードクロニクル」が2020年1月から無料公開されています。

らいち(id:AzuLitchi)さんのブログでも紹介がされていたこともあり、最終ステージ17まで遊んでみましたのでその感想です。

www.secret-base.org

遠い昔の学生時代。氷河期ということで節操のない就職活動をしていた私は、大手ソフトウェア開発会社に内定をもらいました。

就職ランキングに載る会社でもあり、周囲から「もったいない」と言われながらも悩んだ末に最終的に貴重な内定を辞退することに。

というのも、最終面接に残っていたのは、私以外みんな「一種(今の応用情報技術者)持ってるの当たり前でしょ」という感じの情報系学部の学生ばかり。

文系でITに馴染みのない私がなぜ受かったのかそもそも不明ですが、あまりに場違いな存在でプログラミングスキルなしにやっていく自信がなくてあきらめました。

「逃した魚は大きい」といいますが、あのとき就職を決めていれば今頃エンジニアとして大成していたかもと、今でも思うことがあります。まぁ、すぐ挫折して露頭に迷っていたに違いありませんが…。

 

というわけで、プログラミングは私にとって人生で手に入らなかった、ちょっと特別感があるスキル。

機会があるたびに勉強しようと思うのですが、すぐに挫折してなかなか身につかないんですよね。

そんなヘタレな私でもチャレンジでき最後まで到達できたのが、ゲーム感覚でプログラミングが学べるのが売りの「コードクロニクル」です。

paiza.jp

 

まずは登録

まずはコードクロニクルのサイトを訪問し、ID作成からはじまります。

 

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はじめるにはITエンジニア向け求職サイトPAIZAのIDを取得する必要があります。転職・就職サイトということもあって、入力する項目がそっち系ですね。

なお、登録されるとPAIZA事務局からのメルマガが配信されるようになるため、気になる方は設定で解除することをおすすめします。

 

コードクロニクルの概要

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ホーム画面はスマホゲームのよう、基本は中央の「探索」で進めていきます。

探索には体力が必要で体力が尽きるとあそべません。体力を回復するには、アイテムを使うか時間をかけるしかありません。

 

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対応しているプログラミング言語は現時点でPHP、Ruby、Pythonの3つ。私はPythonを選択してみました。

 

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ウインドウの右下に、出題コードが登場し、ここにキーボードでコードを入力して回答していきます。入力が基本なので残念ながらスマホではプレイできないです。

 

 

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基本的には足りないコードを見つけて穴埋めする形式の問題です。

ステージが進むにつれて、コードの誤りを訂正する問題や、「#ここにたくさん書く」とあって数行のコードを記述させる問題も少ないですが登場します。

 

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コードが完成したらCTRL+ENTERで確認。間違えればライフが減り、ライフがなくなるまでにステージクリアすることを目指します。

ステージがクリアできたら、得点とコイン、さらに早解きできればダイヤが手に入ります。

コインはアイテムの購入と後述のガチャ、ダイヤはダイヤ専用ガチャで利用することができます。

 

ガチャ

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仲間を手に入れる、スマホゲームのようなガチャも登場します。

ガチャを回すには、コインかダイヤが必要です。ただ課金はありませんので、ガチャを回すにはお金をかけるのではなくプログラムをどんどん解くことが必要です。

 

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仲間は「獲得コイン上昇」などの特殊能力をもっていて、パーティリーダーに指定することで特殊効果の恩恵を受けることができます。

(パーティメンバーに入れても効果ないようです)

 

 

全17ステージをプレイしてみた感想

トータルで10日くらいでしょうか。コツコツとやって最終の17ステージまで到達しましたので、以下感想です。

 

良かった点

繰り返しの問題で知識が定着

比較的やさしくて類似する問題がたくさん登場します。

まるで「算数ドリル」をやっているような感覚です。単純な問題を繰り返し解くことで知識が定着しそうな感じです。

 

繰り返し挑戦したくなる仕掛け

「ガチャでキャラコンプリート」「最高得点ランキング」「一定条件で獲得できる称号」「ログインボーナス」など、スマホゲームと同様に、収集欲などを刺激する仕掛けが満載。

目標を達成するには、とにかくプログラミングの問題を解かないといけないので、自然と繰り返しのトレーニングができます。

 

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私はランキング上位をめざした結果、なんと週間ランキングで3位まで到達することができました。

 

なんと言ってもタダ!

見た目はスマホゲームのようだけど、一切課金はなし。タダでチャレンジできるのは良心的です。

多少の不満点があっても、無料なので全て許されます。気軽にはじめてつまらなければやめればいいわけですからね。

 

イマイチだった点

ストーリーが単調

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ステージが終わる節目節目でストーリーが登場します。しかし、とってつけた感が満載。

イラストデザインコストの節約のためか、絵として登場するキャラは上の3つのみ。

画像もなしに「モンスターが襲来」などでてくるのは、チープ感が否めません。私は申し訳ないけどストーリーは途中からスキップしていました。

昔に流行った「〇〇打」のようなタイピングソフトのような印象で、ストーリーはRPG風に見せるためのおまけ程度に考えた方がよさそうです。

 

学習動画と問題が連動していない

問題が解けない人のために学習動画が用意されているのですが、これが問題と連動しておらず、動画を見ても解き方がわからない問題があります。

コードクロニクルを「計算ドリル」的な位置づけと考えたときの、「教科書」がないので、特に全くの初心者の方はは解けない問題がでてくるかもしれませんね。

問題は基礎的なものばかりなので、横に教科書的な本があると一安心です。

みんなのPython 第4版

みんなのPython 第4版

  • 作者:柴田 淳
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2016/12/22
  • メディア: 単行本
 

 

ある程度知識がある人には単調で物足りない内容

問題は以下のような基本的なコードが中心です。

-四則演算

-変数

-文字列操作

-条件分岐

-ループ

ごく基本的な内容なので、プログラミングの知識がすでにある人には単調で物足りないかも。

 まぁ、同じPAIZAの「プログラミングスキルチェック」は全記述式で歯ごたえある問題がたっぷりあるから、コードクロニクルはどこまでいっても初心者向けという位置づけなんでしょうね。

個人的にはもうちょっと難しいステージも作ってくれるともうちょっと楽しめるのになと思いました。

 

paiza.jp

なお、私が行き詰ってしばらく進めなかったのは、ステージ5あたりに登場する「型」の問題。

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「『型』を出力してください」という問題で、関数を使おうと試行錯誤していましたが、うまくいかず。答えは"int"など型名を直打ちということで、漠然としました。

 

これからの時代にはプログラミングスキルは大事かも。

平成のはじめくらいまでパソコンはマニアのおもちゃでしたが、今ではパソコンなしで仕事をするのが難しい時代となりました。

令和の時代には、小学校からプログラミング学習がはじまります。もう少し経てば、プログラミングスキルやそれを前提とした思考がないと、社会で生きていけない時代になるかもしれませんね。

クリアしたからといって決してプログラミングができるようになるわけではありませんが、気軽に学習できるコードクロニクル、最初の入り口としてはよくできているんではないかと思います。

無料ですので、みなさまも機会があればぜひ試してみてください。

 

次回はできれば、RPG風でプログラミング思考が学べるボードゲーム「コードマスター」をご紹介したいと思います。

シンクファン (ThinkFun) コードマスター (Code Master) [正規輸入品] ボードゲーム

スマホ修理店の粗悪な製品で液晶割れが連鎖?今月3回目の画面割れで高い授業料を払う。

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ついにやってしまった!液晶割れ

電車に乗って通勤をしていると、毎日のように画面割れスマホを操作している人を見かけます。なかには「画面が見えないのではの?」と思えるくらいバキバキに割れている人も。

「修理ができないほど、経済的に困っているのかな?」「何度も割ってしまい心が消耗してしまったのかな」と、どこか人ごと感でみていましたが、私もついにiPhoneを落として画面を割ってしまいました!

かかってきた電話を取ろうと手が滑り、アスファルトの上に墜落。みごとな斜め一文字のヒビが入ってしまいました。

まぁ、スマホを使うようになってかれこれ10年ほど。ドジな私がこれまで画面を割らなかったのが逆に奇跡的だったのかもしれません。

 

いざ修理店へ・・・速攻でリピーターに。

やらかしたことを嘆いていても、スマホは元には戻りません。「いずれは修理するのだから、直すのはとにかく早いうちに」ということで、気を取り直してその日のうちに修理を考えます。

Appleの正規修理では修理費が高くつきます。私が使っているのは旧機種ということもあり、多少のリスクを覚悟のうえ非正規修理店に依頼することにしました。

別に行きつけの修理店があるわけではないため

  • 職場から近いこと
  • 口コミの評価があること

の基準で、GoogleMapのレビューが1000件を超えた評価が高いショップをみつけました。

昼休みに持ち込んでみると、「あ、これなら15分くらいで終わりますよ」と、目の前であっという間に修理完了。手際の良さに感動です。

修理代金は純正同等品ということで8,000円「またトラブルあれば割引しますんでよろしくお願いします。」ちょっと痛い出費ですが自業自得だからしかたありません。

もう二度と落とさないぞと誓いつつ、その足で頑丈そうなスマホカバーと保護フィルム、リングまで追加で購入、修理代と合わせると1万円超えです。財布は軽くなりましたが、きれいな画面になってブルーな心も少し晴れました。

 

その3日後…。

カバンからスマホを何気なくとりだすと、スマホのサイドに線のようなものが付いています。

「スマホが汚れているのかな?」

ハンカチでスマホを拭くと、汚れはみるみる中央まで広がってしまいました。

汚れじゃなくてヒビ!

はて?なぜ割れたのだろう?カバンを落としたことも、ぶつけた記憶もありません。

しかし、割れた事実は事実。そのまま使い続けていってもヒビが拡大するだけですので、先日の修理店に再度持ち込むことにしました。

「いやぁ、何もなしで割れるなんてことはありませんね。なにかの拍子で鞄の金具などと接触してしまったんでしょうね。よくありますよ。」

「今回は2回目なので、ガラスだけではなく液晶パネルの交換が必要です。修理したばかりということで、ご愁傷様割引で9,000円でやらせていただきますが、どうされますか」

「どうされますか?」 と言われても、修理しない選択はありません。短期で再びヒビが入ったことに釈然としないまま、再び修理を依頼することになりました。 

「万が一何かありましたら割引しますのでごひいきに。」新たな保護フィルムも加わり、またまた諭吉さんとお別れです。

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2度あることは3度ある

さらに3日後。家の中でスマホを使っていたときに、ソファのサイドからじゅうたんの上にスマホを落としてしまいした。

じゅうたんの上なのでどうってことない話ですが、3日前の不明なヒビが入っていたので嫌な予感。見ると…。

またヒビが入っている!

落下といえば落下ですが、じゅうたんへの落下で高さも50センチほど。こんなことで割れてしまうのか・・・。

 なんと1週間で3回目の画面割れです。

 

考えられる原因は以下の3つ。

  1. 画面の打ち所が悪く、ガラスの脆い部分をたまたまついてしまった。
  2. 非正規店の液晶品質にばらつきがあり、品質の悪い製品にあたってしまった。
  3. 非正規修理店はそもそも強度の弱いガラスが使っていて、すぐ割れる製品だった。

この10年間、スマホをぶつけたり落としたりたくさんあって割れなかったのに、非正規店で修理してから2度の液晶割れ。これは3番が原因と考えざるをえません。

 

高い授業料を払って画面割れの負の連鎖を断ち切る。

修理店の「割引します」という話もありますし、これまでの出費にさらに修理費が追加となるのは痛いですが、再び痛い目をみるリスクを考え、今度はAppleストアで正規修理をすることにしました。

「事前予約要」「できあがりまで2時間待ち」「価格は18,000円」と非正規修理店に比べると一見すると良いところなし。だけど、もう品質には替えられません。

仕上がりの見た目は非正規店と変わらず。「高い修理費を払う価値があったのかな」ともチラッと思いましたが、その後2週間が経過して何のトラブルもなし。トラブルのないのが当たり前ですが、ようやく不幸の連鎖を断ち切ることができホッとしました。

それにしても今回の件でのトータルの支払金額は4万円超。もはや新しいスマホが買える金額です。旧機種の修理のために、リスクを取った結果まさに「安物買いの銭失い」。高い授業料を払う結果となってしまいました。

真実は分かりませんが、スマホ修理店は修理自体がビジネスなので、もしかしたら「壊れやすい材料で修理してリピーターを獲得」というビジネスモデルなのかもしれませんね。

今日も電車で割れたスマホで操作している若者を見るにつけ、もしかしたら私のように非正規店で修理して、液晶割れの連続のスパイラルに陥ってしまっているのじゃないかと気になってしまいます。

なお、私が行った修理店は「レビューをしてくれればスマホフィルムを進呈」という施策で1000件を超える高評価を集めていました。ネットの口コミはあてにならないし、やはり非正規修理店には相応のリスクがあることを今回再認識しました。

次回に壊れたときは、「捨ててもいいと思って自分で交換」くらいのリスクをとる覚悟をもつか、正規店を選ぼうと思いました。

無秩序なRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)導入に潜む罠

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ホワイトカラーの生産性向上ツールのRPAは普及期に

金融業界をはじめホワイトカラーの業務効率化・生産性向上のツールとして注目されしているRPA(Robotic Process Automation)。RPAとは、ロボティック・プロセス・オートメーションの略で、業務プロセスをソフトウェアロボットで自動化させる仕組みです。

OA化が進んだ近年は事務業務の大半がパソコンで完結するようになってきましたが、その業務を自動化させるというものです。

動作を自動化するマクロのようなものですが、
-「メールを読んで、自社システムに転記」など、アプリケーションをまたいでの動作が可能なこと

  • ビジュアルでの構築環境が整備され、プログラミングスキルがない人でも作成できること

などの適用範囲と使い勝手のよさから、近年急速に普及してきました。

ソフトウェアロボットのため目に見える存在ではないですが、オペレーションの実行にあたっては、ユーザーIDと権限を付与して社員に擬制して動かすこともあり、日本生命の「日生ロボ美」のようにロボットに愛称をつける会社も多いです。

「ロボ美がPDF化してくれるからメール送っといて」というように、あたかもロボット従業員がいるかのような使い方もするわけです。
rpa-bank.com

ロボットなのでRPAが代替できることには制約があるものの、価格は1台あたり年間で50万〜数百万円程度と人を雇うのに比べればリーゾナブル。

従業員より安いコストで働き、集中力が途切れることもなければ、サボることも不平を言うこともありません。もちろん24時間休みなしに働かせても「ブラックだ」と言われません。経営者にとっては固定費である人件費を圧縮する救世主というわけですね。

RPA普及促進の裏で産まれるポンコツロボット、野良ロボットたち

私の働いている会社でも、積極的なRPAを導入で合理化を進めようと、経営層の旗振りのもと一大施策が打たれました。

キャッチフレーズは「あなたの職場にロボットを」。主要な職場にロボットを配布して、トレーニングプログラムとともに各職場に自由な活用を促すことにしたわけです。

…と、ここまで書くと太っ腹な会社だと思われますが、うまい話には裏があるもの。「そのかわり要員を1割削れ」との見返りがセット。何とも切ないですね。

「人が減らされる!」という背中に火がつけられた状況で、ITリテラシーが高い若手従業員を中心に、様々な部署でRPAによる業務自動化が活発化しました。

当初は経営層の目論見どおり進んでいきましたが、しばらくすると問題が発生してきます。役に立たないポンコツロボットや、挙動の怪しいロボットの活動によるトラブルが目立ってきたわけです。

いわゆる「ロボットの野生化」「野良ロボット」と呼ばれている問題です。

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野良ロボットといえば、野良仕事好きな21エモンの「ゴンスケ」を想像してしまう私は、ちょっと古いですね。


先日も「ゴンスケが動かなくなってしまった。」と嘆いている部署がありました。

聞くと「定期的に、社内ネットワークの共有ファイルにある為替レートや価格情報を、ローカルファイルに転記していく」RPAタスクが動かなくなった模様。

どうやら、転記元のファイルが取得できなくなったようで転機元を確認すると、なんと転機元のファイルもRPAで作成。こちらは「毎日社内イントラネットに表示されている為替レートをファイルに転記していく」タスクで、こちらも同じく動作していません。

さらにこの情報元のイントラネットは、「銀行のHPに掲載されている日々の為替レートを取得する」というRPAが元になっていました。

なんと最終工程にたどり着くまでに3つのRPA作業が入っていたわけです。いわばロボット同士でバケツリレーをやっているようなもんですね。

原因の所在は、「情報の取得元であった銀行HPが改定されて、うまくとれなくなったので、イントラネットに銀行HPのリンクを貼るよう変更した」というもの。財務部署では掲載情報がどう使われているまで把握できず、結果して情報がなくなり、ロボットたちは空のバケツで延々バケツリレーをしていたわけです。

為替レート情報の管理と配布が一元化されていないことが問題の根底にあったわけですが、そこに注目せず各作業をRPA化した結果、無駄な作業をするロボットが産まれたわけです。


また、別の部署では「上司の承認手続きを自動化してくれるロボット」というRPAもありました。いわゆる「めくら判」の自動化です。

「承認作業は形式的なので自動にして手間を減らした」が謳い文句ですが、ちょっと待て。何も見ずに承認しているのなら。そもそもその承認っていらないのでは?

承認が必要ない業務なのか。それとも本来は判断すべき仕事をサボっているのか。そこの評価なくして自動化しても意味がありません。

ロボットたちは指示に忠実に動きます。それがデタラメな指示や意味のないことであっても。

自動化する前に業務整理がない場合には、カオスな状況しか生まれません。人がやっている作業なら見た目で「無駄なことをやっているな」と分かる場合もありますが、ロボットの自動作業となると見えないためブラックボックスとなってしまいます。

曲がりくねった道をスピードを出していくことにリスクはないか。

以前に生産管理について指導を受けたときの言葉を思いだしました。

生産性を倍増させるには、目指すゴールに早く到達しなければならない。
しかし、今まで歩いていた道を走って早く着こうと思ってはいけない。
早くつくには曲がりくねった道を、ゴールに最短で到達するまっすぐな道に作りかえて歩くことだ。

機械化・自動化の前に、本来は業務フローの整流化が必要なわけですね。

ただし、新たな道を作るのは、エネルギーも時間もかかるもの。「道が曲がりくねっていて時間がかかるなら、歩かずバイクに乗って進もう」のが、現状業務をRPAで自動化するイメージなのかもしれませんね。

理想は「まっすぐな道をバイクで進むこと」なんでしょうが、現実はいろいろと難しいものです。
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管理ができずブラックボックス化したRPAだらけの会社で起きそうだなと思っているのが、犯罪です。

RPAを活用させるためにユーザー権限を広くもたせている会社も多いとか。そんな会社に潜りこみ「6ヵ月後に起動して、自分の預金口座に10億円振り込み」するようロボットに指示。実行犯のロボットに待機させている間に、自分は海外に逃亡しお金だけ引き出してドロン。

IT活用のハードルが低くなったということは、ITを使った犯罪のハードルも低くなるわけです。

どんなに便利な道具でも、使い手次第ではガラクタになったり、厄災をもたらすものになったりするものです。

RPAはあくまでプログラム。システム開発と同じで、作るにあたっての業務整理と運用段階での管理がないと、いつか手痛いしっぺ返しがあるかもしれません。

  • 自動化の前に業務自体を整理すること
  • 無法地帯とならないよう管理すること

が大事なのではないかと思います。
www.boardgamepark.com

Kindleがアカウントにない!AmazonデバイスがAmazon.comに関連づけられしまったらパスワードを疑うべし。

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サイバーマンデーでKindleキッズモデルとFireTV Stick4Kを購入

先日のAmazonのサイバーマンデーで、Amazonデバイスが少し安かったので、今回「Fire TV Stick 4K」と、「KINDLEキッズモデル」を購入しました。

FireTV Stick4Kは、最近使用頻度が高いFireTV Stick(無印)からの買い替えです。

実はうちのTVは4K対応の製品ではないのですが、CPUが上位で動作が軽快だと聞いて快適さを目的で購入しました。思惑どおりストレスなくサクサク動いてくれています。   

Fire TV Stick - Alexa対応音声認識リモコン付属

Fire TV Stick - Alexa対応音声認識リモコン付属

  • 発売日: 2019/01/23
  • メディア: エレクトロニクス

Kindleキッズモデルは、10月の発売以来ずっと気になっていたもの。

  • 子供向けの本が1,000冊以上の本が読み放題のFree Time Unlimitedのサービスが1年ついている
  • 破損させた場合も2年間交換してもらえる保証サービスがついている
  • 中身は第10世代Kindleであり、子供が使わなくなっても設定すれば普通のKindleとして使える

1,000冊以上読み放題といっても、ラインナップに読みたくなる本があるのか?電子書籍を本当に子供が使うのか?結構前から迷っていましたが、ものは試しで購入に至りました。

頭には「本に囲まれて育った子供は読み書き、計算、ITスキルに優れている」という研究結果の話がありました。本をたくさん買い揃えて家を本で埋め尽くすことは難しいから、Kindleのバーチャル1000冊で代用できないかな?という下心です。

www.sciencedirect.com

Kindleキッズモデルをさっそく起動。しかし…。

Amazonデバイスは、はじめからある程度セットアップがされていて、すぐに使えるのがいいところ。

到着して、果たしてどんなラインナップの本があるのか、さっそく起動してみると…。


なんだかおかしい・・・。

1年無料ではなく1ヶ月無料。無料期間後の料金も、4.99ドルとなぜかドル表記になっています。そして、肝心の本が出てこずダウンロードできません。

Amazonアカウントを見ると、デバイスリストにKindleが存在しないことになっています。

アカウントにないKindle?誰か他の人の所有となっているのでしょうか?


その後、Amazonカスタマーセンターと2日にわたってやりとりを繰り返し、やっと問題が判明しました。私が購入したKindleはAmazon.co.jpではなくAmazon.comのアカウントに紐付けられていたことが判明しました。

私は海外Amazonを利用するので、同一のメールアドレスで海外Amazonのアカウント登録もしているのですが、どうやら起動時に海外アカウントの方に関連づけられしまったようです。

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Amazon.comのアカウントを確認して見ると、確かに今回購入したデバイスが入っています。よく見るとFire TV Stick4Kもあります。確かにこっちも起動すると英語版アプリがワラワラと出てきていて、「新しいと英語アプリが増えるのかな?」と疑問に思っていたところでした。


海外Amazonのアカウントと日本のAmazonはアカウントは全く別もの。一方でKindleなどのサービス自体はグローバルでサーバーなどが共有されている模様です。

異なるアカウントからアクセスできるサーバーに、同じメールアドレスのアカウントからアクセスしにいった結果「どちらのアカウントか判定できなかった」ことが原因の本質のようです。

Kindleのリセットを繰り返しながら、最終的にたどりついた解決方法は、「海外と国内とでパスワードを別にする」でした。

アカウントのメールアドレスは同じでも、パスワードが異なっていると正解したパスワードからアカウントを判別し、日本か海外に振り分けられます。

パスワードを変更し、端末をリセットして国内用のパスワードで入り直すことで、無事にKindleが使えるようになりました。

無料期間の表示も無事1年になっています。

結論「国内Amazonと海外Amazonのアカウントはパスワードを別にすべし」

以上、国内Amazonと海外Amazonのアカウントが誤認識されてしまった話でした。

海外Amazonを利用している人はそれほどいないので、同じようなトラブルに遭う人は少ないとは思います。

ただ、少ないということは、同じようなトラブル事例を探すのが難しいということ。Amazonカスタマーサービスの対応もイマイチだったので、同様のトラブルに会った人が解決策にたどりつけるよう、記事にしてみました。


なお、今回購入のKindleキッズモデル、気軽に手にとれるのがいいようで、予想以上にうちの子には大好評。

マンガなども読めるので、マンガばかりにならないかなとの心配も杞憂で「小説名探偵コナン」などをむさぼり読んでいます。読書週間がつくといいな。小学生くらいのお子さんがいるご家庭にはなかなかおすすめですよ。
名探偵コナン ゼロの執行人 (小学館ジュニア文庫)

なぜオリラジ中田敦彦はカードゲーム「XENO」でアナログゲーム販売を始めたのか?

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オリエンタルラジオの中田敦彦氏が考案したカードゲーム「XENO」。2019年10月に一般発売されて以来、ちまたで話題となっています。
www.happybrainwash.com

ボードゲーム好きの人気芸人としては、サバンナ高橋さんやノンスタイル井上さんなどが知られていますが、オリラジ中田さんは聞いたことがありません。

最近ではアパレルブランド「幸福洗脳」や、オンラインサロン「NKT online salon」など芸能活動以外でかなり手広く活動している中田氏。

以下の動画で「XENO」をはじめた経緯について語っていますが、今回はオリラジ中田さんが門外漢のアナログゲームに参入したことについて考察したいと思います。

中田考案のカードゲーム「XENO」が始動!

ルールなどゲーム内容の紹介は別記事にて。
www.boardgamepark.com

アナログゲームへの参入の事業性をフレームワーク3Cで分析してみる

カードゲーム「XENO」の製作は、結論から先に言えば「ビジネスとして魅力的だから」というのが参入の理由でしょう。

ビジネスの観点でみるために、XENOの事業性について、マーケティング分野で活用されるビジネスフレームワーク「3C」でざっくり分析すると以下のようになります。
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改めて可視化してみると、一般人に抜群の知名度をもつオリラジ中田氏の参入は、事業としての優位性が見込めることがわかると思います。

市場・顧客(Customer)〜日本のアナログゲーム市場は未成熟だが成長の可能性あり。

ボードゲームといえば、「人生ゲーム」をあげる人が日本では多いでしょう。日本では欧米に比べるとアナログゲームは普及していません。
この狭い市場を現在支えているのはマイナーなボードゲーム愛好家が中心です。

一般に普及していないということは、市場拡大の余地が残されているということ。さらに近年メディアへの登場も徐々に増え、成長の兆しが見えている市場です。

トランプやUNOしか知らない一般人は、みんなが手をつけていない潜在顧客。ニーズを掘り起こせば、拡大する可能性を秘めています。

ただゲームは娯楽品。代替の娯楽がたくさんあるなかで、もともと関心がない一般人が「欲しい!」と思うには工夫が必要ですね。

競合(Competitor)〜新規参入が容易で零細事業者がひしめく

近年のデジタルゲームの世界では、アニメーションやCG、良質なサウンドやボイスが当たり前。プログラムの難易度も高まり、ひと昔前に比べて開発費が高騰しています。

一方で、アナログゲームは昔も今も紙がベースです。数字や絵を描くことが基本で、イラストと印刷が主体なので、デジタルゲームにくらべてコストは低く圧倒的に参入は容易です。

アナログゲームの祭典「ゲームマーケット」では、個人発の同人ゲームがひしめきあっています。

日本のアナログゲーム業界では、大企業がないことも特徴。有数のパプリッシャー兼ショップである「メビウスゲームズ」さんが、ご夫婦で経営されている店舗であることから見てもわかるでしょう。

圧倒的な資金力をもってすると、業界のドミナントプレイヤーになることも可能かもしれません。

自社(Company)〜圧倒的な知名度と熱狂的なファン

「オリラジ中田」を知らない人は、若者世代にはほとんどいないでしょう。また、オンラインサロンをはじめとした彼の活動は「信者ビジネス」と揶揄されるくらい、熱狂的なファン層を抱えています。

彼が新たな活動をはじめた際には、ファーストユーザーとしてすすんで実験台となり、SNSで広めてくれるファンに期待もできます。

さらにはアパレルブランド「幸福洗脳」で培った独自の販売チャネルもあります。

一方で、中田氏にはこれまでアナログゲームにおける実績やノウハウはありません。それを補ってあまりあるのが彼の人気です。

強みを活かし、弱みを強化したうえでのカードゲーム参入

中田氏の「人気」という武器を最大限活用し、「オリラジ中田考案」を前面に据えたのが今回の「XENO」のプロジェクト。

アナログゲームにおいて門外感という「弱み」については、カナイセイジ氏という世界的なボードゲームデザイナーの作品を原案とすることで、補完をしています。

カナイセイジ氏は、日本で最も有名なボードゲームデザイナーですが、街頭インタビューをしても、カナイセイジ氏を知っている人は10人に1人もいないことでしょう。

一方で、中田氏は、タレントやお笑い芸人として決してトップに出てくる人ではありませんが、該当インタビューをすれば多くの人が知っている有名人。外側は「中田敦彦」中身は「カナイセイジ」は、ある意味完璧な組み合わせなのかもしれません。

「自分が持っていない技能はあえて持とうとせず外部リソースを使って勝つ」という作戦は、PERFECT HUMANで「『歌えない』『踊れない』のに紅白に出場」という偉業を成し遂げた際の戦略にも通じるものがありますね。

これは売れるかも?!カードゲーム「XENO」の特色。

ここでカードゲーム「XENO」の特徴をおさえておきましょう。XENOのカードゲームとしての特徴は、簡単に言えば以下の3点です。

  • 美麗なカードデザインと独自の世界観
  • 価格が700円と激安
  • ベースは不朽の名作「ラブレター」

換言すれば「手に取りやすい見た目と価格で、遊んでも面白い」というわけです。これで売れなきゃおかしいと思えるスペックです。

美麗なデザインと独自の世界観

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XENOでまず目を惹くのは美麗なデザインです。

アナログゲームで最もメジャーなドイツゲームでは、数字のみのカードなど、見た目よりゲームシステム重視のものが多いですが、それとは一線を画しています。

昨今のスマホゲームを見ればわかるとおり、ライトユーザーに受けるにはまずは見た目がかなり大事。遊んだことがない人に対して、カッコいいデザインとXENOの独自の世界観はなかなか魅力的です。

700円という破格の値段

XENOの価格は税抜き700円。しかしながら作りは、決して手を抜いているわけではないので、破格の値段といえるでしょう。

一般的な小箱カードゲームの価格は1500円〜2000円です。しかしながら、UNOやトランプしか知らない一般消費者をターゲットにすると、UNOやトランプより大幅に高い価格では手にとってもらえません。一般への普及のハードルを下げるため、利益度外視で価格設定をしているようです。

日本が誇る名作「ラブレター」がベースで面白さも折り紙つき

いくら見た目がよくて安くても、面白くなければ意味がありません。XENOのベースは日本発の大ヒットカードゲーム「ラブレター」。ゲームとしての魅力も十二分です。
www.boardgamepark.com

「ラブレター」は人気作品ということもあり、「おそ松さん」など、デザインを変えた別バージョンがこれまでいくつも作成されました。

XENOはラブレターのルール自体を改変した亜種の位置付けです。すでに完成された作品を修正するのはリスクが大きいですが、「オリラジ中田考案」を前面に出すには、見た目だけではないオリジナリティも必要なわけです。

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組織のなかで頂点をめざすのではなく「自分の持てる武器をどう使っていくか」の生き方

以上のように、中田氏のカードゲーム制作は、知名度と資金力というライバルが真似できない武器を使い、アナログゲームのブルーオーシャン市場を開拓する戦略と評価できます。

芸人のキャリアパスと中田氏の活動

お笑い芸人の王道のキャリアは以下のようなもの。コントや漫才などのネタは飽きられるため、人気のあるうちに次のステージ進むことが求められます。

  1. お笑い番組で人気と知名度を獲得
  2. ひな段芸人やレポーター、クイズ回答者としての出演でテレビでの存在を確立
  3. 冠番組をもちMCやキャスターで活躍、ドラマに出演

お笑いでブレイクするのはかなりのハードル。さらに一言二言しか発言できないひな壇で頭角を現すのも至難の技でしょう。地位を確立しても、成り上がる後輩に追われる身。常にトップランナーとして走り続けなければなりません。

オリラジも、冠番組をもつ売れっ子から落ち目になっていた時代もありました。

その後人気は復活しましたが、王道のキャリアではなく、最近は物販やオンラインサロンに重点をおいてテレビから軸足を外しつつあるかのようにも見受けられます。

そんな姿に「芸人なんだから副業ではなくお笑いで天下をとれよ」「金になるなら節操ないのか」などの批判も。

しかしながら、そんな批判は効き目がありません。そもそも彼にとってはお笑いは極めるべき芸の道ではなく単なるビジネス。アパレルもビジネス、音楽もビジネス。今回のカードゲームもビジネスです。

いまの仕事を極めたいからでも、好きで愛着があるからでももなく、ビジネスとして勝てるから参加しているわけですね。

そんなビジネスライクな活動に、お笑いやボードゲームを愛する人の中には当然嫌悪感を抱いてしまう人もいるかと思いますが、世の中「売れれば勝ち」の側面

XENOはホームランとなるか。ホームランが打てるスイングをしたい。

この記事を書いている現在、AmazonでXENOは売り切れになっています。実はこれもマーケティングのための戦略かも。

というのも、Perfect Humanで紅白出場を狙った際には、「飽きさせないように」と、メディアへの露出度合いを控え「気になる状態」を継続する取り組みをしてきたようです。なので、XENOも売り切れで希少性からの物欲刺激を狙うのも十分ありえます。

今回のプロジェクトが本当に成功するかはわかりませんし、全くの空振りに終わるかもしれません。しかしながら、綿密な戦略に裏付けられたホームランを狙えるスイングとはいえるでしょう。

吉本事件でも明かになりましたが、「お笑いだけで生きていける保証もなければ事務所も守ってくれない」。そんななかで、厳しい王道を歩むのではなく、新たな道を追求しているわけですね。

労働2.0 やりたいことして、食べていく

労働2.0 やりたいことして、食べていく

ひるがえると、私のようなサラリーマンも似たようなもの。いくら頑張っても会社で役員になれるのは一握り。そこには努力や実力だけではなく、ときには運やコネも必要となる世界です。

終身雇用の保証もない時代。組織にしがみついて勝ち目の薄いレースをするよりも、自分が持っている武器を活用できてライバルが少ないフィールドを見つける観点も大事なのかもしれません。

株の格言に「人の行く裏に道あり花の山」という言葉がありますが、これを体現するかのようなあえて王道から外れるオリラジ中田氏の生き方。今回のXENOの発売を通じて、成功する人は自分の仕事や組織に固執しないドライなビジネスセンスをもっているんだなと改めて思いました。

中田さんの実業家としての着眼点には、つくづくすごいなと思うばかり。ただし、私自身は信者になって貢ぐ気はありませんが。

カードゲームXENO。販促品のような位置づけで良質なのに格安価格。コスパはよいので売り切れでなければ手に入れておくとといいですよ。

萩生田文科相発言の「身の丈」に収まっていたら、まともに大学進学なんてできるわけがない。

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大学入学共通テストに導入される英語民間試験に関する、萩生田大臣の「身の丈」発言が話題となっています。


民間試験の受験料を何度も負担できる裕福な家庭や、受験会場近郊の都市部の家庭が受験機会が多く有利という問題が指摘されてきましたが、これに対して、萩生田大臣は「『あいつ予備校通っててずるいよな』って言うのと同じ」「自分の身の丈に合わせて頑張ってもらえばよい」と一蹴したというものです。

多方面からの批判を浴びて陳謝する事態となり、野党は国会で追求する構え。もともと学校サイドからの問題提起も多かった今回の施策。トップの大臣が自ら炎上させたしまった結果、来年度の民間検定試験の導入はひとまず見送られることとなりました。

news.yahoo.co.jp

政治家の失言のひとつと言えばそれまでですが、私自身「身の丈」に苦しみ、そこからの脱出にもがいてきた立場からは、とても看過できない発言です。

下流家庭における「身の丈」での進学の難しさ

私の父は農家の次男坊として生まれ、中学卒業後は身ひとつで都市に出て、職人として生計を立てていました。

お世辞にも裕福とはいえない家庭。ひもじい思いをしたていたわけではなく生活はできていましたが、ゆとりはない生活です。わが家では自然と優先順位の低い支出には徹底してお金をかけない家計となっていました。

言うと驚かれますが、私は都市部に住んでいたのに大人になるまで以下の経験をしたことがありませんでした。

  • ホテルや旅館に泊まったことがない
  • デパートで買い物をしたことがない
  • ファミレスに行ったことがない
  • 映画館に行ったことがない
  • 飛行機に乗ったことがない


食べていく以外の余分なことという意味では、わが家では教育も同じ位置付け。塾や予備校などには一切通わせてくれないのはもちろんのこと、進学にも否定的でした。

「義務教育が終わるのに高校まで行く必要があるのか。農業高校で技能を身につけるならともかく普通科なんて無駄でしかない。」と、完全に父が育った農家の価値観での発言です。

「学費は義務教育じゃないんだから当然自己負担だ」というわけで、もちろん高校から奨学金は当たり前。私のクラスで高校から奨学金を受けるのは私だけ。慣れない手続きを頼んだ担任教師からは名前を憶えてもらえず「おい、奨学金」としばらく呼ばれていました。今考えるとなかなかひどい話ですね。

うちでは二言目には「学校は頭が悪いやつが行くもの」。近所に私大があったのですが、「あれはバカ大学だ。頭が悪い金持ちが行っているんだ。」確かに言われていつも騒いでいる学生たちを見るとそう見えました。その後に割とレベルの高い大学であったことを知ります。

そんな教育に否定的な家庭環境で育った私が「なぜ大学まで進学できたのか?」と問われると、努力してきたというより「親に反発していたから」と言う他ありません。

真面目に働く両親のことは尊敬していましたが、教育面の価値観だけは納得していませんでした。学がないことを屁理屈で正当化し自分の生きてきた世界を子にも求める。そんな姿勢に違和感を感じており、親への反抗の一心で私は進学を選択しました。

ただ、そんな私の選択も両親は簡単に許してはくれません。「働きたくないからそんなこと言ってるのか!」という反応。それでも親と「出て行く出て行かない」の喧嘩をした挙句、大学へ進学する許可を勝ち取りました。ただし「自宅から近い国立大学」「他大学との併願不可」「落ちれば就職」の条件付き。

「受かれば学校の実績にもなるし東京の大学もいくつか受けてみてくれよ」と学校からは言わましたが、親との約束なのでどうしようもありません。

チャンスは一回きりで落ちたら終わり。「どうしてこんな不利な受験をしないといけないのか」と自分の家庭環境を呪ったものでした。数百万の奨学金を背負っての社会人スタートよりも、進学において選択肢がないことが何倍もつらかったです。

奨学金は所詮借金。返してしまえばなかったものとなります。家庭環境を引きずっているようで嫌だったので、社会に出てからはがんばって10年ほどで前倒返済しました。でも「あの時行きたい学校に行けていたら自分の人生は変わっていたのでは?」という「たらればの呪い」は私のなかで長く続きこじらせます。最終的に、今の人生の選択肢だからこそ得られた「家族」という幸せを得られるまで、この呪いは解けませんでした。


下流家庭では、家計における経済力もさることながら、経済的に余裕がないことに起因して「教育投資や進学に対して理解がない」家庭が多いこともハードルなんですよね。

タレントである北野武氏の母の「教育がないから貧乏なんだ」と、貧しくも教育を重視してさきた話は有名ですが、そんな清貧を実践する家庭はレアケース。先立つものがなければ目先の生活で精一杯。うちのように将来へ向けた教育投資に目が向かない家庭が大半です。

今回問題となっている民間試験は、一回数千円から2万円強。裕福な家庭では何度も受けることができ、余裕がない(あるいはお金を振り向ける優先度がない)家庭は不利になります。

大学の授業料も私の頃からずいぶん上がっています。私が今の時代の学生だったら、大学に進学することはできなかったでしょう。

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家庭環境による格差は連鎖し自然に拡大する

私の弟は、小さい頃は私より成績がよかったのですが、私と違って素直だったせいで、親の意向にしたがい父と同じく中卒での職人の道を選びました。さらに弟の息子も高校を中退し働いています。子供は親の背中を見て育つので、素直な子ほど親と同じ道を選んでいくんですよね。

これを「身の丈」であるといえばそれまで。進学は別に偉いことではなく、自分の希望・選択での進路ならそれもよいのですが、進学の希望があってチャンスがないのはとても悲しい世界です。

東京大学に入学した学生の親の年収は950万円以上が半数と言われ、家庭環境は進学に大きく影響します。私の場合「アルバイトをして家計を助けないといけない」という状況ではなく、塾や予備校こそ通えませんでしたが勉強する時間はありました。家庭によっては「毎日家事をやらなければいけない」「兄弟姉妹の面倒をみないといけない」というところも。ハンデを背負ったうえで、恵まれた家庭の子と勝負するのは精神的にも大変なことでしょう。

高学歴の人は「学歴は努力だ」とよく言いますが、努力が学歴につながるためには「努力ができる環境がある」「努力が評価される環境にある」という同じスタートラインに立てることが前提です。


このブログで登場するボードゲームに、「カタン」や「宝石の煌き」で有名な「拡大再生産」というタイプのゲームがあります。収入が増えると新たな施設に投資ができ、それがさらなる収入増となるシステムです。デジタルゲームでいけば「桃太郎電鉄」などがイメージしやすいでしょう。

拡大再生産は達成感が高い一方で「いったん差が開くと逆転が困難」という構造的な課題があります。カタンであれば交渉、桃太郎電鉄であればキングボンビーなどの大災害で、ゲームシステムの補正をかけて逆転できる余地をつくっています。

www.boardgamepark.com
www.boardgamepark.com

実社会もゲームと似たようなもので、収入格差が教育格差となり、それがまた収入格差となり格差は連鎖していきます。資本主義の世の中で「結果の格差」はやむ得ないと思いますが、少なくとも「機会の格差」は社会システムの補正で小さくしないと格差は拡大する一方です。

そのような意味で、国民の教育を担務する大臣の「身の丈」発言は、「もともと多くの格差があるのだから、民間試験で一つや二つ増えても変わらない」という趣旨。本来果たすべき格差の補正ではなく、格差の連鎖・拡大の容認と解釈できる悲しい発言でした。

第26条 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。

憲法における教育を受ける権利は、「経済力に応じて」ではなく「能力に応じて」です。「身の丈」ではなく、教育を求める人に等しく機会が与えられる社会に少しでも近づくことを切に願います。

失敗が多いADHDな人への客観視のすすめ。

クールビズ終了時のお約束

私の働いている会社では、10月1日からクールビズ期間が終わり、ネクタイ着用が必要となりました。

クールビズだったのは6月から9月までの4ヶ月。かなり長くノーネクタイだったので、こんな苦痛なものがあったのかという感覚。

久しぶりのネクタイなので、クールビズ導入当初は忘れてくる社員が続出。その対策として、総務部署は「10月からネクタイ忘れるな!」と、1ヶ月前、1週間前、前日と、繰り返しPRをしています。

そんな再三の周知にも関わらず、忘れるやつがいるんですよね…。職場のAくんはまさにそんなタイプ。

今年もきっと期待を裏切ることはないでしょう。

 

…やはり忘れてきた!

私の予想どおり、出社して早々、周りと服装の違うことに気づき焦っています。

私の職場は外と関わる営業職ではないので、ネクタイを忘れたところで実際は仕事に影響ありません。個人的には全く気にならないのですが、会社にはこれを鬼の首をとったように指摘する、アラ探し好きのつまらない連中がいるんですよね。

まるで小学校で「い〜けないんだ!せ〜んせいに言ってやろ〜」て言う子のよう。

本人が忘れてきたせいなので自業自得ですが、えてして会社の評価もそんな周囲の些細な印象で変わるもの。Aくんの日頃の仕事ぶりが、そんなつまらないことでケチがつくのはかわいそうです。

しょうがないなぁ。私はAくんが忘れることを想定してデスクのなかに用意していたネクタイをとりだしました。

「今年も忘れたのか。しょうがないやつだな。ほら、ネクタイ。」

 

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「私」を他人だと考えてみると対策は変わる

さて、ここまで書いた話。忘れ物のをしたAくんとは実は私のこと。

そして、忘れた私のためにネクタイをデスクに用意していたのも私。自作自演です。まぁ、忘れ物まで面倒みてくれる人なんていませんね。

 

「忘れものをした自分」に対しては「どうして忘れてしまうんだ!」と責めることになります。原因は意識の欠如なので、対策は意識に訴えかけるものとなります。

だけど忘れ物は無意識に発生するもの。それを意識で解決しようとするのは限界があります。

今回のネクタイも、前日の総務部署からのメールで「明日はネクタイだ」と自分に言い聞かせて退社したはずなのですが、会社を出たらニワトリのように頭から消え去っていました。

また、確認のためカレンダーにも書いていたはずがスルーしている体たらくです。

 

さて、「忘れ物をしてしまう私」をいったん他人だと仮定してみるとどうでしょう。原因は意識かもしれませんが、他人の意識を変えることは簡単にはできません。

第三者の立場からは、当人が失敗をしてしまうことを前提にして、「何かできることはないか」と意識とは別の角度から対策を考えることができます。

 

ミスに対して本質的な対策をしよう

昔トヨタ生産方式を学んだ際に

「モレやミスがないよう気をつけたりチェックしたりする時間は仕事ではない」「チェックがあることで、逆にそのチェックに甘えて間違えてもいいんだという意識が生まれる」という指導を受けたことがあります。

トヨタ生産方式の世界では、チェックは無駄な工程に位置付けられるようです。ましてや、私のチェックにならないザル確認なんて、気休めにもなりません。

大事なのは

  • チェックが必要ないような工程を作ること
  • 仮に間違えが起こっても、それが致命的にならないような仕組みにすること

とのことです。

 

今回「忘れないような仕組み」はなかなか作れないので、「忘れても大丈夫な仕組み」ということで、クールビズがはじまる前の日にデスクにネクタイをしまい退社。未来の自分への対策をしたわけです。

 

余談ですが、その指導を受けているときに「自動車の製造だって、最終検査で確認作業を実施しているのでは?それってチェックしてるんじゃないですか?」と口ごたえしてしまった私。

「最終検査は法令で要求されているから仕方なくやっているだけだ。法令がなければやっとらん!」と、怒られてしまいました。

 

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失敗に対して脳内でアドバイザーを作ろう

失敗をしたときには、失敗自体に目が言ってしまい、対策にはなかなか目が向かないんですよね。忘れ物のように「気をつける」ことが第一となる事象ならなおさらです。

でも、「気をつける」「意識する」で解決しないのがADHD傾向の人たち。ここのところ、周囲にはなかなか理解してもらえないんですよね。

そこで、自分を客観視して「がんばり屋さんだけど可愛い後輩が失敗した」とでも考えてみましょう。そうすると、前向きなアドバイスをする、フォローをしてあげるという視点に立つことができます。

視点が変われば物事も違って見えてきて、アプローチも変わります。「一生懸命だけどミスをしてしまうドジな後輩」へのフォローと考えると、ミスが起きるのを前提とした、精神論ではない建設的なアイデアが出てくるかもしれません。

 

私もいい年齢となり職場でもそれなりの立場ともなりました。ミスを犯す根本的な性格は変わっていないのですが、失敗に対し面と向かって叱ってくれる人も、温かくフォローしてくれる人もほとんどいなくなりました。

そのため、「失敗が発生しない工程」「失敗が起きても大丈夫な工程」は、自ら構築するほかありません。

「失敗してしまう自分」を一番受け入れて理解するのことができるのは、自分自身です。自分の成長のためにも「失敗に対して冷静かつ温かくアドバイスをしてくれる人を脳内で作ること」は、前向きに社会を生きるうえで、ライフハックになると思います。

停電復旧の作業員に言葉がかけられますか?停電復旧作業のお手伝いをした思い出。

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台風による千葉の停電、長引いていますね。まだまだ気温が高い中、電気のない生活が長くなるのは非常に大変ではないかと思います。体調には充分お気をつけください。

今回の台風の直後に、作業に関わった人の話を人づてで聞くことがありました。「かなり設備が広範囲にやられていて、故障箇所が多くて特定が難しいらしい。復旧は長引くかもしれない。」

その時はは「そうはいっても停電なんて2,3日だろう」と思っていましたが、蓋をあけてみるとかなり長引いていますね。あのとき聞いた話は本当だったんだなと思い返しました。

そのとき聞いた話では「その後の雨も怖い。台風の飛来物でできた電線の亀裂に、巻き上げられた海水の塩が付着している状態。その後に塩分が残った状態で雨が降ると導電性が高まってショートして火花になるケースも」という話も。

昨年は確か静岡あたりで台風後に電線から火花があがり停電という事象がありました。

千葉県近郊にお住いの方は、今停電していなくてもリスクがあるかも。電気設備にはむやみに近寄らぬようお気をつけください。

停電復旧作業の思い出

私が20歳そこそこだった頃の遠い昔。集中豪雨で広範囲に停電した際に、なんちゃってではありますが、作業のお手伝いをしたことがあります。

手伝いといっても、技術者でもなく知識も技能もない私は、短期アルバイトのドライバー。集中豪雨で地域が半孤立状態だったので、「猫の手も借りたい状態だから運転手をしてくれ」と、知り合いから当時近くに住んでいた私に声がかかりました。

ミッションは電力会社の作業員を車に乗せ、停電しているエリアの機器を点検して回ること。いわゆる故障巡視ですね。

豪雨によって周囲は膝までの水位。道路には水に浸かって動かなくなり放置されたとみられる車両が点々と放置されています。

「こんなに水がある状態での車を運転して本当に大丈夫ですか?やっぱり電力用の車には水没しないような装備がついているんですか?」
「そんなもんあるか!見た通り普通の軽だ。水没したらそのとき考える。それまで気合で乗り切れ!」
「気合といっても…」

信号も消えてあたりは真っ暗闇。豪雨で視界も不明。当時はナビもなかったので、よく知っている道のはずが、どこを走っているかもわかりません。ホラー映画のゴーストタウンに迷い込んだかのような感じです。
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現地に着くと、作業員はひとり水をジャブジャブかき分けて機器を見にいきました。ポツンと車内に残された私は「このまま帰ってこずにひとり残されたらどうしよう」と、不安でいっぱい。実際危険なのは雨の中で電気機器に向かう作業員の方なんですけどね。

「あと5件回るぞ。水かさが増してきているな…。車動くかな。おまえ、電柱は登れるよな。」
「いや、登ったことはないですが…。」
「ま、ヤバくなったらそのとき考えよう。今は回るのが先だ。」

運がよかったのか、その時は車が故障停止することもなく無事に事務所に帰ることができました。

「いやぁ、灯りが消えてゴーストタウンのようで怖かったです。しかも、いつ水没するかもわからないし。」
「お前も怖かったろうが、そんな真っ暗な建物の中にいるお客さまはもっと不安なんだよ。最近はロウソクなんかも家になくなったしな。」
「だけどな、真っ暗だったところに灯りがともるだろ。それでお客さんの顔がパッと明るくなるんだ。そして『ありがとう』と言われたときが、この仕事をしててよかったと思える瞬間だ。まぁ『遅いじゃないか!』と怒られることも多いけどな。」
なんかかっこいいなと思いました。


お手伝いだった私は、夜明けで解放。作業員の方は、さらに次の現場に出て行きました。


その後話をきくと、同乗した作業員の方は2日間に渡って勤務。ずっと作業をしていたせいで、彼の家にある私有車は安全な場所に移動させることができず水没。そのときの豪雨では、彼のみならず作業員の自家用車の多くは廃車になったとのこと。

かっこいい使命感には代償がつきもののようです。

作業員の方に感謝やねぎらいの言葉をかけられますか?

電力会社やその関連会社、自衛隊などには「台風警報が出たら」「震度5以上の地震が起きたら」のように、災害が起きたら時間や休日にかかわらず出勤しないといけないルールがあるそうです。

なんてブラックなルールだと思いますが、そうしないと復旧作業に人を集めることができないわけです。

もし自分の家が停電や被害にあっていても、出社しないといけないのはなかなかシビレます。
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千葉で復旧作業に携わっている方の中には、きっと自分の家がまだ停電中にもかかわらず、家族に後ろ髪を引かれつつ来ている人もいるんでしょうね。

「電気料金を払っているんだからつけるのは当たり前」「税金払っているんだから自衛隊が働くのは当然」という方もおり、それはそれで正しいかもしれません。

でも、そこで活躍している作業員は、それぞれが生活があるなかで、危険な場所へ出向いている。仕事とはいえ、なかなかできません。

若い頃に一緒に過ごした人を思い出しながら、私は作業している方への「ありがとう」の感謝の気持ちを忘れたくないなと思いました。

今回の大きな災害が起きれば全国から応援。私の故郷の九州からも応援部隊が行っているようですね。
www.kyuden.co.jp

遠路はるばる応援にきて、地元に持って帰るのがどんな言葉なのか…。ぜひとも達成感をもって地元に帰還してほしいものです。

危機的な状況にこそ人間の本質が出てきます。間違ってもどこぞの政治家のように、ここぞとばかり声高らかにパフォーマンスに走ったり「不眠不休で作業しろ」と追い込んだりするような人間にはなりたくないですね。

陸マイラーにおすすめのSPGアメックスカードをポイント宿泊目的で発行したら予想以上に使えるカードだった。

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今年のはじめにクレジットカードのSPGアメックスカードを発行しました。

SPGアメックスといえば陸マイラー御用達ということと33,480円という高額の年会費で有名です。

マイラー活動をしていない私には縁がないうえに、聞いただけで拒否感の高額年会費。しかしながら、ポイントや無料宿泊など会費以上の特典があるということで、かなり前から心揺れていました。

普段は2000円の年会費でも払いたくないのですが、ずっと悶々と迷っていたこともあり、今回「損して得とれ」で清水の舞台から飛び降りる気持ちでカードを発行。半年あまり利用してみましたが、予想以上に満足度が高いカードでしたので、良かった点をご紹介したいと思います。

陸マイラー御用達のマイル交換に便利なSPGアメックスカード

SPGは「スターウッド プリファードゲスト」の略です。

2018年にSPGはマリオットグループと統合して世界最大のホテルグループとなり「マリオット ボンヴォイ」という名称になっています。SPGアメックスはマリオットグループ提携のアメックスカードというわけですね。

このカードが陸マイラーに人気の理由はマイル還元率が1.25%と高めなところ。この還元率に加え、様々な航空会社のマイルに交換できるマイル交換の柔軟さが魅力です。

航空会社のマイルって、貯めてもその航空会社の提携先でしか使えない制約が結構痛いんですよね。私もその昔、5万マイルあまり貯めたのに使える航空会社がなく、泣く泣く諦めたことがあります。交換先が多いことはアドバンテージです。

ただ私は今はマイルを特段集めていないですし海外旅行も10年以上行っていません。今回はマイル以外の特典であるホテル宿泊での利点を中心にご紹介したいと思います。

100円の利用あたり3ポイントを獲得でき、ポイント宿泊で使えば1円以上の価値にも。

私が一番うれしいのがポイント宿泊。SPGアメックスを利用すると、ベースで100円あたり3ポイントが獲得できます。

私はこのポイントをポイント宿泊で利用します。ホテルのグレードによって必要なポイント数は異なりますが、現金を使わず宿泊ができるわけです。

今年の夏は、「南紀白浜マリオットホテル」をポイント宿泊で利用しました。

白浜は海があり温泉がありパンダもいる。私の自宅からはかなり遠いのですが、海の透明度も高く、白浜はうちの家族のお気に入りの場所。


夏の白浜はハイシーズン。白良浜海岸に歩いていける南紀白浜マリオットホテルは、8月の週末だと安い部屋でも一泊2名で50,000円から60,000円くらい。

一方でこれがポイント宿泊だと、カテゴリー5のホテルとして35,000ポイントで宿泊できます。現金での宿泊料金と比べると1ポイントの価値は1.5円ほどです。

連休や年末年始など宿泊費が高騰する繁忙期にうまく活用すれば、ポイント価値が2円を超えることもあるようです。

私はこれまで1.5%くらいの還元率のクレジットカードをメインに使っていました。ホテル宿泊に使えば3%から、うまくいけば5%くらいまで還元率が見込めるということで、メインに使うクレカをSPGアメックスに一気に切り替えました。

マリオットボンヴォイのゴールドエリート資格が付与

SPGアメックスのもうひとつ魅力はマリオットボンヴォイのゴールドエリートの付与。

ゴールドエリートは、年間25泊すると獲得できるステータスです。マリオット系列のホテルに宿泊する場合にお得意様としての特典を受けられるわけですね。

ゴールドエリート特典の例としては、以下のようなもの。

  • 客室のアップグレード
  • 午後2時までの レイトチェックアウト
  • 滞在ごとに25%のボーナスポイント
  • ウェルカムギフトとしてのポイント

ポイントもうれしいですが、個人的には客室のアップグレードが満足感が高いです。最低の部屋をとっても、ランクが高い部屋にアップグレードしてくれる(空きがあればですが)わけです。

私はは貧乏症なので最初から高い部屋を予約することはないのですが、無料でアップグレードしてくれるのはうれしいところです。

この夏の南紀白浜マリオットホテルはカード作成後2度目の利用になりますが、いずれも温泉付の客室にアップグレードとしてもらえました。白良浜の花火を部屋の温泉から眺めるのはちょっと贅沢な感じです。
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レイトチェックアウトも地味ですが、わが家にはうれしいところ。

チェックアウト時間は通常11時。子連れだとなかなか思うように動いてくれず「あと10分しかない!みんな急いで」と、チェックアウト前はいつも戦争状態。

いつも旅の余韻もない慌ただしい出発で、フロントも混雑が当たり前でしたが、レイトチェックアウトで余裕をもって出発できるようになりました。

カード継続による「無料宿泊特典」

カードを更新すると、「無料宿泊特典」がついてきて、50,000ポイントまでのホテルに無料宿泊できます。

私はカードを保有して1年目なので、まだ利用していませんが、うまく活用すれば年会費分をペイできそうです。

もちろんアメックスとしての機能も充実。

SPGアメックスはホテル提携カードですが、もともと富裕層向けといわれているアメックスとしての特典ももちろん。自動付帯の旅行保険や航空便遅延保険など、クレジットカードとしての付帯サービスがなかなか充実しています。

VISAやmasterでは見かけないアメックスならではのキャンペーンも。最近ではIKEAや家電量販店で20パーセント還元のキャンペーンを開催しています。

〜PAY祭りが落ち着いてきたので、うれしいですね。

SPGアメックスをおすすめできる人、おすすめできない人。

ホテルの利用目的で特典を享受できる人は、以下のような人です。

マリオット系列のホテルを利用できる人。

今回記載した宿泊での特典を享受するには、マリオットグループのホテル利用が前提です。

世界最大のホテルグループとはいえ、そこに宿泊しなければ意味がありません。例えば民宿やペンションに十分という人は、正直必要ないと思います。

私が好きな沖縄ではマリオット系列のホテルが複数あるのでうれしいところです。

ホテルの滞在を楽しみたい人。

夜はギリギリまで外出し、ホテルでは寝るだけで朝は早々に出発。宿泊場所を単なる寝床と捉えれば、アップグレードやレイトチェックアウトには意味がありません。

私も子供ができる前は、旅行は出掛けて活動してナンボ。ホテルでゆっくり過ごすなんて考えもしませんでした。小さい子供を連れての旅行となってからは、あちこち動き回るのが大変なので、ホテル滞在型の旅行が中心となりホテルが大事になりました。

ホテルでグダグダ過ごし、ベッドの上で持ち込んでボードゲームという、家と同じことをやっている時も…。

アップグレードやレイトチェックアウトがうれしいかどうかは、家族や旅行のスタイルによるかもしれません。

土日祝日など繁忙期の旅行が中心の人。

ポイント宿泊のメリットが大きくなるのは、週末や連休など宿泊料金が高くなる時期の利用です。

逆にいえば、平日にポイント宿泊をしてもお得感はありません。平日の休みがとれ閑散期の旅行が中心の方はメリットがないかもしれません。

子供が小学生に上がってからは学校があるので平日の旅行は事実上不可能となりました。宿泊料金が高い週末や夏休みなどが中心になるので、ポイント宿泊はとてもありがたいです。

実際にどれだけポイントがたまるのか。

私の3ヶ月経過時点でのポイントです。

後述の入会ボーナスの39,000pointが入ったのと、アップグレードがうれしくて調子に乗りゴールドの上のプラチナエリートを目指し16泊したので(5泊分は初期値としてカウント)、10万を超えるポイントを獲得できました。

この夏でも使いましたが、また貯まってきたので、年末年始のハイシーズンにでも使用したいと思っています。
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SPGアメックスの発行時には会員からの紹介経由が入会ポイントが高くておすすめ。

SPGアメックスの入会には、会員からの紹介での入会がおすすめです。紹介から入会して3か月以内に10万円以上カードを利用すれば39,000ポイントが獲得でき、実質年会費分以上が回収できます。

紹介者もポイントが入るので、周囲にSPGアメックス保有者がいれば、その知り合い経由で入るとお互いにWin-Winとなります。

私は身近に知り合いがいなかったので、以前からお世話になっているブロガーさんに紹介いただき入会しました。知り合いがいない方で、もしご興味があれば、下記問い合わせフォームを使ってお気軽にお声がけください。

問い合わせ

カード発行はかなり早く、私の場合、審査もあっという間で申請から一週間そこそこでカード届きました。年会費を払う覚悟があるということで審査も甘めなのかな?

SPGアメックスは、ホテルでのんびり過ごす旅行スタイルの方にはおすすめのクレジットカード。お得でちょっと豪華な過ごし方ができ、高い年会費に負けない特典が得られると思いますよ。

花札の赤い短冊の文字は「あのよろし」「みなしの」ではなく「あかよろし」「みよしの」です。

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家にボードゲームがなかった私の子供の頃、家族で遊ぶアナログゲームといえば、将棋やトランプ、花札でした。

将棋やトランプは今も普通に遊ばれていますが、花札はあまりみなくなりましたね。わが家も花札は家にありません。今時の子供は遊んだことある子は少ないかもしれませんね。

もともとギャンブルのイメージが強く、それほどメジャーではなかったので、テレビゲームなどの他の遊びに駆逐されてしまったのかもしれません。

テレビゲームで有名な任天堂の創業は1889年ですが、初期は賭場におろす花札が主力な事業。花札なしでは今の任天堂、ひいては日本のテレビゲーム産業が存在しなかったことでしょう。

賭場で使われていた花札は、イカサマ防止のため常に新品に入れ替わります。高品質な任天堂の花札は賭場で重宝され、売上を支えていたようです。今も販売されています。

www.nintendo.co.jp

花札の赤短の謎の文字の意味は?

さて、花札で私がずっと勘違いしていたのは、赤い短冊。短冊には「あのよろし」「みなしの」の文字が書かれていますが、一体何が書いてあるんだろうとずっと思っていました。

「あのよろし」は「あかよろし」、「みなしの」は「みよしの」が正しい読み。「みよしの」の「よ」はともかく、「あかよろし」の「か」は読めないですね。

「あかよろし」こ、「の」に見えるのは変体仮名の「か」。のに点が付いたような字なんですね。「とても素晴らしい」という意味のようです。
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また桜の赤短の「みよしの」は奈良のにある桜で有名な吉野山の雅名とのこと。

知らなくてもルール上は問題ありませんが、私はずっと知りませんでした。

というわけで、次回は赤短が登場する、花札のようなコンポーネントのフランス発の和風テーマ(↓和風なのにチャイナドレスの時点でかなりズレていますが……。)ボードゲーム「OKIYA/NIYA」です。
www.boardgamepark.com


ボードゲーム : OKIYA 日本語説明書付き

年金2,000万円不足問題の対処には「生涯現役」で働き生涯年収を増やすことを意識したい。

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先日、いつもとは別の初めての理容室で髪を切りました。いわゆる家族経営の理髪店。息子が店を切り盛りしていて、両親がサポートする感じです。

メインでカットを担当する息子の店長のサポートとして、部分カットやシャンプー・髭剃りなどをしてくれたのは、お父さん。

見たところかなりの歳。年齢を聞いてみると、なんと御年85歳。ただフェイスマッサージの手も力強く「目も大分弱くなってきて、ハサミはほとんど握らないけれど、まだまだやれますよ。」と、元気そう。

その姿をみて「自分はこんな歳まで働けるだろうか」と改めて考えさせられました。

年金2,000万円不足問題に自分で対処生きていくために生涯年収を増やすしかない。

このところ「年金2,000万円不足問題」が話題となっています。参議院選挙の争点としてとりあげている政党もあるようですね。

そもそも「現役世代が納めた保険料を引退世代の年金受給者へ支払う」いわゆる賦課方式の公的年金システムは、少子高齢化で現役世代が少なくなると帳尻があわなくなるのは子供でも分かる話。余裕ある給付が困難なのは明白ななか、今回の2,000万円問題はかねてからあった「不都合な真実」が具体的な数字として表面化しただけという認識です。

抜本的な解決策があるのならそこに投票したいところですが、大問題と騒いでいる政治家たちも基本的には批判・非難しているだけ。構造上の問題に対して抜本的・具体的な解決策を示しているところはありません。

公的制度による問題解決の期待が薄い状況では、お金の不足分について自己責任での解決が必要です。2,000万円を自分で調達するしかありません。

金融機関に相談すれば「老後に備えて保険を」「積立NISAを活用して資産形成を」など言われますが、金融資産は現在から将来への資産の移転。そもそも金融資産をつくるためには先立つもの。貯蓄のための原資がなくてはなりません。

結局のところ問題の所在は生涯で必要となる生活資金と生涯年収とのアンバランス。生活資金側の切りつめには限界があり生涯年収をいかに増やしていくかが大事になると考えます。

生涯年収を増やすには、いつまで現役で働けるかどうかが大事。

世帯の生涯年収を単純化すると、
年収×働く年数×働き手の数+副収入
の式で表されます。

この式のそれぞれの要素を高めていけば、生涯年収が増やせるわけですね。したがって選択肢は下記の4つ。

  1. 年収を増やす
  2. 働く期間を増やす
  3. 働き手を増やす
  4. 労働以外の収入を増やす

どの選択肢に重点を置いて伸ばしていくかは、個人のおかれた状況次第ですが、比較的誰でも取り組みやすいのは2の働く期間を増やすことではないでしょうか。

仮に年収100万円の仕事でも20年働けば2,000万円。単純計算でこれだけで2,000万円を調達することができるわけですね。

生涯現役となるための準備をしよう。

私の父は一人親方の職人でした。毎日屋外ででまさに汗水たらして働いていました。

梅雨は雨で仕事に出られなくなるなど、天候やケガで収入が減少する不安定な収入。体が資本なので年齢を重ねるごとに体力は落ち、仕事がどんどんきつくなってきます。

そんな父の姿をみてきた私は、「自分の体力や天候などで収入が左右されない仕事」ということで会社勤めのホワイトカラーの仕事を選びました。

ただ、就職した後の老後働くことまでは考えていませんでした。「定年後も長く働く」という観点では、ホワイトカラーの仕事はスキル面でなかなか難しいところがあります。

高齢化が進んだ時代では、石を投げれば高齢者に当たる時代。自分が仮に65歳で働こうとしたときに、立ちふさがるのはさらに年齢が上のライバルたち。ライバルに勝てるのか?老後に働くのはそんなに簡単ではないかもしれません。

平均寿命が延伸し年寄りが溢れる時代では、高齢者の労働市場も飽和状態になることが想定されます。マクドナルドではシニアクルーの積極活用をしていますが、これからは経済的にゆとりある生活を求めるシニアクルーがさらに多くなっていきそうですね。ただ、私自身がテキパキ働くシニアクルーになれるイメージがあるかといえば、全く自信がありません。

30年もたつと、バブル世代、氷河期世代、ゆとり世代が、高齢でもができる仕事を奪いあう構図。供給過多になると競争となり、就職の機会もへり賃金も下がるのが市場の摂理。就職氷河期世代は高齢者になっても再び就職に苦しむかもしれませんね。

老後に向けた金融資産形成のための投資も大事ですが、体力も知力も衰えていくなかで勝ち抜けるよう歳をとっても働ける将来の自分への投資の方がもっと大事かもしれません。投資先は「健康な身体の維持」「歳をとって働けるスキルの確保」です。

今から理容師になることはムリですが、私も85歳の理容師さんのように元気に働けるよう、リタイア後に使えそうなスキルや資格を探していきたいと思います。

別世界のおもちゃ、ディールトイ(Deal toy)とは。

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ディールトイ(Deal toy)とは

先日ちょっと珍しいものをもらいました。ディールトイです。

ディールトイとは、企業買収や合併・大型のファイナンスが終了した際に記念品としてその会社をモチーフにして作るトロフィーのようなグッズのことです。

「A社とB社の合併。アドバイザー△銀行、資産規模x千億円」というように、ディールトイには取引関係企業と、その取引を示す資産規模などが記載されます。

「〇〇の買収を手掛けた実績あり」と、関わってもないのに実績をアピールするインチキM&Aコンサルタントなどがいるなか、実際に手掛けた関係者で共有化して関与を明確にする目的もあるようです。

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航空業界であれば飛行機など、その会社を端的に表す形に作成してオリジナルティを出すなど、形もさまざま。ゴルフのトロフィーや楯などに比べてオーダーメイドの部分もあるので、そこそこ単価はするようで、贅沢なオモチャです。

投資銀行やディーリングアドバイザーが主力のコンサルタントのオフィスでは、このディールトイをズラズラっと並べておき、「こんなM&Aを手掛けたんだぞ」と、実績をアピールするために使われるようですね。私が生きているとこおr、なんだか世界が違います。


今回たまたま「おかげ様で大成功となりました。こんな案件を手掛けてることができ、いい実績となりました。コアメンバーの証としてデスクにかざってください」とディーリングアドバイザーから渡されたディールトイ。

しかし、私はちっともうれしくありません。残念ながら、私はディーラーでもコンサルタントでもなく単なる会社側の従業員。M&Aに関わった実績なんて何のアピールにもなりません。

むしろ、社内では反対していた人も多い今回のプロジェクト。こんなものを飾っていると、逆に反感を買うリスクの方が大きいかも。もらったディールトイは2キロくらいでずっしり。カッとなったときは凶器としても使われそうです。

M&Aを仲介しておしまいのディーラーやアドバイザーたちは、合併や買収が終われば仕事が終了。予定通り終われば成功です。しかしながら会社側はこれからがむしろスタートで、目下の混乱をどう収束させるか、まさに日々頭を悩ませているところ。本当に「成功」となるかは、その後の会社と従業員が幸せになるか次第です。

「いやぁ、よかったよかった」達成感で満足げな表情でディールトイをくれたアドバイザーたちと、住んでいる世界の温度差に微妙な心境となりました。

そして、私はもらったディールトイをそっと机の奥にしまいました。

ディールトイは別名トゥームストーン(Tombstone)とも呼ばれます。M&Aによって泣く人も多いことを考えると、墓標という意味のこちらの呼び名の方が適当なのかもしれませんね。

私はやはり、トイはトイでも本当に遊べるおもちゃの方がいいなぁ。

というわけで、次回は子供向けゲーム「きらめく財宝(Funkelschatz)」の予定です。
HABA? - Funkelschatz